梶山雄一のレビュー一覧

  • 完訳 ブッダチャリタ

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    ネタバレ

    今作『ブッダチャリタ』は1~2世紀頃にインドで活躍した仏教詩人アシュヴァゴーサ(馬鳴)による仏伝です。漢訳では曇無讖によって『仏所行讃』として翻訳されています。

    現在語られるブッダの生涯の大元となったアシュヴァゴーシャの『ブッダチャリタ』。物語としても非常に面白い作品でした。

    漢訳の『仏所行讃』は私達日本仏教においても大きな影響を持っていたことでしょう。浄土真宗の開祖親鸞もこの作品を読んでブッダに思いを馳せていたのでしょうか。ロマンがありますね。

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    2024年08月23日
  • 大乗仏教の誕生 「さとり」と「廻向」

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    歴史上のブッダは本当はどんな人でどんなことを考えていたのか、というのは、とても興味深い問いで、そういう本はたくさん出ている。そういうのがあれば、わりと読んでしまうのだが、何冊か読む中で大体のところが見えてきた。

    で、次なる疑問は、「大乗仏教」はどのように生じたかということで、その辺りの私がまだよくわかってない領域で、ズバリのタイトルのこの本を読んでみた。

    これはとても読みやすい本で、かつ知らないことがたくさんあって、眼から鱗がたくさん落ちた。

    一時、仏典と聖書に登場するエピソードに類似するものがあり、それは仏教から聖書への影響があるのでないかという研究が 19世紀にあった。が、調べていく

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    2024年03月15日
  • 大乗仏教の誕生 「さとり」と「廻向」

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     大乗仏教の話なのだけれど、自分には宗教を求める人間の観点からその歴史を文献と今の自分を撚り合わせて辿るような本だと感じた。 

     前半部分で、キリスト教に出てくる話とジャータカの話の類似性についての研究の歴史がある。文献学と史学的な確かさから影響をしあったことはないようだが、検証の過程で人間が宗教を求めていくことを確かめていて、それは同時に読んでいる自分の中を確かめるようでいて学術的な表記以上のものがある。

     ゾロアスター教(拝火教)との関連性に言及したり、初期仏教からの経典の解説もあり、これは浄土教以外の仏教諸宗派、修験道の方が読まれたらどんな印象なのだろうと思った。視点がたくさんあって

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    2021年07月31日
  • 輪廻の思想

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    分かりやすかった!
    構成的にも、最初は難解だが後半からどんどん学習したことが出てきてとても読みやすかった。
    著者が淡々と説明される前半から、詩に関して著者の半生も踏まえて説かれる後半は対比的に情緒的でグッとくるものがあった。

    とはいえやっぱり難しいー!でも読み終わった時の達成感もすごい

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    2025年11月27日
  • 輪廻の思想

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    輪廻をめぐる講演と随筆を集成したもの。


    なるほど、と、読みました。

    「いままでは道徳を支えていたのは神であり、業報輪廻であり、家や国家の絶対性であった。それらの支えがなくなったいまは、道徳は倒れ、したがって人間も倒れてしまった。人間を猿と区別していたものは、尻尾の有無ではなくて、道徳の有無だったからである」

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    2025年08月01日
  • 仏教の思想 3 空の論理<中観>

    匿名

    購入済み

    難しかった…。中観派の知識がない方は第二部の対談と第三部で龍樹及び中観派のあらましをなんとなく把握してから第一部を読んだ方がよいかもしれません(なおそれでも体感としては半分も理解できてない感じですが)。仏教思想の中では空の思想に惹かれているので読み始めましたが、それ以上に当時のインド仏教の他の学派の思想にも通暁していないと十全な理解は得られない本でした。またチャレンジしたいな。

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    2024年10月20日
  • 般若経 空の世界

    H

    購入済み

    これまで、仏教に興味があり、色々な新書や目についた書籍を時々読んでいました。大乗仏教、特に日本の浄土教は、菩薩の第18願をその根拠としているとのことでしたが、納得感がすくなかったのです。本書で小乗仏教からどうして大乗仏教が生まれたのか、その歴史的な説明で初めてへ納得できました。
    仏教に関する知識が全くない方には不向きですが、ある程度の基礎知識があれば、完全ではありませんが、読めると思います。
    時間をおいて、再読します。

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    2024年02月17日
  • 大乗仏教の誕生 「さとり」と「廻向」

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    非常に平易な文章で書かれており、読み易いです。とは言え、ジャーゴンを習得していない門外漢として読み始めたところ、やはり二、三度以上は再読しないと最低限の理解にすら及ばないかなあと感じました。少しずつ再読してみます。ゾロアスター教に幾つかの宗教のルーツがあり、仏教もその揺曳であった、というお話。成る程。

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    2023年05月03日
  • 大乗仏教の誕生 「さとり」と「廻向」

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    多数の経典を元に原始仏教から大乗仏教のおこりを概説。
    前半のキリスト教などの対応の紹介などは余り関心は抱かなかったが、インドにおける他民族侵略の時代背景や修行に専念することが可能な聖者のみに救いの可能性がある小乗から、民衆へ救いの手を広げる大乗へとの繋がりは比較的わかりやすく読めた。
    副題のさとりと廻向の論理も丁寧。
    (途中期間を空けて読んでしまったので、文献や用語についていけなかったりはしたが)

    不勉強ではあるものの個人的に多くの宗教は排他的であるように見えたり、死後の世界を信じていないことから信仰心はないものの、その中で仏教の無常感や数十億年単位の時代・宇宙観、現世利益と距離を置くところ

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    2022年09月14日
  • 仏教の思想 3 空の論理<中観>

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    ネタバレ

    第3巻はナーガールジュナを中心とした中観派を扱う。

    途中でどちかというと苦手な論理学が顔を見せたりして、少々
    手強い内容だった。

    ・言葉を尽くしたその先に言葉を否定する形で空が現れる。
    ・無我とは今で言う無心という意味ではなく、あらゆるものが
     それ自体として自立的な普遍の実体(=自性)を持っているわけ
     ではない。
    ・輪廻というものをラジカルに否定してしまう。

    など、私にとって一番しっくりとくる仏教論がこの中観派に含まれ
    ているような印象を強く受けた。
    ただ、中論をそのまま読んでもたぶんわからないだろうなぁ(苦笑)。

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    2013年01月05日