佐藤龍雄のレビュー一覧

  • 渚にて 人類最後の日

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    人間讃歌の作品と解釈しました。
    終焉を目の前にして、どのように生きるか。
    登場人物は皆誇り高く、品位があり聡明で、それが故にラストは泣けました。
    恋愛小説としても一級品ではないでしょうか。

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    2025年10月20日
  • 渚にて 人類最後の日

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    ネタバレ

    普遍的な作品

    アメリカの潜水艦スコーピオンの艦長タワーズ大佐とオーストラリア在住の女性モイラ。この2人は最後まで一線を越えなかった。タワーズは中盤から、「最後の日は家族が待つ故郷に帰るつもりだ」とたびたび発言するのだが、この状況でタワーズが故郷に帰ることは不可能。家族も亡くなっている。つまり、最後は自決するということを意味している。そしてそれを聞いている周囲の人もそれに対して深い詮索はしないで「そうなんですね」と受け流す。この小説の良さはこんなとこりにある。
    ラルフ・スウェインがシアトル近郊で潜水艦スコーピオンから飛び出して、放射能汚染されている自分の故郷に泳ぎたどり着くところも胸にぐっとく

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    2025年05月08日
  • 渚にて 人類最後の日

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    どう言葉にしていいのか分かんないけど、核戦争のもたらす恐ろしさと、逃れられない理不尽な死に直面しても"人"として生き続けた登場人物達に感動して、ラスト50ページくらいは震えて泣きそうになりながらページを捲ってた。地球のどこだろうと核戦争が起きてしまったら、他人事ではいられないことを全人類が知った方がいい。教科書にすべき一冊だと思いました。

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    2025年04月15日
  • 渚にて 人類最後の日

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    なんだか様子がおかしい…そんな始まり。
    オーストラリアの端っこ以外の世界に何かが起きたらしい。
    今やもう、絵空事と思えない。

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    2024年12月30日
  • 渚にて 人類最後の日

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    人類滅亡の様子を描いた、読み応えのある作品だった。この本の状況は身近に感じて、驚いた。
    小説は1957年の作品で、今からおよそ70年も前にこれからの戦争は傍観できないというメッセージを残してたとは。
    こうした状況は、コロナ禍を経て、いつ、起こってもおかしくないと感じてしまった。
    小説の登場人物が生き続ける姿が印象的だった。

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    2024年11月25日
  • 渚にて 人類最後の日

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    最後の没入感。
    久しぶりに味わった気がする。
    恐怖を覚えさせるフィクションというのはそうそうないぞ。

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    2025年08月13日
  • 渚にて 人類最後の日

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    核戦争後、オーストラリアを舞台に人類の最後を描いた作品。
    これといった大きな波もなく淡々と終わりに向け進んでいくが、そのシンプルさが妙にリアルでノンフィクションを読んでいるような感覚になる。
    実際に人類の終わりを体験したことがないので現実ではどうなるのかわからないが、もしそんな時が来るとするならこの作品の人物たちのような終わり方をしたい。

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    2024年06月18日
  • 渚にて 人類最後の日

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    ネタバレ

    読みたいと思いつつ後回しにしてた一冊。
    評判通り素晴らしい小説でした。カテゴリ的にはSF小説に分類されてると思いますが、率直に言ってもったいないですね。
    SFというだけで敬遠されることも多いでしょう。この本は普遍的で大切なメッセージが込められているので、もっと広く受け入れられるような土台があればいいですね。
    中学生あたりの英語の教科書に載っててもいいんじゃないかと感じました。

    当時としてはかなり身近なテーマだったとは思うんですが、今読むとちょっと違和感を覚える部分もあります。現代の我々ではどうやっても感じ取れない空気感もあるでしょう。
    それでも「人はどのように生きてどのように死ぬか」というテ

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    2024年01月06日
  • 渚にて 人類最後の日

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    初シュート。人類滅亡もの。WW3の核使用に伴い、北半球から放射能汚染による死滅が始まる——徐々に死にゆく過程が泣かせます…こういう読後感の翻訳ものは個人的に珍しいなぁと。昨日までは何でもなかったのに、ある日突然襲われる放射能の恐怖。死が近づくにつれ、今まで表に出てこなかった人間性が顕著になり、大変興味深いです。現代に生きるすべての人が読むべき作品だ。星四つ半。

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    2023年12月02日
  • 渚にて 人類最後の日

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    ネタバレ

    人類存続の希望をめぐる海洋冒険小説、かと思って読み始めたら、なんか日常(ぜんぜん日常ではないのがだんだんわかるものの)パートが長いな...→完全にそっちがメインの話で好みだった。

    絶対に全員死んでいる何ヶ月後かに咲く花を植える、これから伸びる枝の話をする、就職のための習い事を始める、
    絶対に全員死んでいる故郷の街を見て「あの店が看板を出しっぱなしなんて珍しいな」と言って、後に船を捨ててそこまで泳いでいく、
    絶対に全員死んでいる家族へのお土産を必死に探して、それから最後には家族のいる国へ帰る。
    地続き、海を挟んでいるけど船に乗る人にとっては此処から続いているところに、ありありと思い浮かべられる

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    2023年10月08日
  • 渚にて 人類最後の日

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    読み終わった後にしばらく落ち込んでしまった。
    何年か前にこの原作と知らず映画で観たような気がすけれど、2012かエンドオブザワールドかどうかは思い出せない。

    今の日常がいかに希望に溢れて幸せなのか改めて思い、家族を大切にせねばと心に密かに誓う。

    物語の最後の方は読むのが辛かった。半年前とかはまだ本当にそうなるのかと半信半疑だったのが一週間、明日、数時間後とかなってきて、いよいよ現実逃避出来ないとわかってくる描写が読んでて辛い。家族や大切な人との間でも覚悟の意識や死期のズレもあってきつい。

    でも読んで良かった。

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    2023年05月15日
  • 渚にて 人類最後の日

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    ネタバレ

    核戦争後の地球、北半球では既に1700発にも上る核兵器とその放射能によって人類は全滅したと思われ、南半球こそ被害は少なかったものの、放射能は赤道を超えて徐々に汚染の範囲を広げてきている…。

    人類滅亡前日譚という、絶望を伴った暗いテーマの小説。ずいぶん昔、多分中学生の時に抄訳を読んだ記憶があるのだが、その時はずいぶん怖いディストピア小説のイメージを持った。放射能障害の描写が「はだしのゲン」のそれを彷彿させて読むのがツラかったことを思い出していた。

    だが、これは解説で鏡明も書いているのだが、大人となった今読むと、この本はそこまで暗い小説には思えず、むしろ人生の生き方のお手本を示されたような感想

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    2022年02月06日
  • 渚にて 人類最後の日

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    1957年に書かれた終末小説。
    人類終焉を迎えるとき、人々はどう生きるか。
    昨今のコロナのパンデミックや、まだ続いてる戦争、環境汚染、災害と、なんだか他人事に思えず、ラストを知ってしまうのが怖いような気もしてた。
    でも人間は、どこまでも理知的で、順応性があって。
    「渚にて」に描かれている世界は、とても静かな世界で、逆にすごくリアルに感じた。

    あたりまえの生活を望んでいる人々。
    すごく尊くて、最後の方は泣きたくなった。

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    2025年12月06日
  • 渚にて 人類最後の日

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    人類が確実に滅亡する作品。
    人はこんなにも大人しく秩序ある最期を迎えるのだろうか?
    滅びると決まった時から、滅びる日までに自分たちで人類を滅ぼしそうな気がするのだが。
    ユニバース25の実験を思い出す。

    だからこそ今が大切、と重味のある質量感で教えてもらった作品だった。

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    2025年05月28日
  • 渚にて 人類最後の日

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    終末を扱うSF小説の代表作。いままで何となく手に取らずにいたんですが、思い切って読み出したらこれが面白い。

    核戦争の影響で遠からず死が待ち受けている現実を受け入れながら、それでも自分自身の矜持を守るため、変わらぬ日常を最期まで過ごそうと行動する登場人物たち。果たして自分が同じ立場になったとき、彼らのように家族や自分自身を大切にしながら生きることができるのか。そんな世界にならないのが一番なんですが、もしそうなったとしたら、この小説を思い出し、少しでも彼らに近づけるように胸を張って生き抜いてみたいですね。

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    2025年04月30日
  • 渚にて 人類最後の日

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    ネタバレ

    オススメしていただいて読んだ、静かな終末のお話。
    北半球の国々が核爆弾を各地に落とし、濃い放射能が漂う世界になってしまった。
    そんな北半球と連絡が取れないまま、南半球にあるオーストラリアは懸命に情報収集していく。
    そして、確実に世界が終わるとわかってしまう……

    人はいつか死ぬとわかっていても、だいたい「そうは言ってもまだまだ先の事だろう」と思うから生きていけるんだと思います。
    このお話は、人生を閉じるとき、強制的に閉じさせられる時がわかってしまった。
    それでも、少しの暴動や略奪や喧嘩は起こっているみたいだけれど、だいたいの人はやれる事をやったり、先へと続いていく庭を作ったり生きていくためにス

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    2025年01月14日
  • 渚にて 人類最後の日

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    ―「そんなことをして鱒が減ると、先行き何年も釣りができなくなるぞ」

    避けられない終わりが着実に近づいていても、未来を想定せずにはいられない人間の不合理。結局、徐々に先細りになり、最後に残ったロウソクをふっと吹き消すようなきれいな終わり方は、人間にはできないのかもしれません。

    素晴らしい小説です。これぞ本でしか味わえない世界。しかし悲しい読後感でした。これを読んで感動できる・前向きになれる感性はいまの私には持ち合わせていません。

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    2025年01月19日
  • 渚にて 人類最後の日

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    第三次世界大戦をテーマとする1960年代SF小説。中ソガ戦争になり、西側に飛び火して世界核戦争になって地球が自滅していく姿、核戦争の現場からは離れたオーストラリア、メルボルンを舞台にした核汚染が到達して人類が終わりを迎える姿を描いてます。

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    2024年11月17日
  • 渚にて 人類最後の日

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    半世紀以上前に書かれた終末系小説。
    ソ連と中国の間で核兵器を使用した戦争が起き、アメリカやヨーロッパも巻き込んだ核戦争となり、北半球の人類は核汚染で死滅している。
    出港していて無事だったアメリカの原潜スコーピオンはオーストラリアに移っているんだけど、時折発信される無電の確認のためにアメリカへ。確認の結果、風で窓枠が揺れて、ということだった。
    オーストラリアに戻るが、地球全体が放射性物質に覆われて結局人類は滅びる。
    登場しない話だけ出てくるイギリスの飛行隊長を泊めたら赤ん坊を見て泣き出したりとかいった描写は、かなりリアリティがある。過去の経験から自分もそうなるだろうと思う。そんな中でも冷静に自分

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    2024年10月30日
  • 渚にて 人類最後の日

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    終末の世界とそこに生きる登場人物たちの姿が淡々と冷静に描かれてるのが逆に胸に刺さった。何人かはそんな世界の中でも未来の話をして、読んでいる方も奇跡を信じたくなった。自然と引き込まれて読み続けちゃういい作品だったと思います。

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    2024年07月02日