小川晴央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ多分にネタバレを含みます。
印象に残った言葉
「私には分からないの。ゴールってどこなの?ラブストーリーを見ててもいちいち冷めたこと考えちゃうし、幸せそうな家族を見ても裏を疑っちゃう......。あんたとー緒にいる時も、自分をどこかで俯瞰して見てる。あんたと一緒にいることに慣れて、疲れてきてる自分だって確かにいるんだ……」
自分と重なるものを感じた。特に「自分をどこかで俯瞰して見てる」の部分。この作品の結末に基づいていえばこの現象は過去のトラウマ的経験によるものであり、自分の素直な恋愛感情を信じるべき、ということになるのだろうか。
全体的に綺麗な展開で、この作品はどのパターンなんだろうかと予 -
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相手の話す言葉に色が見える、共感覚の持ち主が主人公。相手の言葉から真意が見える為に対人恐怖症。
そんな主人公が恋したのは、言葉が話せない女の子。
言葉を話さないから、相手の声が無色で、それが故に居心地が良かったのだけど、恋をした事によって彼女の声に色を求めて…彼女の心を知りたくなるお話。
なんだけど、ラブストーリーよりはミステリー寄り?
彼女に何か秘密があるのは割と早めから気づくんだけど、それって何なのかな〜って色々想像したりして楽しかった。相手の生の声、相手を実際に見てないと色が見えないってとこもミソ。ナルホドな!ってかんじ。
この作者さんは前作も読んだけど、ちょっと不思議な世界というか -
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Posted by ブクログ
ネタバレ知りたくないはずの、君の色を求めて。
なんか、もどかしい。感情が色で見えるという力は、設定が上手いな、と思った。肉声で、しかも顔が見えてないとダメってところ。録音とか電話越しとかではダメっていう。で、普段はその力を忌避している主人公が、彼女のことであれば、どんどん知りたくなっている、でも、彼女は声が出なくて筆談(orメール画面)だから色は見えないっていう。
もっとがんがんの恋愛小説にすることもできたと思う。たとえば、有川浩とかなら。でも、どちらかというと、ミステリ? 彼女に嘘があるのは、早い目に提示されていた。でも、思ったより黒幕ではなかったな、という感想。お兄さんや先輩もミスリードかと思 -
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忘れた携帯を取りに夜の校舎へ忍び込んだ中崎夕也はそこで七不思議を司る女の子の精霊のテンコと出会う。テンコによって新しい七不思議の一つに選ばれた夕也は、生きながら七不思議として学校生活を過ごすことになる。
七不思議となった少年がその能力を生かして学校の事件を解決していくというストーリーから、終盤は伏線を回収し最終章へつなげる、という展開。
単に最終章での展開だけで読ませるのでなく、そこで明らかになった真実から紡がれる物語は、再生であり旅立ちの物語です。中盤までストーリーのテンポやキャラの会話の良さが光っていて、そんな中でも伏線はしっかりとあってなかなか面白かったです。物語のメッセージと -