十三湊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
心も体も疲れ切った人が、ていねいな料理で元気になる、という設定は珍しくないけれど、この人の描く世界は、とても心地が良い。
お料理の彩りもクリアで新鮮、人の描き方もとてもやさしい。
本郷の下宿屋さん、というのがまた良いじゃないですか!
本郷・・・文豪の匂いがする。
レトロな洋館風、ステンドグラスのはまった窓。
昭和だ!
季実(きみ)は、ブラックな会社に疲れ果て、無職無気力な生活を送り、自己嫌悪に陥っていた。
見かねた母が、東京のすみれおばあちゃんのところへ行かないか、と勧める。
そこで、出張料理人をしている、皆月桃子(みなづき ももこ)と出会う。
おばあちゃんの下宿屋さんの、ただ一人の下宿人 -
Posted by ブクログ
今回も人の想いのこもった優しいお話だった。
ただ今までよりも重い展開が多かった印象。
ちどり亭を継ぐことを決心した彗太にはプロの料理人としての怖さを経験するという試練が待っていたし、花柚さんの前には行くへ不明のお兄さんが現れて覚悟を問われる場面がやってくる。
そのどちらにも、実にこの物語らしい相手を想い遣る前向きな結末が語られて、あー、いいなあ。とてもいい。
読み終わって幸せな気持ちになる物語だ。
それにしても美津彦さんがこんなにまともになって行くとは思わなかった^^
あと、どの巻もそうなんだけど、読むと自分も料理したくななってくるよ。
これでおわりかなと思っていたら、まだ続くんだね。