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Posted by ブクログ 2011年12月04日
すこぶるよくできた作品。
読後、解説を見て江戸川乱歩賞受賞作品と知る。受賞は伊達じゃないと納得。ミステリの面白さはもちろん、戦争の悲惨さを伝える社会性も備えており、一気に読み終えてしまった。
骨董市で売られた古い釣り道具が、戦時中の封印された犯罪を暴き出す。過去と現在を結ぶ展開は見事だった。戦争...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月06日
ー 「1999年の改正住民基本台帳法、そして翌年国会に出された個人情報保護法案、自衛隊法改正案。すべてが法案として通過しているわけではないが、こういうのが続々と出されてくる。何やらきな臭い感じもする。見過ごしておるうちに、わしらは、国家の奴隷になってしまうかもしれん」
奴隷という言葉に、少なからず...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年03月25日
第48回江戸川乱歩賞受賞作。
CM制作者・日下が骨董市で偶然手に入れた、古いフライフィッシング用のリールとスチール缶。その中から発見した古い16ミリフィルムの映像を使い政党の広告を制作しようとする日下だが、そのことから歴史の中で蓋をされてきた事件に巻き込まれていきます。
トーマス・グラバー、長崎...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年11月15日
日本の過去の罪に切り込んだ作品。過去の話とは言え、まだ生々しさが残る戦時中の問題。先の大戦を語るとき、どうしても語り手のイデオロギーが強く出てしまったり、感情的な描写が増えたりすると思うのだが、本作は極めて淡々と日本の過去を見つめていたと思う。
何をもって日本人と定義するのか、誰もわからぬままに、結...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年03月09日
考えてみれば特別なことではない。
それまで普通に友情や交友関係を築いていた人たちが、戦争のという状況下で敵国人になってしまう。
歪んだ攻撃性は無抵抗な人たちへと向かい、それまで平和に暮らしていた同じ空間で無惨に命は奪われていく。
偶然に手に入れた1本のフィルムには、遠いけれどけっして忘れてはならない...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年07月10日
第48回江戸川乱歩賞。
主人公である広告代理店勤務の男が、骨董市で偶然手に入れた16mmフィルム。しかしそれを取り返そうと何者かが陰で動いている。
フィルムは、ある政治家にとって知られてはいけないものが写っていた。戦時中の“鬼畜狩り”だ。戦時中日本にいた外国人、混血児らは、敵国スパイとみなされ、日本...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年11月22日
サスペンスの方に分類。とはいえサスペンスにしては全体的に緊迫感に欠ける。ミステリとしては意外性が薄く物足りないし、犯人や悪玉キャラの動機とか、造型もうすく、クライマックスはチープだった。小説の書き方はすごく手馴れた感じがするし読んでいる間はそこそこ面白いけど、それゆえに、全体的に作り物の感が否めな...続きを読む
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