村松友視のレビュー一覧

  • 東海道中膝栗毛

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    江戸時代にこんなにも面白い作品があった
    のかと改めて思いました。次々に騒動を思い
    つく作者はとても才能のある人だと思います。

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    2025年10月19日
  • 極上の流転 堀文子への旅

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    80歳を超えてブルーポピーをスケッチにヒマラヤを探索する堀文子の画家としての絵に対する向き合い方、群れず孤独を志向する生き方の根底にある哲学、一ヶ所に留まることなく流転を繰り返す人生など堀文子の人となりを生い立ちから作品の紹介に至るまで詳しく書き切った著者の所業に賛辞を送りたい。最後の章の言葉のデザートはまさに至福の読後感を与えてくれた。

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    2022年08月18日
  • アリと猪木のものがたり

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    「プロレスとは他に比類のなきジャンルである」

    「私、プロレスの味方です」で作家デビューした著者。
    プロレスを語ることを大きな文化にしていった先駆者だった。

    「そして、私は過激なプロレスの味方です」
    その熱は、プロレス実況の古舘伊知郎に。
    そして、週刊プロレスなどを通して大きなうねりとなった。

    その著者がやり残したことがあるという。

    2016年に逝去したボクシング世界ヘビー級チャンピオン モハメド・アリ。
    アリは現役のチャンピオンだった1976年に、日本でプロレスラーのアントニオ猪木と対戦している。

    その試合が、ゴールデンタイムで再放送された。

    「その両者の奇跡的実現とも言える試合が

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    2022年01月15日
  • アリと猪木のものがたり

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    1980年に『私、プロレスの味方です』で作家デビューした著者は、その後の一連のプロレス関連作品を出す中、大きな忘れ物をしたという忸怩たる思いがあったと告白する。その忘れ物とは、『私…』を著した四年前に行われた猪木対アリ戦なのであった。著者は、当時この一戦について言葉を絞り出すことができず、作品の中で触れることができなかった。そして、この一戦から40年が経ち、アリが亡くなったことをきっかけに、ようやく触れることができたと言う。そして出来上がったのが本書だ。プロレス者としては、この前段だけでもう完全にやられてしまった。
    過去のプロレス関連作品に再三触れるなど、前半は多少冗長気味なところもあるけれど

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    2018年11月18日
  • アリと猪木のものがたり

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    村松友視は1982年に「ファイター 評伝アントニオ猪木」を刊行し、そのあとがきでこう記した。

    「これを機に、プロレスに関するいっさいの文章をしばらく休止し、私好みの観客席へもどりたいと思う」

    村松友視はその後、本当にプロレスに関する書籍を出版しなかった。一部のプロレスマスコミには対談などで顔を出したりしていたが、デビュー時からのファン(=プロレスファン)は期待しつつも、もう諦めていたと思う。

    今回突然この「アリと猪木のものがたり」刊行を知り喜んで発売を待ちつつ、なにがあったんだろう、そしてなぜ「猪木vsアリ」なのだろう、と思った。

    この本読めぱその答えは明確に書かれていて、ふたつの疑問

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    2018年01月18日
  • 幸田文のマッチ箱

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    村松友視氏の「幸田文のマッチ箱」(2009.3)は、36歳お姉さんwの幸田文への著者の強烈な思慕だと思いますw。この作品は、幸田文讃歌の11のエッセイが収録されています。そのトップを飾るのが(例のw)「幸田文のマッチ箱」です(^-^)「ああ、そんなもんでよかったら、どーぞー」この本の表紙をめくると、著者の心を虜にした「宝物」、手土産にもらった「マッチ箱」が9つ、カラー写真で紹介されています(^-^)このマッチ箱ひとつひとつに幸田文さんの「かわいらしさ、いたずら心、生真面目さ、やさしさ」が宿ってるそうです!

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    2017年02月21日
  • 大人の極意

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    ネタバレ

     1940年生まれ村松友視さんの「大人の極意」2016.7発行、とても楽しく読み終えましたw。2010.6刊行の「大人の達人」を改稿・再編集したものだそうです。著者が惚れこんでる人のエピソードを紹介しながら、大人の極意をわかりやすく表しています。「電光石火の絆」では幸田文さんが登場します。灰皿の上のマッチ箱、季節にふさわしい千代紙が貼ってあるんだそうです。著者はおみやげでもらって帰ってたと。ある日、糊が乾いてないときが~。「急に来るからさ・・・」と照れたように言った文さんがとても可愛かったそうです(^-^)
     金沢、松江、京都などの「和風の街」を訪れる楽しみの一つに、「見事なお辞儀を見物する」

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    2017年02月17日
  • 東海道中膝栗毛

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    原書で読む自信がなかったので、購入。
    面白かったです。
    これを読んでみてから、実際その土地に足を運んでみたら、もっと楽しめると思います。

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    2015年10月26日
  • 帝国ホテルの不思議

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    大好きな帝国ホテル。
    本当にお世話になっているホテルです。

    ロビーで人待ちしている時にも、ピアノの生演奏が聴けたり、素敵な内装と空間には美しい季節のお花が活けられていたりと帝国ホテルらしいゆったりとした
    時間が流れています。

    飛び交う外国語は今に始まったことではなく、ずっと前から国際的な場所でもありました。

    エレベーターに乗れば、レストランで食事を摂れば有名人と鉢合わせになり、どのスタッフの方も心づくしのおもてなしをしてくださる。このホテルの絶妙な緊張感は、リッチに気分にして下さるだけではなく、そこに相応しく存在するように私なんぞでも引き上げてくれるような力があります。

    たまに帝国ホテ

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    2014年07月04日
  • アブサン物語

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    著者とその妻のもとで、21歳の長寿を全うした猫のアブサンとの生活を語ったエッセイ。

    著者がアブサンを見つめる視線は、すごく温かいという意味では単なる「ペット」という言葉を超えており、他方でアブサンの中に自分とは違う個を見ようとしているという点では手垢のついた「家族」という言葉では足りず、「同居人」と呼ぶのが適切なような距離感があります。猫と人間の付き合い方はこういう形が理想的なのかもしれないと思いました。

    最後までどことなく哲人のような印象を残して逝ってしまったアブサンとの別れのシーンはたいへん切なくなります。

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    2014年03月09日
  • アブサン物語

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    格闘技ファンの作家というイメージか先行して、今まで読んでなかった村松友視さん。カバーのイラストの猫がなんとも可愛くて買った本なのに本棚にずっと眠っていた。
    最初に、アブサンの原点を探しに行くシーン。日比谷公園にはあるある、野良猫がいっぱいいるところ。数多い野良猫の中から縁あって伴侶になり、心を通わせられたと思い込み(人間の勝手な思い込みかも、と思いつつ)、その存在に依存して暮らすようになるのだから、たかが猫、されど猫なのである。猫の素人の奥様よりは、昔、猫と暮らしてきた自分に、よりなつくはず、いう自負を持つ村松さんと奥様のやり取りが微笑ましい。最後の数ページは涙しながら読んだ。感情的な文章では

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    2013年01月31日
  • 東海道中膝栗毛

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    府中出身の元武士、十返舎一九のベストセラー本「東海道中膝栗毛」を、現代の言葉で分かりやすくかつ面白く伝えてくれるのは、やはり静岡出身の村松友視氏!
    原作での「しぞーか弁」も再現・・・してたっけ?←しぞーか弁

    一応「少年少女向け」の本とはなっておりますが、大人向けだと思います。
    だって、弥次さん喜多さんの行動はいつだってオトナ向けだからなのです(^^;
    少年少女に「伝えてしまっていいの?」な内容をふわあっと包み込み、二人の滑稽さに焦点を当ててます。
    しかし刀を持たない理由を熱く語らせ、色々な人と出会い、騙され、エッチな目的もしっかり忘れない二人をイキイキと描き出してます。

    原作本を読む前に読

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    2012年10月06日
  • 百合子さんは何色――武田百合子への旅

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    武田百合子の思いがけない一面を垣間見せてくれる本。村松友視の視点から見た百合子像がとても面白い。この中で紹介されている、百合子が女学生の頃に書いた詩ときたら!!栴檀は双葉より芳し、のことわざを立証している。

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    2009年10月04日
  • 東海道中膝栗毛

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    やっぱ百年を超えて読み継がれたものは面白いよなあ。さすが、江戸の名作東海道中膝栗毛!!
    登場人物のおどけたセリフとかについつい笑ってしまう。
    特に、弥次さんと喜多さんが何かあったら、すぐに歌を詠むところも面白い。十返舎一九、歌もできたんなあ、すごい。
    昔の人は江戸から、お伊勢まで行くのはお高くて、手が出せない…、だから、こういう物語や、歌川広重の東海道五十三次があるわけで、現代の人にとっても役にたつ作品が江戸ではたくさんあったんだなあ。江戸の民衆の文化がすごいと感じられる作品でした。

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    2024年12月17日
  • ゆれる階

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    生まれる前に父を腸チフスで失った著者は、祖父村松梢風の五男として引き取られ、物心つく頃には、父母共に死んだと言われるがままに思い込み、祖母に育てられていく。しかし母は生きていた。 梢風周囲の女達の、幼少時から大学生となっていく過程の著者に対するその時々の接し方に、それぞれの梢風への強い愛憎が反映されています。本の最後に引用される実の母の手記により、梢風周囲の女達と実の母との違いが強調されます。その違いはご本人達の資質の違いでもあったでしょうし、著者や梢風との関係性の違いでもあったのだろうなと思いました。

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    2022年12月14日
  • 帝国ホテルの不思議

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    2010年に創業120年を迎えた帝国ホテル。そこで働く人々のインタビューを通して、歴史あるホテルの姿を明らかにする。

    インタビューされるのは支配人にはじまり、料理人、フロントマン、清掃人、マネージャー、設備担当、さらには請負の神主やピアニストなど。

    彼らへのインタビューで著者が重視するのはホテルに勤める前の人生と今の仕事を選んだいきさつ。小さい頃からのあこがれが叶った人もいれば、なんとなく勤めてしまって現在に至るなんて人もいる。

    ホテルの宿泊者にそれぞれの人生があることと同じく、そこで様々なサービスを提供する仕事人たちにも、それぞれの人生がある。そのホテルに伝統があればあるほど、その味わ

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    2021年10月20日
  • アブサン物語

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    マルノウチリーディングスタイルで、作家さんの誕生日ごとに並んでいるバースデー文庫を買ったらこれでした。だから最初は内容で読みたいと思ったわけじゃなくて、そもそもあんまり動物が好きではないし、ペットを飼うのもむしろ嫌なほうなんだけど、読んだらほっこり、じんわりしてしまった。解説にもあるとおり過剰な表現ではなく、あったことを書いているという感じなんだけど、確かにそこには誠実な愛情が滲み出ている。そしてあっさりゆったり力の抜けた文章で語られるものだから楽しく油断して読んでいたら、エピローグで泣きそうになってしまった。それでもエピローグも抑えた描写で、ちゃんとアブサンと向き合っていたのだなという姿勢が

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    2019年12月26日
  • 北の富士流

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    現役時代の記憶がないので、「相撲解説の面白いおっちゃん」としての印象しかない。
    そうか、すごい力士だったのだな。

    良くも悪くも著者の思い入れが強すぎ、だな。

    村松友視さんの名前は、シーナ氏の昔のプロレス紀行エッセイに名前が出てたな、という記憶がある。
    んで、もっと若い人だと思ってたらけっこうな御年輩。
    そうか、あのエッセイからン十年もたっているのだ。
    まだ「最近の本」の感覚だったけど。
    年を取るわけだよ、オレ。

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    2019年07月02日
  • 北の富士流

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    2ヶ月毎の本場所を心待ちにしだしたのは、小学2年の時。昭和46年(1971年)当時の大相撲界は、昭和の大横綱 大鵬が力士として落日を迎えようとしており、そのバトンを受取るように台頭してきたのが前年横綱に同時昇進した北の富士と玉の海。三役には貴ノ花と輪島の若きプリンスが大関を目指し、しのぎを削っていた。

    贔屓は玉の海と貴ノ花。ふたりの星取りが気になる小2。それだけに、玉の海が虫垂炎をこじらせ現役の横綱のままで急死した時は大ショックも大ショック。その前年、三島由紀夫が自決して激しいショックを受けた母親の気持ちが痛いほどわかった。

    さて、本書。
    作家 村松友視が描く第52代横綱 北の富士勝昭の評

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    2019年06月25日
  • アブサン物語

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    和田誠さんの挿絵の可愛さにまずココロをぎゅっと掴まれました。
    アブサンを拾ったのではなく出逢ったってくだりに猫愛を感じられ、私も何処かで出逢わないか、ネコ屋でペット用ボックスを見ておこうかと思います。

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    2019年04月04日