小泉義之のレビュー一覧

  • 病いの哲学

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    病み衰えて末期の状態にある人は死ぬほかない―。
    死の哲学はそう考える。
    しかし死にゆく人にもその人固有の生命がある。
    死の哲学はそれを見ようとせず、生と死の二者択一を言い立てる。
    ソクラテスもハイデッガーもレヴィナスも、この哲学の系譜にある。
    そのような二者択一に抗すること。
    死へ向かう病人の生を肯定し擁護すること。
    本書はプラトン、パスカル、デリダ、フーコーといった、肉体的な生存の次元を肯定し擁護する哲学の系譜を取り出し、死の哲学から病いの哲学への転換を企てる、比類なき書である。

    [ 目次 ]
    1 プラトンと尊厳死―プラトン『パイドン』
    2 ハイデッガーと末期状態―ハイデッガ

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    2014年10月30日
  • なぜ人を殺してはいけないのか?

    Posted by ブクログ

    タイトルに対する答えは、「ない」。これが2人の意見である。本書を読んでいると、この問いを結論づけようとすること自体がナンセンスだと考えさせられる。重要なのは、その答えを模索する過程だというのが、著者両氏の主張の唯一の共通点ではないだろうか。本書の内容に共感したり疑問を持ったり考えていくことが意味を持つ。それだけ、「生死」に関わる問いは、1つの答えを求めてはいけない慎重に扱うべき問題だ。2人の激論がその危険性を物語っている。本書で興味深いのは、著者両氏が哲学者であるという点。同じ哲学者でも主題へのアプローチがまったく異なる。そして、決して熱くないトーンで冷静に「論理の抜け」を指摘する。内容がシリ

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    2010年02月01日