埴谷雄高のレビュー一覧

  • 死霊I

    Posted by ブクログ

    おもしろい。冒頭の蒸し暑さや、全編に散りばめられるギャグ。この小説、全編を通じてひとつのことしか言ってない。それが、一番最後の絶叫なんだよね。

    0
    2019年03月13日
  • 死霊III

    Posted by ブクログ

    私は埴谷雄高の小説が大好き。なのでこの死霊は外せないコレクション。何度も読み直している。読む度に解釈が変わったりもする。未完のいうのがまた何とも言えず私を魅了する。

    0
    2012年02月14日
  • 死霊III

    Posted by ブクログ

    第七章「最後の審判」は一気読みした。

    イメージの爆発がインフレーション起こした感じ。
    しんどかったあ。

    頭は使わずに読まないとこんな話は読んでられん。

    埴谷雄高氏はこの話を書くために一生を費やしたような人です。

    執筆に40年。気の長い話だ・・・。
    その間どうやって飯を食ってきたのか・・・

    「不合理ゆえに我信ず」・・・この意味が分かりますか?

    0
    2012年01月15日
  • 死霊I

    Posted by ブクログ

    さっぱり分からん。

    いや、分かるんだけど、こんなに読者に不親切な小説もない。
    なぜこんなに七面倒な言い回しと言葉を多用するんだ!!

    自同律の不快と虚体について登場人物たちとその妄想が渦巻く不毛な論争のストーリーです。

    ストーリーといえるかどうか・・・・

    自同律とは「私が私であること」
    虚体とは「これまでに存在しなかったもの」「決してありえないもの」

    だそうです。

    読むのには相当の労力を要します。

    0
    2012年01月15日
  • 死霊III

    Posted by ブクログ

     確かに読み辛いが、無茶苦茶面白かった、というのが率直な感想である。長過ぎるように思われる個々のセンテンスも読み進めるうちにクセになってくる。

     最近、熊野純彦が『埴谷雄高――夢見るカント』という本を出したが、“夢見るカント”とはまさにこの作家の資質を言い表していると思う。埴谷雄高の文学は、「人間はおろか、あらゆる生物、あらゆる存在が夢を見ているのではないか」という妄想から出発しており、カントの超越論的弁証論のその先を夢想する文学だからである。

     確か、寺山修司だったと思うが、かつて青年だった大人が恐れるべきなのは、青年の時のおのれの視線である、というような意味のことを書いていた。その

    0
    2011年09月25日
  • 死霊III

    Posted by ブクログ

    第7~9章。ガリラヤ湖の魚に拠るイエスへの、チーナカ豆に拠る釈迦への弾劾が黙狂、矢場徹吾によって語られる第7章は圧巻。「死霊」後半は妄想の対話篇と云ったスタイルに終止する。「自同律の不快」に拠り「未出現宇宙」から創出されようとする三輪与志の「虚体」が明らかにされようとする。そして、ぷふい、バッハ「フーガの技法」の如く、唐突に終息する。
     巷間云われる程には難解ではない。理解しようとするから難解になる。存在の不安を感じる人が、感覚的に読めば、楽しめるはずだ。 425頁

    0
    2010年03月04日
  • 死霊II

    Posted by ブクログ

    第4~6章。以前読んだのは’76年刊の「定本 死霊 全五章」と云う版で、真っ黒けな装丁の本だった。従って第6章以降は今回が初読。霧の中の茫洋とした会話に終止する第4章、作者自身の共産党体験が色濃く反映される第5章、「愁いの王」のエピソードと転覆したまま川上に流されるボートに掴まりながら語られる妙な明るさのある第6章。形而上エンターテインメントは佳境に入る。 402頁

    0
    2010年03月04日
  • 死霊I

    Posted by ブクログ

    序文から第3章まで。以前読んだのは学生時代だから、30数年ぶりか。今の方が読んでいて面白い。第3章、黒川建吉と屋根裏の蝙蝠とのエピソードが心に残る。狂言回しとしての首猛夫に対するかすかな苛立ちなど、昔読んだ時の感情が蘇って来る。 423頁

    0
    2010年03月04日
  • 死霊I

    Posted by ブクログ

    これをこの本棚に入れるか否か迷った。
    というのも足掛け六年、未だに自分はこの本を「読めていない」気がするのだ。手探りで読もうとすれば、たちまち掴んでいたものが消えてしまう感覚。あと何年かかることやら。

    0
    2009年10月04日
  • 死霊I

    Posted by ブクログ

    学生時代にハードカバーで読みました。非常に哲学的な小説。それでいながら、推理小説のような雰囲気も持っている気がします。好き嫌いは、はっきり分かれると思います。未完であるのが残念で仕方がありません。

    0
    2009年10月04日
  • 死霊I

    Posted by ブクログ

    『ゲド戦記』とともに永遠のバイブル。
    時空を超えて「存在」を問いかけてくる作者の手腕と想像力にあと何度読み返せば追いつけるのか。完成を目指して再筆した矢先に逝ってしまった作者がのりうつれる語り部は今この世にいるのだろうか。。。
    文庫で再版されたので手に入りやすくなりました。

    0
    2009年10月04日
  • 死霊I

    Posted by ブクログ

    本書は、浅く読み流すべきものではない。深く読み込み、何度も咀嚼すべきもの。この中には、存在の秘密、生命の意義などについて、思索のエッセンスが緻密に詰め込まれている。日本の誇るべき文学作品のひとつ、という謳い文句は断じて伊達ではない。同様の文体、話のつくりでもカラマーゾフの兄弟(日本語訳版)を読むよりは遥かに面白い。独特の言い回し、文体に慣れるまでは多少時間がかかるかもしれないが、3回ほど読み直せば問題はないだろう。読み返しが無駄にならない本である。

    ただし、中途半端な読み方をすると精神に鬱の症状がでたりするのでその気のある人にはオススメできない。きちんと読めればそれすら問題ではないが、誰でも

    0
    2009年10月04日
  • 死霊II

    Posted by ブクログ

    とりあえずⅡまでの感想
    登場人物たちが語る思想の内容が抽象的で高度すぎて、ほとんど理解できなかった
    これは評者が異端系の宗教思想に疎いからかも
    「非在の王」とかいうフレーズがかっこいい(中二)
    「よくわからないけどなんかすごい」というおもしろさはあった
    Ⅲまで読むかは微妙

    0
    2021年10月02日
  • 死霊III

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    巨人の形而上小説。20年ぶりに再読。虚体のこと以外考えられなくなってしまった男たちとそれに振りまわされる女たち。ユーモラスな場面を挟み油断させておいて、突然激しく読者を叱責する。分裂の気質。
    4兄弟は、現実には生きていけないはずなのに動き回り、激しく沈黙を貫き、一転冗舌に虚について語り尽くす。その存在自体が虚無。思索することは面白いのだということを思い出させていただいた。
    前回よりも理解できたと思うが、もう一回読みたいものだ(そんな機会があるだろうか)

    ドストエフスキー、プルーストが苦手と言う方にはおすすめできません。

    0
    2020年05月01日
  • 死霊II

    Posted by ブクログ

    埴谷雄高 「 死霊 II 」形而上学的な思想小説。4章〜6章。特に 5章「夢魔の世界」が凄い。


    静寂、霧、影、闇の演出、ランプシェードの明かりの対比が 幽霊世界を演出〜怨念や感情としての幽霊でなく、ただ存在を感じさせる幽霊を演出している。


    神など人間を超克する概念を用いずに、生者と死者との通信、死者から分解へ(魂の存在?)など 生と存在の関係を論述している。著者の思想を もう少し知ってから 5章を再読したい







    0
    2019年08月15日
  • 死霊I

    Posted by ブクログ

    埴谷雄高 「 死霊 I 」

    形而上学的な思想小説。ヒップホップバトルさながらの 言葉による 思想対立が面白い。

    まだ序盤なので わからないが、死霊という人間的価値が消滅した世界から 人間の価値、人間を超克した人間を見出そうとしているのでは?

    死霊は 戦争直後の著作だから 戦死者の霊を暗示している?


    1章 癩狂院にて。岸博士と三輪与志の戦い「人間存在の意味」「現世はどういう世界か」

    「神様〜蒼白い白痴の少女〜そこにはたとえ無意味であっても、一つの形と変化が確かにあった」

    2章 死の理論。津田康造と首猛夫の戦い「涅槃の境地、自己主張
    の喪失」

    三輪与志「不快は 思惟の法則自体に潜ん

    0
    2019年08月13日
  • 死霊II

    Posted by ブクログ

    文庫版。読破。
    一か月かけて読んでも小説内では一日も経過しておらず、
    著者が24歳から87歳までかけて書き上げた全九章の全文で
    三日しか経過していないのだっけと思いながら本を閉じた。
    (誤っていたらすみません)
    愁いの王のエピソードは好きですが、
    同じ落ちがついに書き上げられなかったマハーヴィーラでも起こるはずだったので延々と同じ事柄を繰り返し語っているようにも思える。
    情景描写は無駄に長く感じた。

    0
    2018年03月07日
  • 死霊III

    Posted by ブクログ

    「黙狂」の矢場鉄吾が語りだす『決して言ってはならぬ最後の言葉』(これだけ見るとアイタタだな)。宇宙史=過誤史。
    与志(と安寿子)の「宇宙に初めて創出された《虚体》」の問題が本題に入らずに終わってしまった(ように見える)のがな…

    0
    2011年12月13日
  • 死霊II

    Posted by ブクログ

    一巻と違って、読みにくいとか読みやすいとか、そういったものが全く気にならない(読みにくいけど)。ページをめくるのを忘れて考え込んでしまう。以下メモ。

    三輪高志と夢魔との「虚体――かつて無かったもの、決してあり得ぬもの」をめぐる激論。「無」をつくるということの不可能性とそれを可能にする「存在の革命」について…とかいろいろ。「意識=存在」「俺は俺だ、と言うことの不快」「俺は俺ではない」
    『あるはない、ないはある、
    けれども、ないともいえず
    ないともいえぬ
    ほかのまったくちがった何らかの何かもさらにまた
    まだまだほかならぬそこのそこに誰にも知られぬ面を伏せて隠れている。』


    wik

    0
    2011年12月13日
  • 死霊III

    Posted by ブクログ

    作者が死ぬまで描き続けた傑作です。完結はできませんでしたが、インタビューによるネタバレが全集に掲載されています。

    0
    2009年10月04日