鬼頭宏のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
・1974年、政府主導で少子化が始まった。ベビーブーム世代が新卒者として労働市場に登場する。時代の転換期に特有の労働力過剰という雇用問題を避けるために、出生を抑制する必要があったのである。「人口白書」では、「合理的な生活設計を背景とした正しい家族計画の普及」を推進させることが、国民的課題とされた。
・2055年には国民の40.5%が高齢者になるのである。
・人口は減少を続けて2100年には3分の1、4,000万人近くまで減ることは避けられない。世界の人口ランキングで日本の順位が下がることに、本質的な意味はない。日本人からみて豊かな暮らしを実現させているヨーロッパの各国には、日本以上の人口大国は存在しないのだから。人口が縮小する日本が目指すものーそれは高度な労働生産性と適切なワークライフバランスを保った、豊かさを実感できる社会に他ならない。
・2050年に日本の人口順位は世界17位まで後退し、世界の経済情勢は大きく変わる。
・のんびりと年金生活を営むフランス人と違い、日本では多くの高齢者が高い労働意欲をもっている。労働力の担い手を増やすため、高齢者の定義が引き上げられるかもしれない。
・日本の技術力をいかした「モノづくり」こそ伸ばしていくべきだと語られるが、それだけでは不十分だ。技術は陳腐化するし、模倣されるものだから。常に新しいものをつくり続けていく競争力は必要だけれど、それだけでは日本にクラス人々の幸せには繋がらないのではないだろうか。一人ひとりが幸せを実感するために欠かせないのは、美しい自然環境に囲まれた居心地のいい都市、そこで築く豊かな人間関係である。そのためにも、国を挙げて国土の大掃除を行い、枯れた葉をよみがえらせること。その上で、ある程度の食糧自給率を保ち、かつ最新技術も開発できるような国づくりを目指したい。日常生活を快適にすごすことができ、財政的にも効率がよく、環境負荷の小さな居住―そんな理想的な将来像のデザインを描くことがいま、求められている。
・結婚に適齢期はなくなり、子どもづくりを目的としない新しい結婚文化が生まれる。
・国内労働力をいじするためには外国人の労働力を大量に取り入れる必要がある。
・減る分の労働力をすべて移民で補うと、2050年には人口3分の1が外国人になる。
・日本の貿易依存度は世界でも最低レベル。諸外国との分業的な連携が必須
・食糧自給率100%も夢ではないが、その場合は国民の大半が農民になる
・東京の大久保、群馬県の大泉町のような外国人街が各地に増えていく
・アジアを中心に、外国人と結婚する人も増えていく
・食糧と同じく資源やエネルギー不足が深刻になる
・地球が支えられる人口は多くて100億人。すでに限界が近付いている
・世界に先駆けて人口減少が始まった日本には、イノベーションを率先する役目がある -
Posted by ブクログ
● 1974年6月には、戦後2回目の『人口白書』として『日本人口の動向』が発表されている。その副題は「静止人口をめざして」。少しでも早く人口増加を停止させ、増えも減りもしない「静止人口」を実現するため、政府は出生抑制をいっそう強化すべきだと明言したのである。
● 人口は幾何級数(等比数列)的、つまりペースを数倍していく勢いで増大し続け、食料生産は等差級数(等差数列)的に漸増する。マルサスは、やがて人口増加に食料供給が追いつかなくなると想定したのである。
● 問題がここまで大きくなった最大の理由は、人口がほとんど政府の予測どおりに推移してきたのにもかかわらず、出生率の低下にブレーキをかけて人口静止へと舵を切るのを忘れていたこと、あるいはタイミングが遅すぎたことである。