宗教を「作る側」の視点で解説されてある
キリスト教、イスラム教、仏教の歴史や変遷を元に、宗教が成立する合理的な道筋や、その科学的、心理的な裏付け、そしてそれを実践するためのノウハウなど
どこまで本気かは不明だけど、タイトルに偽りはないと思う
ただ、著者は架神恭介だけあってユーモア満載の文章を受け入れられない人はいるかも知れない
日本人は宗教アレルギーがあり、無宗教という人が大半
初詣にも行くし、クリスマスにを祝い、葬式は念仏を唱えたりする
逆に考えると、付け入る隙であるとも言える
宗教を嫌うあまり、宗教に対して無知のため、耐性がない
そのため、ある意味で狙い目な国民ではある
「教祖のお仕事は人をハッピーにすること」
教祖の成立条件は、「なにか言う人」が教祖となり、「それを信じる人」が信者となる
内容の正しさは関係ない
宗教の根幹となる教義の作り方、信者の獲得と維持に必要な事
また、教義のアップデートや補強の仕方など
教義は賢い信者が勝手に解釈をしてくれる
教義は誰にでも、それこそ小学生でもわかるようになっている必要がある
現世利益と死後の保証
そのために葬式の儀式化など
人は不安なときに宗教に陥りやすい
そのため、敢えて不安を煽る必要がある
その不安からの救済としての宗教
信仰を生活の一部にするために
日常の中に教義による過度の制約があると、常に宗教を意識しやすくなる
新興宗教はカウンターカルチャー
ある思想がマジョリティになると、それでは救えない人たちが出てくる
そんな人たちを救うために新しい思想が出てくる
弱者こそ新興宗教によって救われる
キリスト教も当初は社会的に迫害や阻害されていた人たちを信者にしている
困っている事を助けて解消してくれるのではなく、それを認めて肯定してくれるものが宗教
弱者だけではお金が集まらないので、お金持ちも獲得する必要がある
お金持ちは多かれ少なかれやましい事をしている傾向があるため、その罪悪感を利用する
親族は最大の邪魔になる可能性があるため、真っ先に取り込んでおく必要がある
信者にしても同様なので、この辺に宗教二世の生まれるメカニズムとその問題があるのだろうな
信者が布教のために戸別訪問を行う意義
その時点では入信しなくとも、何かあった際に思い出してもらうため
単純接触機会を増やせば印象に残る
存の宗教の問題点を指摘して、よりキャッチーで現代的でかんたんな教義をつくって分派した信者たちに特別感を味合わせ、ハレとケ双方で生活の中に儀式やルールを取り込めさせれば、信者はついてくる
日蓮宗も然り、キリスト教にしても多数の派閥がある
迫害を受けた方が組織内の団結力が高まる
教団のマネタイズ
寄付やお金を手放す行為の推奨と称賛
宗教的寄付の本質は、相手のためではなく、自分のために行う行為
信者自身の精神的な救済や功徳を積むための行為として刷り込む
お金を「手放す」ことによって、執着からの解放や、罪悪感の浄化、功徳を積むとするのがいい
第三者的な立場から見れば、「騙されて可哀想」と思えるかもしれないが、本人たちはお金を寄付することでハッピーになっている
やはり、宗教二世や家族の問題の顕在化がお金を介して行われるので、身内は取り込むというのは必要なのでしょうね
そんな意味で、教団のグッズは不要なものでも信者はいくらでも買う
「不要品を売りつける」 の章では、宗教団体が数珠や戒名といった商品を売るのかについて書かれてある
「買わなきゃならない空気」を作るというのは、宗教に限らずマーケティングの手法でもある
例えば本なんて、一人一冊あれば十分なもので
オタク三点買いでも読む用、保存用、布教用
しかし、信者は本当の意味で布教用にいくらでも買う
不安や悩みを煽り、そんな罪悪感や不安感を解消するためのグッズや儀式でお金を儲ける
「免罪符を売る」ように、罪悪感とその救済を収益化する
そうやって巻き上げたお金を、教団が他の目的で寄付することで、自分達のやっている事の意味付けや教団の善行の肯定にもなる
歴史に名を残す方法
国教化を目指す
他の宗教は奇跡を起こした教祖が多いが
実際に奇跡を起こす必要はない
むしろ、奇跡を起こそうとして失敗すると信頼を失ってしまうので、何もしないのが正解
そうすれば信者が勝手に奇跡を起こした事にしてくれる
結局、奇跡は「後付け」でしかない
過去から現在に渡って古くから残っている宗教や、現在も信者を増やしている新興宗教の共通項を見るに
やはり宗教は偶然できるものではなく、作られてきたものというのがよくわかる
宗教は人々の救済でもあり、ビジネスでもあるのだなぁ
・チェックリスト
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第1部 思想編
第1章 教義を作ろう
・神は用意できたか?
・教えは反社会的か?
・社会的弱者を救えるか?
・インテリは抱き込んだか?
・イケてる哲学はできたか?
第2章 大衆に迎合しよう
・誰でも1分で理解できる教えか?
・小学生でもすべきことがわかるか?
・葬式はしているか?
・現世利益は謳っているか?
・偶像は用意できたか?
第3章 信者を保持しよう
・オカルトに対応しているか?
・民衆の不安は煽ったか?
・民衆に救いを用意したか?
・食物規制はしているか?
・断食はしているか?
・歴を作ったか?
・オリジナルの祝祭日は作ったか?
・異常な振る舞いをしているか?
第4章 教義を進化させよう
・信者に義務を与えているか?
・形式主義に陥っていないか?
・権威を振りかざしているか?
・セックスをしているか?
・科学的体制は取ったか?
・悟りはひらいたか?
第2部 実践編
第5章 布教しよう
・社会的弱者を獲得したか?
・金持ちは獲得したか?
・親族を仲間に引き込んだか?
・戸別訪問は実践したか?
・魅力的なコミュニティは作ったか?
・イベントは定期的に行っているか?
・宗教建築は行ったか?
第6章 困難に打ち克とう
・他教団をこきおろすか、もしくは認めたか?
・異端は追放したか?
・迫害を逆に利用できているか?
・日蓮正宗に邪宗と断じられたか?
第7章 甘い汁を吸おう
・出版したか?
・不用品の需要を生んだか?
・免罪符は売れているか?
・寄付金の集め方に工夫は凝らしたか?
・寄付金は集まっているか?
・寄付はしているか?
・名誉博士になったか?
第8章 後世に名を残そう
・自分の名が歴史に残ることを疑いなく信じているか?
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多くの人をハッピーにしながら、大きな尊敬を受ける――教祖ほどステキなビジネスはほかにありません。キリスト教、イスラム、仏教などの大手伝統宗教から、現代日本の新興宗教まで、古今東西の宗教を徹底的に分析。教義の作成、信者の獲得の仕方、金集め、組織づくり、さらには奇跡の起こし方――あらゆるシチュエーションを実践的に解説した本邦初の完全宗教マニュアル!
【目次】
序章 キミも教祖になろう!
第1部 思想編
第1章 教義を作ろう
第2章 大衆に迎合しよう
第3章 信者を保持しよう
第4章 教義を進化させよう
第2部 実践編
第5章 布教しよう
第6章 困難に打ち克とう
第7章 甘い汁を吸おう
第8章 後世に名を残そう
「感謝の手紙」
あとがき―「信仰」についての筆者なりの捉え方
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