あらすじ
マラドーナは神様なんかじゃない。
アルヘンティノス・ジュニオルス時代──
まだ「神」と呼ばれる前の7年間。
マラドーナに魅せられて1989年にブエノスアイレスに移り住んだジャーナリストが描く、
知られざる世界的スーパースターの素顔。
恩師、幼馴染み、チームメイト、パーソナルトレーナー、ファンなどへの取材から
「人間ディエゴ」の実像を浮き彫りにする。
マラドーナにはどうしても「悪童」というイメージがつきまとう。
「サッカー選手としては素晴らしいが、人間としては……」という意見を抱く人が多いのも当然だろう。
だが、アルゼンチンでマラドーナをよく知る人たちの考えはまったく逆だ。
「サッカー選手としても素晴らしかったが、それよりも人として最高だった」と言い切る。
モウリーニョが言うように、寛大で、気立のいい人だった。
常に弱い者の味方で、困っている人を助けるためなら後先考えず即行動に移す男だった。
(本文より)
【目次】
プロローグ 2度目の旅
光り輝く星の下
第1部 「マラドーナ」以前のディエゴ
第2部 みんなのディエゴ
第3部 ディエゴは神なんかじゃない
エピローグ いつも心に「13歳のディエゴ」がいた
ディエゴ・アルマンド・マラドーナ年表
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
現役バリバリのマラドーナではなく、主に生い立ちを綴った内容。
この本を読むまでは、コカインや暴力など良くないイメージが強かったが、イメージがガラっと変わった。
とても心優しく、人の痛みがわかる器の大きなスーパースターだったんだなと感じた。
この本は売らずに、ずっと保管しよう。
Posted by ブクログ
破壊的な人間性故に物凄く愛された人、という印象だったが、愛された理由はそうではないとこの本を読んで分かった 他人への桁外れに強い思いやりを断固として行動に移し、多くの人の人生を変えた人だった 胸を打たれる逸話がたくさん出てきます
Posted by ブクログ
マラドーナの伝記でありながら、「ディエゴ」の過去を拾い集めるロードムービーのような小説。時代や国を代表する「世界精神」としてのマラドーナとそれを意識し背負い込み蝕まれていった「ディエゴ」。本作では幼少期から一人の人間としてマラドーナを追っていき、執拗に暗い側面を詳らかにすることなく優しい寅さんのような人間性にフォーカスした。
サッカー選手としての技術ではなく、パーソナリティ、状況判断、即興性と頭脳の卓越性を大きく取り上げているところが興味深かった。曰く美しい頭脳。
「不服従は人間本来の美徳」オスカーワイルド