桐島ローランドのレビュー一覧

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    ネタバレ

    今まで桐島洋子氏の本は読んだことがなかった。
    ただ氏に関しては、世間の評判で漠然と、自由奔放に生きてきて、自身も著名な作家でありながら、恋を楽しみ、才能ある子どもたちを育ててきた、、、といった一般的な知識しか持ち合わせていなかった。
    しかしこの本を読んで、、、どうだろう!なんと驚くべき行動力と自由な感性、そして恵まれた裕福な家の出身だったことか、ということに驚愕した。
    しかも今年亡くなった私の母と同年齢とは、、、
    そしてそれほどまでに色々な意味で活発で優れた女性が今はアルツハイマー病であるということに、途方もなく切ない気持ちになる。
    ただ、作品は残る。
    常に独自の感性で刻まれた数々の文章は、今

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    2022年12月26日
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    桐島洋子さんが自身と子供たちの人生について途中まで執筆し、その後をかれんさん、ノエルさん、ローランドさんが、まるで渡されたラグビーボールをパスで繋いでいくかのように執筆した作品。
    洋子さんが描き出した半生のなんと、ドラマチックで、自由であることか! そして文章の瑞々しいことといったら、本当に他に比べられる作家がいるだろうか。
    洋子さんは若い頃、文藝春秋社の社員で、編集者だった。その頃、作家の原稿を取りに行くのに、高原に住む作家のところには馬に乗って取りに行ったり、海辺の作家には泳いでビチャビチャの姿で原稿取りに行っている。こんな方が子供を産むとどうなるか、知っている人も多いと思うが、改めて読む

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    2022年07月10日
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    ネタバレ

    三菱財閥の一族の1人として育った筆者。舞台は上海、葉山、東京と次々移り変わる。勤務先の文藝春秋には仮病で2ヶ月の休暇をとってる間に第一子かれんを出産。第二子ノエルは世界一周旅行終盤の船上で出産。第三子はベトナム戦争従軍記者として日本を離れいる間に..。そして、3人すべてアメリカ海軍中佐との隠し子なのだから、筆者の人生そのものが小説より奇なり、の面白さ。至って真面目で、大胆不敵。聡明で驚くばかりの行動力。

    この小説は前半は桐島洋子の回顧録、後半は筆者洋子の3人の子どもたち、かれん、ノエル、そしてローランドの3人の手記から成っている。子どもの立場から見た親の姿の描写が親である私として、大変面白い

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    2023年12月30日
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    大学合格祝いのコンポステレオとともに上京した私には、そのカタログの表紙の桐島かれんさんは、憧れの都会の少女でした。
    媚びない、アンニュイな表情。
    有名な御一家、きっと煌びやかな日々に違いないと、想像していた人も、ひとりの少女として沢山のことを感じながら暮らしていたのだ、と。
    桐島洋子さんのファンとしても読み始めたこの本には、表紙の写真通り、家族の想いがいっぱい詰まっていました。

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    2023年10月29日
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    アルツハイマー性の認知症の家族をもつ人の体験が知りたくて読んでみた。前半は桐島洋子さん自身が書いた半生記。他にもどこかで読んだり聞いたりしたことのある話が多く、多くの人に語るうちに完成した「美化された思い出」という印象。桐島氏自身はシングルマザーになるのを厭わなかったのかもしれないが、結婚している男性が若い女性と付き合うのに、なぜ避妊をしないのだろうか? いくら昔のこととはいえ、理解できない。後半は、子どもたちの側から桐島氏が語られる。有名な母をもつ大変さを語るが、その言葉の端々に一人ひとりのささやかな愛情がのぞく。こちらはリアリティがあって面白い。母にエッセイで描かれていたアメリカでの生活も

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    2023年08月05日
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    桐島洋子さん、なんという魅力的な女性だろう。

    スカーレットオハラ、伊藤野枝など、情熱的でまっすぐに生きた「わたしの大好きな女性リスト」の一人にこの方も。

    知的でユーモアがあり、エネルギッシュで、社交的で思いやりがあって凛として。

    一番好きな文章
    「自分が思い描いた物語を現実化してしまう、ものすごいパワーを母は持っていた気がします」

    その通りだと思った。

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    2023年04月23日
  • ペガサスの記憶

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    桐島洋子さん、これまでに本屋でエッセーの類いを目にすることがあり「どんな人なんだろう?」とうっすら思っていました。イメージとしては“聡明であり大胆な明るい女性像”を描いていました。

    長女である桐島かれんさんの写真集を以前から集めており、かれんさんのインテリアに対する独自の世界観、また家族や人々に対する包み込むような愛情を感じて自然と惹かれていました。そのかれんさんの本の中に母である桐島洋子さんの話が度々載っており、どんな方なんだろうと思い、本書を手にとりました。

    結果、とても興味深かったです。
    本書の前半は洋子さんご自身が自分の人生を振り返り途中まで綴ったもの。後半は、お子さん3人がご自身

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    2023年02月09日
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    子供の頃母が桐島洋子の事を奔放な女、3人の子供のお父さんがみんな違うって言っていた。(実際は同じお父さん)でもなんか憧れがあったのかな?本は読んでたもんな。今この本も読みたいって言っているしな。面白かった。ノエルさん誕生の先も読んでみたかったな。

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    2023年01月10日
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    何てチャーミングな文章を書くのだろう。引き継いで書かれた3人の子供からの目線も面白いが、やっぱり桐島洋子さんの文章に惹かれる。彼女の人生は到底まねできるものでもないし、考え方も自分とはまるで違うし、破天荒すぎて羨ましいとは思えない。けれど、そのドラマチックな人生を、嫌みもなくチャーミングに書いてしまう彼女はきっと文章以上に魅力的な方なんだと思う。

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    2022年12月23日
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    未婚のまま3人の子どもを出産し、子どもはそれぞれ異なる分野で活躍しているーそんなイメージだけだった桐島洋子さんの自伝。
    ノエル出産以降を子どもたちが担当するのは、そういう趣旨かと思っていたら、ノエルさんのあとがきで洋子さんの今を知って驚きました。

    私も比較的自分の考えで子育てをしてきて、他の母親とは違う点が多いと思いますが、ここまで自分の信念を貫くことはできなかったなあと思います。

    できればノエルさん出産後の人生も、洋子さん本人の書いたものを読みたかったですが、きっと誰にも真似のできない「桐島洋子の生き方」を知ることができてよかったです。

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    2022年12月15日
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    あの聡明で闊達な著者が認知症になり、連載していた自伝を
    子どもたちのかれん、ノエル、ローランドの3人がそれぞれの目線から桐島洋子を描き、完成させた一冊。
    若い頃は、いや40過ぎてからも恋多き女で、ノーベル経済学賞の候補だった青木昌彦氏とも事実婚だったことは知らなかった。
    アメリカの海軍退役軍人との間に未婚で3人出産し、いざその男タグが奥さんと離婚したのに著者と一緒にならず、他の人と結婚したのには驚いた。
    で、ノエル氏の章で最後に結婚した人が虚言癖があり、猫を壁に投げつけるような男だったとか(勝美洋一)。
    なんでまたそんな男に惹かれたんだろう。
    とにかく、破天荒で自由を愛する人だったというのはわ

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    2022年09月02日
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    前半の桐島洋子編は、生い立ちから始まり、様々な人物との逸話や、高卒で文藝春秋に入社し、活躍した話。
    当時の時代背景も勢いがあって、面白かった!
    後半の桐島三兄弟のエピソードも良かった。
    三人ともとても謙虚で、母に対して色々と思うところもあり。
    外から見たイメージと、実際の家族像にずれがあるというところは森瑶子ファミリーと似ているな、と思いました。
    読みやすく、オススメです。

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    2022年08月25日
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    ネタバレ

    「聡明な女は料理がうまい」という素敵なタイトルの著書があることくらいしか桐島洋子を知らないのだが、家族ぐるみで書いた最新刊が出たということで、内容も知らないまま読んでみた。
    驚いた。
    前半は完全に桐島洋子の自伝である。想像もつかないほどのお嬢様として育ち、戦後ありえないほどの没落を経験し、都立駒場高校から文藝春秋に入って活躍するも婚外子の極秘出産を重ねるため退社、世界一周の末帰国前夜の船上で第二子を出産……とても一人の人間のうえに起こった事実とは思えない経歴である。時代性もあったとはいえ、生粋のヒロイン体質といえるであろう。そのうえとにかく筆が立つので自分自身のことを面白おかしく書き作れるので

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    2023年10月23日
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    ネタバレ

    第一章 洋子の章
    一緒に冒険しているような⁉︎
    なんという、生き方。

    第二章 それぞれ姉弟目線。

    面白かったぁ。
    ページを捲る速度の速いこと、そして、じっと見入るその時々の家族写真…。

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    2023年07月25日
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    桐島かれんの夫で写真家の上田義彦氏が撮った「椿の庭」という映画を観た。撮影には自身の自宅を使用とのことでその暮らしぶりを知りたくてこの本を手にしたのだが、まったく触れられておらずそこは残念だったのだけど、桐島洋子を中心としたファミリーの紆余曲折の歴史はなかなか興味深いものがあった。桐島洋子の生き方はとても真似できるものではなく、ましてや子供たちからすると放任主義を通り越しかねない紙一重のラインにハラハラしながら読んだ。美しく華やかな家族のドロリとした部分が透けて見えなくもないあたりの好ましさ。出来事には表と裏がある。

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    2023年07月25日
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    桐島洋子 さんが書かれた前半よりも、子どもたちが書いた後半が興味深かった。ドラマチックに生きる親が子どもに受け取らせてしまうものの濃淡や陰影、ままならなさ。見えているものの違いとか。
    だから、もし桐島さんが最後まで書き通していたら、読まなかったかもしれない。

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    2023年06月29日
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    面白くて一気に読んだ。桐島洋子さんのことは全く知らなくて、お子さんの名前を聞いたことがあるくらい。もっと上の世代にはすごく有名なのだろうけど。

    前半は洋子さんが、後半は3人のお子さんからそれぞれ桐島ファミリーの人生が語られる。

    圧倒されるほど力強いある女性の一生。
    (注:ご存命です)
    信じられない!と思う話ばかりでびっくり。
    戦前のセレブな上海生活、結婚という制度無視の自由な恋愛事情、何より子どもを産む時の腹の座り方。船の上で産む話は衝撃的。
    葉山、アメリカ、カナダでの生活。大胆で豪快な人。まっすぐ芯がある。

    ただ子どもを預けて自由に働くことは相当反発されただろうなぁ。こんな人がいたなん

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    2023年04月17日
  • ペガサスの記憶

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    ネタバレ

    子供を1年間も病院や知り合ったばかりのアメリカ人家庭に預けたりする。家庭のある人と恋愛し相手の家庭を平気で壊す。子供の居場所を無くすような男性と結婚し、子供に絶縁状を書かれる。それにも関わらず、子供3人がひとかどの大人になり、それぞれに活躍し、母を尊敬していることに驚きしかない。
    世の中本当に不公平。

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    2023年03月17日
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    普通は常識にとらわれて枠の中に収まってしまうところ、枠を飛び出して自分だけの人生を開拓していく。おそらくADHD とかアスペルガーの類なのかなと思うが、未来を切り拓いていくのはそういう人たちなのだ。

    常人たるわたしには真似できない人生だけど、こんな子育て、こんな判断もありなのだと、可能性を示してもらいよかった。

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    2022年12月24日
  • ペガサスの記憶

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    小学館の新刊発表会で、大好き桐島かれんさんのプレゼンを聞いてから、読むと決めていた。桐島洋子さんが途中まで完成させていた自伝の続きを、アルツハイマー発症後、3人の子どもたちがそれぞれの視点から書き連ねた。ふんわり尊敬する桐島さんのの理想化された人生、娘息子にとっては過酷な面もあったのだが…かれんさんは一時絶交している…母としては複雑な思いもありつつ人としてこよなく尊敬し、愛している様子が伝わる。
    私なんぞ比べるべくもないが、強烈個性の母親、姉ふたりと末弟の3人きょうだいの長女という境遇から、かれんさんを近しくまぶしく感じてきた。このような人になりたい、このような人を育てた桐島マザーはすごいと素

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    2022年10月07日