村松友視のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
10年ほど前に読んで、部分的に何度か再読していたが、今回ふとしたいきさつで知人のネコをひと月半ほど預かったことで読み直した。
子供の時から家にはネコがいて、ずっとネコを見ながら生活していた。そんなネコを飼ったことのある人なら文中の描写にネコのしぐさがありありと思い浮かび、ニヤリと笑いながら読んでしまうだろう。愛すべきネコへの気持ちがにじみ出てくる文章だ。ネコを飼っている人にたびたびこの本を勧めてきた。
ペット、いや伴侶のネコはいつか死の旅に出る。最後はさすがに湿っぽいが、21年の生涯を全うしたネコへの愛情と家人との暮らしぶりをユーモラスに描いた物語。一気読みだった! -
Posted by ブクログ
ネタバレ北の富士流
著者 村松友視
新広社
2016年7月10日 発行
九州場所が始まった記念に、こんな本を読んでみました。
なかなか、面白かった。
現在の解説者でも断トツ人気の北の富士。
私が小中学生のころ、現役時代も人気ありました。
貴ノ花(若貴の父親)との「かばい手」の一番、よく覚えています。みんな貴ノ花の味方でしたが、北の富士も人気でしたね。
北の富士も若い頃、あまり強くなかったようです。しかし、三段目でもたついていた昭和35年夏、名古屋場所後の北海道巡業。両親のいる旭川の前、釧路の親戚に呼ばれてご馳走になってすっかり酔っぱらって朝帰り。それがうるさい兄弟子に見つかり、土俵に引っ張りださ -
Posted by ブクログ
『私、プロレスの味方です』で有名な村松友視の短編小説集。『当然プロレス』も昔買ったけど、プロレス話が深すぎて1作しか読んでない。実家に有るんだっけな。
グレート東郷を筆頭に、戦後活躍した日系悪役レスラーたちの足跡を追うために、なんとなくハワイに降り立った主人公。ひょんなことからつきまとってきた現地の運転手か、その知り合いかは定かではないが、とてつもなくプロレス人脈を持っており、ハロルド坂田に会わせてもらうことになる…。
前半数作は、プロレスサークルの覆面レスラーの話が若干変わっているが、プロレス中心の話。後半数作は、プロレス関係ない話で意外であった。
もともと編集者ということで、語彙がし -
Posted by ブクログ
表紙に「アントニオ猪木 X 村松友視」とあったので、猪木と“プロレス界の住人”である村松の対談本と思って安心して手にしたのだけれど、さにあらず。
よく見ると、二人の名前の下に、スポーツ報知の記者が「構成」として載っている。村松の「<あとがき>のようなもの」で明らかにされているが、本書はこの記者が二人に個別にインタビューした内容を対談形式に構成し直したもの。そして、どうにもこれが消化不良の元になっている。
村松の興味深いコメントに猪木がどう反応するのかと思ってページをめくると、そこに登場するのはこの記者のあまり意味のない解釈や解説(もどき)。村松の前著「アリと猪木のものがたり」の一節を引用したり