三浦明博のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ02年の乱歩賞作家なんですね。今作はミステリ色は
ほとんどなく、どちらかというと大人になりきれない
大人の青春小説...という雰囲気です。中3の息子と
本気で喧嘩をするような父親「優作」の一夏の
青春...という感じの作品。
漁師でありながらも、フライフィッシングを覚え、
その師匠である謎の女性に恋をし、息子と共に
伝説の巨大魚を釣り上げるという冒険に出る...まるで
子供そのものw。
でも、厭味なく漁師という仕事に誇りを持つある意味
天然で天真爛漫な父親「優作」の姿は決して見苦しくなく
微笑ましい。
釣りを通して描かれる自然も、その中で暮らす人達も
暖かみのあるもので、一種の憧れすら感じてし -
Posted by ブクログ
サスペンスの方に分類。とはいえサスペンスにしては全体的に緊迫感に欠ける。ミステリとしては意外性が薄く物足りないし、犯人や悪玉キャラの動機とか、造型もうすく、クライマックスはチープだった。小説の書き方はすごく手馴れた感じがするし読んでいる間はそこそこ面白いけど、それゆえに、全体的に作り物の感が否めない。「TENGU」ぐらいの筆力があるともっとよかったんだけどな……。
でも私はこの作品は好きだ。戦争と歴史についての考え方は胸をつかれるところがあると思う。小説の「つくり」を読むべきか「なかみ」を読むべきか、それは読む人の自由だけど、この作品を書いた作者の、誠実な姿勢が見えるような気がして、(まる -
Posted by ブクログ
第48回江戸川乱歩賞受賞作品。
乱歩賞受賞作なので、ミステリーなんだろうけど、私にとっては、ミステリーと言うより、「戦争が残したもの」がどれほどの人の心に傷をつけているのか?
そんなことを考えてしまいました。
ストーリーは、ある骨董市で偶然手に入れたフィルムの映像に隠された謎を解き明かすと言うもの。
その間にいくつかの殺人はあるものの、60何年前の戦時中の日本では、当り前のように殺人が行われ、それが罪に問われない時代があったことに怖さを感じた。
ミステリーとしては、オススメってほどじゃないけど、そういう歴史の上に、今の私たちの生きている世があることは、きちんと自覚して生きていかなければいけない