藤坂ガルシア千鶴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まず、このような質の高いサッカー本を日本人が書いてくれるということに、感謝したい。本当に希有なことである。
海外サッカーを伝える多くの書籍は、日本にいる人が自分なりの解釈を伝えるものか、海外記事の切り抜きか、あるいは訳書となる。
訳書はどうしてもタイムラグが生じるし、他の二つはそこに存在する文脈を整理しきれないことがほとんどだ。
そうしたマイナス点無しに、現地の空気を的確に表現しながら身の詰まった内容を書いてくれる作家がいることは、本当に有り難いことである。
さて、この本はメッシがキャプテンマークを腕に巻いてから、いかにしてアルゼンチンにおいて受け入れられていったのか、代表が予選を突破するまでの二年間を通じて見守ったルポである。
コパでの敗戦前後においては、メッシはアルゼンチンにおいて軽んじられていたと言う記述にはたいそう驚かされた。それも説明を読めば、なるほどとうならされる。
作者自身も、メッシに対するやや否定的な視点が徐々に変化していくのだが、その変遷が丁寧に描かれていて、いたずらに感情的なことはなく、賛美に終始するのでもなく、実に冷静なルポタージュである。
良い本だった。掛け値無しの星五つである。
さすがはワールドカップイヤー。良質なサッカー本の発売が続いているよ。 -
Posted by ブクログ
この本はアルゼンチンのサッカー界においてストライカーをいかに育成しているのかというテーマが中心の本です。
選手の発掘から始まり育成に至るまでのプロセスについて書かれています。また、アルゼンチン人のサッカー観についても書かれています。
個人的にはアルゼンチンのサッカーは守備が固いイメージで、攻撃よりも守備を重視するのかと思っていましたが、アルゼンチン人においてサッカーとはゴールを決めることであり、子供のころはみんながフォワードをやりたがるということが意外でした。
サッカーの育成にかかわっている方は特に新たな視点が得られるのではないかと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレストライカーというエゴイストのメンタルを知りたくて手に取った.ここで挙げられてたのは「コンペテンシア」と「レジリエンス」.簡単に言えば「競争」と「逆境をプラスに変える力」のこと.とくに後者はテベスやアグエロに顕著にみられるものらしいが,自分はそれをスラム街からのハングリー精神かと思っていたが,それとはまた少し違うようだ.モノが豊かでハングリー精神が無くてもレジリエンスというのは持てるらしい(中流階級のサビオラがそれを示している).あとは価値観の違い.途中クロスを上げてアシストした選手とゴールした選手のやりとりがあったが「(アシストした選手に向かって)見たか!クロスくれれば決めると言ったろ!」「ああ!でもそれじゃ俺がつまんないじゃないか!!!」というシーンがあって少し笑ってしまった.とにかくシュートをするというそこまでの攻撃の全てのまとめとなる最も責任ある行動を一番楽しくて快感な行動だと認識しているという点では,環境が違うなと思った.ともかく強いストライカー,強いメンタルは一朝一夕ではできず,環境や指導者が重要なようだ.自分にビジネス面でどれだけ生かせるか,と思ったけど,うーん… ただ厳しい競争の環境に身を置き,コンプレックスをモチベーションに変えて頑張れば強いメンタルはできそうなので意識したい.