村松友視のレビュー一覧

  • 極上の流転 堀文子への旅
    80歳を超えてブルーポピーをスケッチにヒマラヤを探索する堀文子の画家としての絵に対する向き合い方、群れず孤独を志向する生き方の根底にある哲学、一ヶ所に留まることなく流転を繰り返す人生など堀文子の人となりを生い立ちから作品の紹介に至るまで詳しく書き切った著者の所業に賛辞を送りたい。最後の章の言葉のデザ...続きを読む
  • アリと猪木のものがたり
    「プロレスとは他に比類のなきジャンルである」

    「私、プロレスの味方です」で作家デビューした著者。
    プロレスを語ることを大きな文化にしていった先駆者だった。

    「そして、私は過激なプロレスの味方です」
    その熱は、プロレス実況の古舘伊知郎に。
    そして、週刊プロレスなどを通して大きなうねりとなった。

    ...続きを読む
  • アリと猪木のものがたり
    1980年に『私、プロレスの味方です』で作家デビューした著者は、その後の一連のプロレス関連作品を出す中、大きな忘れ物をしたという忸怩たる思いがあったと告白する。その忘れ物とは、『私…』を著した四年前に行われた猪木対アリ戦なのであった。著者は、当時この一戦について言葉を絞り出すことができず、作品の中で...続きを読む
  • アリと猪木のものがたり
    村松友視は1982年に「ファイター 評伝アントニオ猪木」を刊行し、そのあとがきでこう記した。

    「これを機に、プロレスに関するいっさいの文章をしばらく休止し、私好みの観客席へもどりたいと思う」

    村松友視はその後、本当にプロレスに関する書籍を出版しなかった。一部のプロレスマスコミには対談などで顔を出...続きを読む
  • 幸田文のマッチ箱
    村松友視氏の「幸田文のマッチ箱」(2009.3)は、36歳お姉さんwの幸田文への著者の強烈な思慕だと思いますw。この作品は、幸田文讃歌の11のエッセイが収録されています。そのトップを飾るのが(例のw)「幸田文のマッチ箱」です(^-^)「ああ、そんなもんでよかったら、どーぞー」この本の表紙をめくると、...続きを読む
  • 大人の極意
     1940年生まれ村松友視さんの「大人の極意」2016.7発行、とても楽しく読み終えましたw。2010.6刊行の「大人の達人」を改稿・再編集したものだそうです。著者が惚れこんでる人のエピソードを紹介しながら、大人の極意をわかりやすく表しています。「電光石火の絆」では幸田文さんが登場します。灰皿の上の...続きを読む
  • 東海道中膝栗毛
    原書で読む自信がなかったので、購入。
    面白かったです。
    これを読んでみてから、実際その土地に足を運んでみたら、もっと楽しめると思います。
  • 帝国ホテルの不思議
    大好きな帝国ホテル。
    本当にお世話になっているホテルです。

    ロビーで人待ちしている時にも、ピアノの生演奏が聴けたり、素敵な内装と空間には美しい季節のお花が活けられていたりと帝国ホテルらしいゆったりとした
    時間が流れています。

    飛び交う外国語は今に始まったことではなく、ずっと前から国際的な場所でも...続きを読む
  • アブサン物語
    著者とその妻のもとで、21歳の長寿を全うした猫のアブサンとの生活を語ったエッセイ。

    著者がアブサンを見つめる視線は、すごく温かいという意味では単なる「ペット」という言葉を超えており、他方でアブサンの中に自分とは違う個を見ようとしているという点では手垢のついた「家族」という言葉では足りず、「同居人」...続きを読む
  • 栗本薫の里見八犬伝 シリーズ古典(8)
    すっごく面白かった!!!
    「"伏"を読む前に!」
    と思って手に取った 作品だったが
    本当に手にとってよかったと思っている。

    最初の伏姫の物語は有り得ないことの連続に圧倒されながらあっという間に終わってしまった。
    その後始まる八犬士の物語は偶然のような
    必然の出来事が積み重なり綴られていく…。

    ...続きを読む
  • アブサン物語
    格闘技ファンの作家というイメージか先行して、今まで読んでなかった村松友視さん。カバーのイラストの猫がなんとも可愛くて買った本なのに本棚にずっと眠っていた。
    最初に、アブサンの原点を探しに行くシーン。日比谷公園にはあるある、野良猫がいっぱいいるところ。数多い野良猫の中から縁あって伴侶になり、心を通わせ...続きを読む
  • 東海道中膝栗毛
    府中出身の元武士、十返舎一九のベストセラー本「東海道中膝栗毛」を、現代の言葉で分かりやすくかつ面白く伝えてくれるのは、やはり静岡出身の村松友視氏!
    原作での「しぞーか弁」も再現・・・してたっけ?←しぞーか弁

    一応「少年少女向け」の本とはなっておりますが、大人向けだと思います。
    だって、弥次さん喜多...続きを読む
  • 百合子さんは何色――武田百合子への旅
    武田百合子の思いがけない一面を垣間見せてくれる本。村松友視の視点から見た百合子像がとても面白い。この中で紹介されている、百合子が女学生の頃に書いた詩ときたら!!栴檀は双葉より芳し、のことわざを立証している。
  • ゆれる階
    生まれる前に父を腸チフスで失った著者は、祖父村松梢風の五男として引き取られ、物心つく頃には、父母共に死んだと言われるがままに思い込み、祖母に育てられていく。しかし母は生きていた。 梢風周囲の女達の、幼少時から大学生となっていく過程の著者に対するその時々の接し方に、それぞれの梢風への強い愛憎が反映され...続きを読む
  • 帝国ホテルの不思議
    2010年に創業120年を迎えた帝国ホテル。そこで働く人々のインタビューを通して、歴史あるホテルの姿を明らかにする。

    インタビューされるのは支配人にはじまり、料理人、フロントマン、清掃人、マネージャー、設備担当、さらには請負の神主やピアニストなど。

    彼らへのインタビューで著者が重視するのはホテル...続きを読む
  • アブサン物語
    マルノウチリーディングスタイルで、作家さんの誕生日ごとに並んでいるバースデー文庫を買ったらこれでした。だから最初は内容で読みたいと思ったわけじゃなくて、そもそもあんまり動物が好きではないし、ペットを飼うのもむしろ嫌なほうなんだけど、読んだらほっこり、じんわりしてしまった。解説にもあるとおり過剰な表現...続きを読む
  • 北の富士流
    現役時代の記憶がないので、「相撲解説の面白いおっちゃん」としての印象しかない。
    そうか、すごい力士だったのだな。

    良くも悪くも著者の思い入れが強すぎ、だな。

    村松友視さんの名前は、シーナ氏の昔のプロレス紀行エッセイに名前が出てたな、という記憶がある。
    んで、もっと若い人だと思ってたらけっこうな御...続きを読む
  • 北の富士流
    2ヶ月毎の本場所を心待ちにしだしたのは、小学2年の時。昭和46年(1971年)当時の大相撲界は、昭和の大横綱 大鵬が力士として落日を迎えようとしており、そのバトンを受取るように台頭してきたのが前年横綱に同時昇進した北の富士と玉の海。三役には貴ノ花と輪島の若きプリンスが大関を目指し、しのぎを削っていた...続きを読む
  • アブサン物語
    和田誠さんの挿絵の可愛さにまずココロをぎゅっと掴まれました。
    アブサンを拾ったのではなく出逢ったってくだりに猫愛を感じられ、私も何処かで出逢わないか、ネコ屋でペット用ボックスを見ておこうかと思います。
  • 帝国ホテルの不思議
    帝国ホテルで働くそれぞれの現場のプロの話。
    裏側で見えないところもこんなにこだわり抜いてホテルの空間を作っているかと知って驚いたし面白かった。
    バーテンダー、清掃係、コンシェルジュ、靴磨き職人等々。
    帝国ホテルに泊まってみたくなりました。