永井荷風のレビュー一覧
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1913~14年に連載された東京散策記。つまり、関東大震災前の東京の光景が記録されている。
本書を通読して目を惹くのは、荷風の都市景観論である。たとえば…、
・東京に都市美があるとすれば、山の手の樹木と下町の水流である。
・駅や官庁といった近代建築は、古社寺の風致と歴史とを傷つけないように、慎重...続きを読むPosted by ブクログ -
永井 荷風氏と一緒に東京を歩いているような気になれる。
当時としては「あたりまえ」の風景が、
目の前にうかぶようで、なんだか心地よい。Posted by ブクログ -
戦後日本の娯楽や風俗の変遷について批判まじりに淡々と書かれています。
面白いと感じるかは人によると思いますが、こんな時代があったのかと興味深く読みました。
短いのですぐに読めます。
扇情的な内容はありませんでした。 -
171ページの「花火」に、「国民が国家に対して「万歳」と呼ぶ言葉を覚えたのも確か此の時から始ったように記憶している」とある。
国民統合のために国家なる擬制的な組織に対して意図して忠誠を誓わせる儀式として、「万歳」が必要だったのだろう。Posted by ブクログ