鬼頭宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
・1974年、政府主導で少子化が始まった。ベビーブーム世代が新卒者として労働市場に登場する。時代の転換期に特有の労働力過剰という雇用問題を避けるために、出生を抑制する必要があったのである。「人口白書」では、「合理的な生活設計を背景とした正しい家族計画の普及」を推進させることが、国民的課題とされた。
・2055年には国民の40.5%が高齢者になるのである。
・人口は減少を続けて2100年には3分の1、4,000万人近くまで減ることは避けられない。世界の人口ランキングで日本の順位が下がることに、本質的な意味はない。日本人からみて豊かな暮らしを実現させているヨーロッパの各国には、日本以上の人口大国は -
Posted by ブクログ
● 1974年6月には、戦後2回目の『人口白書』として『日本人口の動向』が発表されている。その副題は「静止人口をめざして」。少しでも早く人口増加を停止させ、増えも減りもしない「静止人口」を実現するため、政府は出生抑制をいっそう強化すべきだと明言したのである。
● 人口は幾何級数(等比数列)的、つまりペースを数倍していく勢いで増大し続け、食料生産は等差級数(等差数列)的に漸増する。マルサスは、やがて人口増加に食料供給が追いつかなくなると想定したのである。
● 問題がここまで大きくなった最大の理由は、人口がほとんど政府の予測どおりに推移してきたのにもかかわらず、出生率の低下にブレーキをかけて人