三浦明博のレビュー一覧

  • 五郎丸の生涯
    秋田犬といえば忠犬ハチ公のように賢く飼い主に忠実というイメージだけれどやはりそうなのか、もはやペットとしてではなく家族の一員で迎えいれないと失礼のような気がする。五郎丸の生涯を行ったり来たりしながら物語は章立てされている。最後まで読んでパズルがはまっていくような感覚。そして五郎丸は幸せだったのだろう...続きを読む
  • 五郎丸の生涯
    五郎丸が最後に生まれた地に帰っていったことに泣けます。子犬の頃のエピソードで、じいちゃんと孫の関係も微笑ましく秋田犬らしい生育歴でほのぼのします。五郎丸が犬らしく、話題になった「少年と犬」よりずっと共感できました。
    山に五郎丸を放った夫婦が身勝手すぎて不愉快だけど、リアリティがあるのかも。
  • 盗作の報酬
    感心しすぎてまともな感想が出てこない。
    どこまでがフィクションで、
    どこからがノンフィクションなのか
    頭の中で迷ってしまう。
    少なくともこのフィクションは
    とてもよく出来ていて
    その視点で書くには相当な構成調整があったのでは
    と無粋にも勘繰ってしまうくらいに
    とても興味深いストーリー構成でした。
  • 滅びのモノクローム
    すこぶるよくできた作品。

    読後、解説を見て江戸川乱歩賞受賞作品と知る。受賞は伊達じゃないと納得。ミステリの面白さはもちろん、戦争の悲惨さを伝える社会性も備えており、一気に読み終えてしまった。

    骨董市で売られた古い釣り道具が、戦時中の封印された犯罪を暴き出す。過去と現在を結ぶ展開は見事だった。戦争...続きを読む
  • 逝きたいな ピンピンコロリで 明日以降
    軽快、洒脱でテンポのよい文章。山本幸久さんか垣谷さんかと。まさかのミステリー三浦サン。作家の幅広さに脱帽。「忘れずにいたいことは四股踏みながら覚える」「転ばぬ先の知恵」「自分の人生まんざらでもなかった」と思って逝きたいもの。“アレ”貯金いいかも。「良性健忘は忘れたことは覚えている。認知症は、忘れたこ...続きを読む
  • 滅びのモノクローム
    ー 「1999年の改正住民基本台帳法、そして翌年国会に出された個人情報保護法案、自衛隊法改正案。すべてが法案として通過しているわけではないが、こういうのが続々と出されてくる。何やらきな臭い感じもする。見過ごしておるうちに、わしらは、国家の奴隷になってしまうかもしれん」

    奴隷という言葉に、少なからず...続きを読む
  • 感染広告
    あっという間に読破!犯人は最初から絞られてる感あったけども。個人的には広告業界の仕事の進め方の部分に興味を持って読めた。著者が広告業界出身ということで納得。
  • 感染広告
    『バドバーグ』
    キャンペーン中のビールの名前を叫び、自殺した男。そして、同じ様な自殺が続く。
    なぜ、彼らは自殺をするのか、そしてキャンペーンとの関係は?

    主人公の堂門 修介は、中堅広告代理店のディレクター。
    大手ビール会社の商品『バドバーグ』のリニューアルキャンペーンの責任者を任され、張り切ってい...続きを読む
  • 感染広告
    会社人としての誇りと恍惚と理不尽と。いろんなところで主人公に、その周辺の登場人物に共感できました。一番共感できないのはヒロインだったというのはナイショ。^^;
    個人的には「これは絶対SFじゃない、って内なる声が言ってるんだけど、それはどうしてか」って問題の方が大きいです。
  • 盗作の報酬
    編集者の溝口から盗作のオファーを受けたミステリー作家の中村.逡巡する中村と溝口のやり取りが面白い.溝口は理由をはっきり言わないが,最終段階で意外な事実が浮かび上がる.楽しく読めた.
  • 感染広告
    この作者さんの本は初めてで、本屋さんでPOPに惹かれて購入。

    あらすじから今まで読んだことがなさそうな内容だったので、どんなトリックが仕掛けてあるのかワクワクしながら読みました!

    ネットを使ってのマーケティングで、そこに仕掛けがあると思わせといての2重、3重の仕掛けは見事に騙されました。

    なか...続きを読む
  • 盗作の報酬
    釣りの話しではない三浦明博作品です。

    人の作品を自分の作品として発表する…そんな無茶苦茶な、というストーリー。

    話自体は読みやすいのですが、話の中のストーリーの方が面白いのかな?
  • 盗作の報酬
    10年前に乱歩賞を受賞した作家に担当編集者から盗作の依頼。その作品は志半ばで亡くなった編集者の兄のもので世に出したいと約束を果たすためだった。作家は苦悩の末盗作として書き上げるのだが。巻末にこの小説がその盗作作品だと書いてるけどそんなことないか・・
  • サーカス市場
    すごく面白いとは思わなかったんだけど、
    なんかフンワリとした雰囲気とレトロな味とで、
    どうしても読むのをストップできなかった。

    うーん、うーん、
    なんだったんだろう?

    ストーリーのどれもきりりと解決はしていないのに、
    でもなんとなくまた、読みたくなるようなちょっと味のある作品。

    面白い、とは言...続きを読む
  • 黄金幻魚
    父子家庭の父子と彼らに関わる女性の再生と成長の物語にライトなミステリをちょい足ししてみました、みたいな。ただ、幽霊船のエピソードはよかったけど、本筋のはずのフィッシャーマンのエピソードが余計に感じたのは残念。
  • 滅びのモノクローム
    第48回江戸川乱歩賞受賞作。
     CM制作者・日下が骨董市で偶然手に入れた、古いフライフィッシング用のリールとスチール缶。その中から発見した古い16ミリフィルムの映像を使い政党の広告を制作しようとする日下だが、そのことから歴史の中で蓋をされてきた事件に巻き込まれていきます。
     トーマス・グラバー、長崎...続きを読む
  • 滅びのモノクローム
    日本人が忘れてはいけない先の大戦について
    取り上げられており、読み終えたときに
    妙な余韻が残りました。
    著者の作品は初めて読みましたが読みやすくて
    よかったです。内容も江戸川乱歩賞を取っただけの
    事はあると思いました。
  • サーカス市場
    仙台のどこかにある「サーカス市場」と呼ばれている胡乱な一角を舞台とした連作小説。
    毛針女に面妖屋に膝折男とタイトルもなんとも魅力的。それぞれ少しずつリンクしていて、サーカス市場の住人は個性的で粗暴だけど一本筋は通っている。
    読んでいて楽しくてちょっと寂しくなる。そんな1冊。
    …伊坂幸太郎といいこの本...続きを読む
  • 滅びのモノクローム
    久々の推理小説だったわけですが、面白かったです!
    やっぱり推理小説っていいなと思えた一冊。
    ストーリーの展開の速さとかもちょうど良かった。
  • 逝きたいな ピンピンコロリで 明日以降
    恐ろしい事に、自分にも同じような経験があるのです。最後のトリックまで過去に読んだことがあるミステリーだったと気がつかないとか。決して人ごとでないのですね。