梶山雄一のレビュー一覧

  • 仏教の思想 12 永遠のいのち<日蓮>
    日蓮について最初に読む本であるとは思わないが、独自な視点がいくつかあり、必読文献である。

    紀野一義は日蓮の人物像と信仰の本質を突く。
    紀野に比べて、全体的にオーソドックスな梅原猛だが、日蓮の歴史哲学について触れる部分は独自性がある。日蓮は陰がないという指摘も意義深い。

    昭和44年の著作なので、事...続きを読む
  • 仏教の思想 9 生命の海<空海>
    空海について知ることが多かった。
    空海と最澄との関係性。お互いを利用する関係など興味深い。
    また、ニーチェ哲学との比較。
    どちらも生を肯定する哲学。ただし、ニーチェは闘争の哲学、密教は和合の哲学という比較も興味深い。
  • 仏教の思想 2 存在の分析<アビダルマ>
     北伝仏教で基礎学と言われる倶舎論を、初心者でも学べる数少ない書籍。入手の容易さや文庫故に安価であることも考慮に入れると、唯一の入門書と言っても過言ではないだろう。
     最近では南方上座部の瞑想法の実践者も増えていることから、上座部のアビダンマの解説書はいくつか出版されている。しかし、大乗仏教の基礎と...続きを読む
  • 仏教の思想 1 知恵と慈悲<ブッダ>
     角川ソフィアが出た頃に買ったはずの本なので、1996年には買っていたと思う。
     それから、半分ぐらいは読んだのだけれど以後読まずで今まで18年間放置されていた本。本棚の奥まったところに移動せず、常に手前にあったことから「読む気だけはあった」と思う。

     今回初めて最初から最後まで軽く流す。
     今ま...続きを読む
  • 仏教の思想 2 存在の分析<アビダルマ>
    アビダルマを学ぶのに最適。
    本書ではサルヴァースティ・ヴァーディン学派のアビダルマの思想をヴァスバンドゥのアビダルマ・コーシャをテキストにして説明している。

    仏教における天地創造の定義が非常に味わい深い。「この世はサットヴァ・カルマンにより生まれる」のだという。つまり、仏教では宇宙を創生するエネル...続きを読む
  • 仏教の思想 9 生命の海<空海>
    仏教を学ぶものとしてこのシリーズは先ずおさえておくべき。
    梅原イズムはいささか独特なものがあるが、本書は泰斗、宮坂宥勝との共著であり空海の歴史、思想を知るには好ましい。
    「仏教の思想」シリーズ各巻に付けられたサブタイトルは絶妙であり、空海に関するこの巻は「生命の海」と名づけられた。
  • 仏教の思想 4 認識と超越<唯識>
    奈良からコータンに戻る途中、いまガンダーラに来ています。
    興福寺の北円堂で、弥勒(マイトレーヤ)と無著(アサンガ)、世親(ヴァスバンドゥ)の兄弟にお会いし、ぜひ行ってみるといいといわれました。
    ここで、もう少し唯識を学ぶ予定です。

    ガンダーラ行きのバスの中で、
    バスガイドのおねえさんとみんなで歌を...続きを読む
  • 仏教の思想 8 不安と欣求<中国浄土>
    竜樹に端を発する大乗浄土思想が慧遠、羅什、曇鸞、道綽、善導と発展する過程が興味深い。一神教的仏教である浄土教は中国に於いても社会不安と法難が契機になって拡大した。易行、他力の思想は大乗の一つの極点でもある。
  • 仏教の思想 10 絶望と歓喜<親鸞>
    親鸞について、ほとんど知らなかったが、基本的なことが分かった。
    坊主が結婚して子どもを作るなどある意味、宗教の堕落を促進しているのかもしれない。
  • 仏教の思想 8 不安と欣求<中国浄土>
    前半途中まで流れが読めず読みにくかった。
    後半は一気に読めた。

    浄土教は中国で発展し、日本の中心的な考えになったことが興味深い。
  • 仏教の思想 7 無の探求<中国禅>
    久しぶりに読み始めたら面白くて一気に読み終わった。
    仏教を人間を否定的に捉える考え方から肯定的に考えるようになったというくだりが良かった。
  • 仏教の思想 4 認識と超越<唯識>
    読み終えると、何となく唯識がわかった気になるのが、この本のすごいところです(笑)

    実際に良書で、佛大のテキストに指定されています。

    唯識3年、倶舍8年と言われるように、アビダルマに比べて、とっつき易いのは確かだと思いますが、理屈では理解できないのが、唯識をむずかしくする理由だと思います。

    しか...続きを読む
  • 仏教の思想 12 永遠のいのち<日蓮>
    長かった仏教の思想シリーズも最終巻「日蓮」である。

    仏教宗派の中でただ一つ創始者の名前が宗派の名前になり、のちの
    多くの新興宗教の母体となる日蓮の思想が、今となっては明らかな
    間違いである(決して無価値ではないが)天台宗の祖「智ぎ」の教判に
    基づいているというのが興味深かった。

    迫害を受けること...続きを読む
  • 仏教の思想 11 古仏のまねび<道元>
    只管打坐。とにかく座禅をしろと言う道元の思想は、私の中で今ひとつ
    確固たる像を結ばなかった。

    出自から来る潔癖なまでの反権力と世俗との決別。
    十五歳にして大乗仏教の根本に疑問の視線を向けうる驚くほど聡明な
    知性。
    そしておそらくは如浄のもとで経験したのであろう座禅による宗教的
    体験。
    道元の中の様...続きを読む
  • 仏教の思想 10 絶望と歓喜<親鸞>
    日本で最も知られ愛される仏教者と言っても過言でない親鸞。
    その教えは単純で信念と念仏ということになるだろうか。
    この本では単に親鸞の思想を抽出するのではなく、その思想と生涯とが
    不可分だと考え、思想家や学者ではなく、修行者や仏教を生きる者と
    しての親鸞を追っている。

    頭でっかちの私にとっては最も遠...続きを読む
  • 仏教の思想 9 生命の海<空海>
    空海とその真言密教に対して私の持っていたイメージは「熱帯雨林」。
    様々な要素を切り落とし、念仏や禅に特化していった鎌倉仏教とは
    違い、空海の思想には宇宙論や思想、哲学と言ったものも含まれる。
    そして様々なものを否定し拒絶する「禁」の印象の強い浄土教や禅と
    違い、真言宗はすべてを肯定するダイナミズムに...続きを読む
  • 仏教の思想 8 不安と欣求<中国浄土>
    今まで全くと言っていいほど知らなかった中国における浄土教の誕生
    とその発展の経緯が語られ、実に興味深く読むことが出来たが、
    読後の感想としてはこのまま日本の浄土教に繋がっていくのだろうな
    という感じで、今ひとつ「中国の浄土教」に踏み込めていないような
    気がした。紙幅の都合上仕方がないことなのかも知れ...続きを読む
  • 仏教の思想 7 無の探求<中国禅>
    達磨くらいしか思いつかなかった中国禅だが、その達磨は架空の人物
    と言うことでほぼ触れられず。それほどまでに知っていることの少ない
    中国禅の世界だが、ここでも中国人の現世主義というかリアリズムと
    いうか圧倒的な人間主義のようなものが顔を出してくるのが実に中国
    らしくて面白かった。日本で「禅」と言われて...続きを読む
  • 仏教の思想 6 無限の世界観<華厳>
    この巻は限られた紙幅の中で実によくまとめられていると感じたな。

    天台とは表と裏のような関係にあること。そして、今では東大寺
    くらいしか思い浮かばない華厳の教理が禅の中に息づいているのでは
    ないかという考え方が興味深かった。

    しかし一口に仏教と言ってもこれだけ多様な相を持っているのには
    改めて驚か...続きを読む
  • 仏教の思想 4 認識と超越<唯識>
    4巻目は唯識。実はこれもよくわからない(笑)。

    すべては空であるとして輪廻も否定した中観と比べると、私のような
    頭でっかちの理屈人間には後退のようにも思える唯識だが、それは
    瑜伽行の実践のバックボーンとしての性格が強く表れているという
    ことなのだろう。実際に人間の体や心と対峙して作り上げた唯識を
    ...続きを読む