佐藤龍雄のレビュー一覧
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核戦争後に、人類が最後の日を迎えるまでの生活を描いた話。
核戦争というワードを除けば、ただの日常を描いた小説。
しかし、そんな中にも迫る放射能と闘う人間の葛藤があって面白い。私も、最後の日がいつと分かっていてもいつもの日常が送れるだろうか…Posted by ブクログ -
時折挟まれる、ゆっくりだが確実に迫ってくる滅びの描写がよい。
そして、滅亡を受け入れつつも残りの人生を精一杯生きようとする人々の様子もよく書かれていた。
そこが少し冗長に感じる部分でもあったが。Posted by ブクログ -
終末モノの傑作と言われているのだとか。人類最後の日、あなたならどう過ごしますか?的なアレだ。
核戦争により北半球が人の住めない地になり、南下を続ける放射能は南半球の豪州にも忍び寄る。もはや助かる道はないと思われ、人類最後の日が刻一刻と迫る。微かな生への期待も持ちつつ、人は人類最後の日にどう対峙し...続きを読むPosted by ブクログ -
半分過ぎてからやっと出てきた死体の描写で、やっぱり死んでるんだ…という現実味が出た。それまでどこかふわふわした気持ちで読んでいた。戦争を経験したこともないし。軍人のこともよく分からないし。
もう終わりが迫っているのに、未来の希望を語らずにはいられない人々。でも最後はまだ動けるうちにと、自ら死を選んで...続きを読むPosted by ブクログ -
核戦争により終末を迎えようとする世界、オーストラリアでのできごと。終末に向かって生きるキャラクターたちの生きる姿が淡々と描かれていて、見届けたいという気持ちを抱きながら読み終えた。決して明るくはない話のはずなのに、読後感も悪くはない。Posted by ブクログ
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淡々と静謐にそして誠実に「どんなに理不尽なことがあっても、人は生きて、最期には必ず死ぬこと」を描き切っている。大きな動きもうねりもないけれど、必ずこの本の最後まで辿り着きたいと思わせる。
死ぬとわかっていたら、なにをするか。
誰と過ごすか、なにを愛して美しいと思うか、怒るか、悲しむか。
わたしはきっ...続きを読むPosted by ブクログ -
終末を迎えた人々の生き方。
人間の尊厳を保った最期というべきか。
淡々とした静けさが好もしい。
人は必ず死ぬことは決まっているわけで、その時がわかった場合どうするか、と。残念ながら自暴自棄になるほど未来に希望をもたない身としては、本書の主要登場人物たちと同じく、その日まで普通に(普通って何?とも...続きを読むPosted by ブクログ -
いやー名作。ドローンとかあったらもっと探索できるのにーと思ってたらこれ1957年の作品だった。
ひしひしと迫る終末、読んでて息苦しい。それでいて清いという不思議な感覚。
モイラいい子だった。みんな正しい。Posted by ブクログ -
面白かった。
核戦争後、暴力的な描写は一切なく物静かにゆったりと時間が過ぎてゆく世界。
中盤、潜水艦乗組員のラルフ スウェインが許可なく降りて故郷に帰るところが印象的だった。
ラスト、錠剤で最後を迎える人々を描いているがそれに至るまでの葛藤とか苦しみは、ストーリーの構成上描けないんだろうな。
でも...続きを読むPosted by ブクログ -
どんなに辛くとも、汚くとも
安楽死という決断はあってはならないのではないか
それが西洋の思想なのかもしれないけど
いずれ死ぬということが分かっていても這いずりまわっても、そのときを待つしかないでしょうPosted by ブクログ