三枝零一のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
涙・・・。
学生の頃2、3巻だけ読んだことのあるシリーズです。何年たってもたまに思い出す台詞やシーンがあったので気になってしまい、1巻から全部読もうと思い、購入しました。
大人になって読んでも、凄くツボでした!カッコいい設定、戦闘シーン、でも何よりも、納得のいく各キャラの心理描写が本当に良い!ディー、セラ、マリア、祐一・・・。誰の気持ちも丁寧に書かれています。そして、学生の頃は嫌な人だと思ってしまったクレア!彼女の気持ちも今読むと凄く切なかった(;;)かと言ってやっぱりセラが悪いわけは全くなく、それぞれの立場が違い過ぎて辛いです。
1~3巻まで、全部泣きました。電車で読むのはちょっと危険かもしれません。これから全く知らない先の話が読めるのがとても楽しみです。
ちなみにこの3巻、表紙がめちゃめちゃ素敵です(^^) -
Posted by ブクログ
ネタバレ組織のNo.2を誘拐されたことにより、賢人会議とシティの市民は戦闘状態に突入してしまう。その裏には、同盟反対派の工作もあったが、市民の行動は、その反対派の計算を遙かに上回って大きくなっていく。
誘拐された天樹真昼を追いかけるサクラ、シンガポール側のフェイ。だが、天樹真昼が世界に隠していた秘密が明かされてしまう。大気を覆う雲の除去方法。その方法とは、Iブレインを持たない人間を全員殺し、Iブレインをもつ魔法士全員の脳を同調することにより、雲を情報の側から解体するという恐ろしいものであった。情報制御理論を考えた天才が残した遺産。天樹真昼はこの研究を発展させ、犠牲のでない方法を見つけることをシンガポールに持ちかけていたのだった。全世界にあかされたその理論によって、世界は完全に賢人会議の敵となった。そして、天樹真昼は、名もなき市民によって殺されてしまう。
サクラは、全人類に対して、宣戦布告をし、去っていく。
・・・といのが、8巻でした。
とにかく、一言。どーすんの、この後!?
1巻から出てきた天樹真昼が死んでしまいましたよ。
彼が計画してきた全人類を救う企み。彼が死んだ後に、誰がこれを継ぐのだろう・・・?
この物語には、たくさんの出来る大人たちがいます。それも、この物語の大きな魅力なのです。
でもね、何かを起こすのはいつだって、これからを担う世代だと思うのです。
そして、それを静かに支えてくれる大人に憧れるのです。
だから、きっと決断するのは若い誰か。そうあってほしいと思います。
けれども、どうでしょう。自分の道をはっきりと定めている人たちはたくさんいますが、
それは、自分はこうあるべき、というだけのこと。
それではない・・・そう、世界はこうあるべき。
そういう精神を持っている人がいるのかどうか、そう言われると分からない。
彼らは、彼らの正義を信じて動いていますが、それはあくまで、何かが起こったら、
それに対する判断をするという段階でしかないのです。
賢人会議の代表のサクラが、何かをしようとして、それに乗っかってきたのです。
ところが、参謀のいない賢人会議がやろうとすることが、
乗っかれることではなくて、本気で止めなければいけないことになる可能性が、十分にある・・・。
そういう事態になっていると思うのです。
さて。この8巻を通じて描かれた政治家は、自分の正義を持たない政治家たちでした。
民主主義の責任をとるべきは、政治家ではなく、市民であるというのです。
しかし、その政治家は首相となり、
世界を救おうと献身した青年・天樹真昼は名もなき市民によって殺されてしまうのです。
その優秀さを知ることは出来ない。
なんというかな。彼の最後は、革命家の最期というものの原風景のように思います。
救おうとするものによって殺されること。名もなき足軽にも満たない人間に殺されること。
魔法士によって圧倒的に殺されるのではなく、何ともあっけなく死んでしまう。
人間が魔法士によって殺されるのではなく、人間が、人間によって殺された。
そこになんとなく、納得というか、殺されちゃったんだな、という実感を与えられた・・・そんな気がしました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレすごい勢いで人類全体が絶望へと突っ走るのだけど、明かされないサクラの思惑やディーセラの迷いなど賢人会議側も一枚岩ではなく、誰も彼も足場が揺らいでいるという混沌とした状況。
けれどごちゃごちゃしてるという印象はまったく受けなくて、今まで積み重ねてきた伏線やキャラクター描写の上にすべてが成り立っているので暗い状況とは裏腹にスラスラと読み進めていくことができる。
エピソードⅧからこっち散々な目に合っている主人公の錬だが、これらの試練を乗り越えて彼と作者がどんな結論に辿り着くのか、次巻以降も全力で見届けていきたい。
余談 祐一、ヘイズ、クレアの3人も中立という意味では錬と同じなのだが、錬ばかりが責められるのも主人公だからこそというところか -
Posted by ブクログ
ネタバレ3年待った。本当に長かった。でも、読み終わった今となってはまずこう伝えたい。面白かったぞありがとう!
このシリーズについては尋常でない思い入れを自覚しているので冷静では居られないのだが、目まぐるしく動く展開や、今までの伏線を踏まえながら「ここでもう一度その方向に物語が振れるのか!」という意外性は素晴らしい。
思えばエピソードⅤにおいて通常人VS魔法士という対立基軸を掲げはしたものの、大きくぶつかりあったのは直後のⅥくらいで、勢力として敵対はしていても各主要人物は緩やかな協力体制を築いていて(真昼の退場は予想できたとしても)なんとなくこのままみんな協力して良い流れに向かっていくのかな?ということを漠然と思っていた。
ところがこのⅧ下で急転直下、まさか今までの流れから全面戦争になるとはまったく予想できなかった。
また裏から全てを操ってきた真昼が最後に泥臭い頑張りを見せてくれて、でも結果には繋がらなかったり、真昼の理想家としての側面を好意的に描きながら、あそこまでの策謀を巡らせてもなお現実というのは強固で、その理想には届かないのだ、ということをシティの為政者たちに代弁させてもいて、この世界設定のシビアさには舌を巻く。
ここまで重苦しく混迷してきた話にどのような決着を見せてくれるのか、期待と不安で先が本当に楽しみだ。
真昼が遺した言葉は何だったのか、それを見たサクラがなぜあそこまでの決意に至ったのか、兄姉を失った錬は自分の道を見つけ出せるのか、などなど主要人物の動向に注目しながら、完結まで残り2エピソード、続きを待ちたい。 -
Posted by ブクログ
本巻では作品中最も積極的(?)な女子アリスさんが登場します。
彼女とアルは勿論、彼等の傍にいた健三とエリザがすごい好きでした。
特にエリザ!今回のエピソードで一気に好感度上がりました。
ラストでは真昼に「おいこら!」って言いたくなるような事がありましたが
それでもはらはらしながら楽しく読むことができました。
かつて世界と戦っていた三人の研究者(二人は戦うつもりはなかったかもしれないけど)の軌跡に少し涙が出そうになりました。
セラの母親について住人と話してる時にはもろ涙出そうでしたけど!
ファンメイとセラでは考え方が違ってて、その対比が面白かったです。
ディーのために悩むセラも必見。 -
Posted by ブクログ
シリーズ7作目、下巻。
7作目が完結。
『情報制御理論』の発表や『魔法士』の誕生といった歴史が明らかになってスッキリ。
ですが、新たな謎も・・・
また次巻を待つ日々が続くのか・・・OTL
ウィッテンが主軸と言えるので、ヘイズやファンメイとのエピソードも出てきて嬉しかった。
2作目での『失敗作』というセリフの裏にこんな思惑があったとは・・・ぉお!!(゚ロ゚屮)屮
(2作目を読んだとき、このセリフでウィッテンの印象は悪かった^_^;)
全部ではないですが、秘密が明かされた今もう一度シリーズを読み返したいなぁ〜
それで次巻までの間をつなげていきたいなって思ってます。
…予告通りに4ヵ月後に次巻が発売になるといいな。 -
Posted by ブクログ
シリーズ7作目。
前作から1ヶ月後、北極が舞台。
北極上空に展開するシンガポール自治軍と接触を図る、サクラたち『賢人会議』
シンガポール軍に牽制するため北極上空へ出撃する、エドやファンメイたち『シティ・ロンドン』軍。
『賢人会議』を追い、『シティ・ロンドン』に合流した鎌とフィア。
そして、大気制御衛星の謎を追い北極を訪れたヘイズとクレア。
『魔法士』誕生の秘密が今明らかになる――
待ちに待った新刊です><
早く読みたいけど、読んでしまうと次が待ちきれないし・・・って思いながらじっくり読みました。
エドとファンメイの復活に歓喜し、ヘイズとクレアの二人にニヤニヤし、魔法士誕生の秘密にワクワクしました。
まだ、7作目の序章的な部分なのでどういう展開を迎えるのか楽しみです。
次巻は来年の発売になりそうで、今から待ちきれないです
OTL
ちょっとしたネタバレになりそうですが・・・
人類初の魔法士はアリスで、『情報制御理論』の誕生の前に生まれたようですね。
『情報制御理論』の誕生の後に魔法士が作られたのではなく、本来は順序が逆だった。
そして、アリスは悪魔使いだったのではないのかと・・・
はぁ・・・続きがめちゃくちゃ気になる>< -
Posted by ブクログ
何だか凄い世界観、というより闘争に次ぐ闘争といった印象の作品だね
そもそも作品背景が凄いね。魔剣戦争が2000年も続いた世界であり、その戦争前にも魔物と人類が闘った時代もある。それだけの闘争を経ながら、リットが生きる現代は平和が訪れている。それは争いを当然としていた時代に生まれた者達からすれば慣れない時代だろうね
というか、平和になったのがたった1年前である為か、リットを始めクララもソフィアも戦争時代を前提とした考え方が根底にあるね。その意味では彼女らの在り方は少々荒っぽいとまで言えるのだけど、それは結果的に魔物が再臨する騒動に対して迅速な対応を可能としているね
リットは一本気質というか行動原理の中心に剣一つで世を渡っていく信念が据わっている為か、非常に直線的な性格をしているね。それでいてある程度の貴族的教養を躾けられながら山籠り生活という変わった人生を歩んできた経験がミックスされ、あまり見た事のないタイプに仕上がっているように思えたな
そのような彼女の性質はそれこそ戦争の時代であれば、英傑と成り得るものであると受け止められる
でも、これから争いの無い時代を目指していこうとする時代で彼女の在り様は異質と成る
この平和にそぐわない異質さはクララやソフィアにも言える事だね
クララは魔剣の主に選ばれる筈がなかったのに選ばれてしまったから強さを求めつつその強さは婿探しを兼ねているなんて珍妙な事態となっているし、ソフィアは戦争を利用していた組織の端くれでありながら既に存在しない組織の陰謀に振り回されている
リット含め3人共に時代にも状況にも相容れない。だからこそ、この3人は気の合う部分が有ったのだろうね
ただ、3人は傷の舐め合い的な感覚で同調するのではなく、時代に相応しからぬ強さを互いに持つと知れたから同調していくのは特徴的
人生の大半を剣の修行に明け暮れてきたリットは当然として、溢れ出る才能に拠って他者を蹂躙するクララも、他人の魔剣であろうと自由自在に操って見せるソフィアも。3人の力量は常人を遥かに凌駕している。そんな3人は互いに対して容易に勝てやしないからこそ互いを尊敬し仲良くなれる余地が生まれる
そうした特異性により仲良くなっていく3人の関係は独特の気持ちよさが在るね
戦乱の世から平和な世となってなお強さを求めるリットだけど、先祖が繰り返してきた戦乱で活きる強さを求める性質が根幹に在るかというと、厳密にはそうではないと判る点が終盤の展開において活きてくるね
リットは確かに母の願いを承ける形で天下に名を轟かせんとセントラルにやって来たわけだけど、その本懐に在るのは母を喜ばせたいという親を愛する子供らしい感情。平和ではなく闘争を娘に教えた事を母が死の直前に悔やんだ姿が目に焼き付いている。だからそれを間違いではないと証明しようとしつつ、同時に母が自分の幸福を願ってくれた事も知っている
それは後半で自身の来歴を明かすジェレミアと対を成すものだね
ジェレミアとて父祖から承けた想いがあり、それが彼を平穏な世になろうとも受け容れられず計画を実行する様は少々リットと重なる部分はある。けれど、リットと決定的に異なるのは父祖から受け継いだ役割にジェレミアは想いを見出だせていなかった点だろうね。だから「この行いに何の意味があるのかは知らぬ」なんて平然と言えてしまう
それ故に彼はリットと思想的な対立は起きず、敵役でありながら打倒すべき敵には成り得ない
リット達の前に現れる敵は無機質な魔物に厄災、あまりに強大過ぎる敵だけど、何の理念も矛盾せずに敵と言える存在だからリット達は想いのままに戦える敵である。その瞬間に奇妙な縁で繋がった少女達が完全無欠の運命共同体的親友兼戦友となっていく描写は本当に良いね
そこからのバトル展開は壮絶オブ壮絶と言えるもの。てか、巨大な魔人を相手に人間サイズのままに人間の力で太刀打ちするなんて常識外れにも程がある。けれど、リット達の実力とて常識外れであると既に示されていたから彼女らなら打倒できるとも信じられる
それでも最後の一刀としてリットが生み出した至高の剣には仰天させられたけどさ。あれだけ様々な魔剣が登場した作品で最強に至る剣があれだなんてね。良い意味で度肝を抜かれたよ
ちょっとした歴史に名が残りそうな難事を解決したリット達。けれど、グラントの家名を復興するにはまだ武勲が必要なようで
ここでリット個人の問題と言えそうな件なのに、クララもソフィアも当然の顔して協力するつもりで居る様に心が暖かくなってしまったよ
彼女らは出会ってそれほど多くの時間を共にしたわけではない。けれど、星が夜空を流れ去るような短い時間の間に一蓮托生の間柄になった彼女らの在り方は特別。人生の終わりまで共に居るのではないかと思える程の仲の良さを見せつけてくれるラストには微笑ましくなりつつ、今後彼女らが解決するだろう世界規模の問題がどうなるのかも見届けたくなってしまったよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ9年ぶりからの2ヶ月連続刊行は心の整理が追いつかないんよ(笑)
中巻の惨状からどうなるかと戦々恐々としていましたが、本当に予想外の着地点に到達したなと。
今作も読むのが大変(褒め言葉)
残虐非道を甘んじて受け止め、冷静にことを進めるシティ
ブレーンを無くし、進退極まる賢人会議
人間と魔法士の共存を諦めない機構
三者三様の思惑に突破口はあるのか。
個人的に読んでる中で強く想起したのは、今は亡きアニルの言葉
「最終的に人を動かすのは、理を超えたその先にあるもの」
彼は本当に良い言葉と行動を残してくれたと、しみじみと感じた。
次がラストエピソードのようで、一体どんな結末になるのか楽しみ。
現状、いわゆるハッピーエンドにはどうやったってたどり着けない気がするので、ここからどう物語が進むのかが待ち遠しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ(約9年ぶりに続編ということで1巻から読み直しました(笑))
8巻での事件で賢人会議・シティ共に選択の余地がなくなり、坂を転がる落ちるように事態は深刻に凄惨になっていく。
各陣営の頭脳派たちが「仕方ない」「他に手段がない」と志を折っていく中での主要人物たちの行動・信念に感情が揺さぶられる。
戦力的に圧倒的に不利なシティの戦略・戦術の冷徹さ。
切り札を守るために戦術的ゴリ押しができる賢人会議。
正直、「もうこれどうしようもないじゃん……」といった感想しか出てきません。
下巻でもっと悲惨になるのか、果たして……
余談ですが、読んでいて十二国記(特に白銀のオカ 玄の月)を彷彿させられました。
先に十二国記で耐性つけといて良かったなと心から思う。