スティーヴン・ストロガッツのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレSYNC: なぜ自然はシンクロしたがるのか
ストロガッツ教授の歩んできた、複雑系研究の道。
その一つの道しるべとして、同期現象を取り上げています。
振り子、蛍、細胞、シナプス、脳波、睡眠、惑星、量子、自己組織化、WWW、交通渋滞・・・・
意志を持たない物すらも、あたかも意志を持っているように同期する不思議。
端緒についたばかりの非線形な複雑系、ネットワークの研究が、様々な同期の不思議を解明していく歴史がエキサイティングです。
異端の学問だったCで始まる、Cybernetics, Catastrophe theory, Chaos theory, Complexity theoryが、研究の -
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Posted by ブクログ
久々にいいものに会いました。
(でもこれを読みながらにやにやしてると変人みたいだな私)
読み物での数学的なトピックといえば、円周率、黄金比やフィボナッチ数列、ピタゴラス学派、ゼノンのパラドクス、確率・・・。
正直、食傷気味の感がありました。
この本は話が巧みで、引き出しも豊富。引き込まれていきました。
楽しかったのは決して、大学で理数科目を逍遥したからではない。数学好きでなく読書好きとしてわくわくしました。
内容が専門的になると私は理解できないが、これは一般書で、間口が狭くなっていないと思います。
後付けの脚注が豊富で勉強にもなります。
章が丁度良く短いのもありがたい。
訳書だと文の調子がお -
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Posted by ブクログ
「非線形科学」という聞きなれない分野の第一人者による著書。とりあえずハヤカワノンフィクションだから買っとくかという動機もなくはなかったが、とにかく表紙が美しいのでジャケ買いしたといた方が正確か。
ホタルとコオロギ、脳波、睡眠リズム、交通渋滞からコンサートの拍手、スタジアムでのウェーブまで、とにかくシンク!そして『偶然の科学』でおなじみダンカン・ワッツも過去の共同研究者として登場するあたりが楽しい。ローレンツの「あの小さなモデルのことかね?」というのもワロタ。
線形と非線形については、たとえ話を交えながら3ページほどで説明しているのだけど、非線形どころか数学のことはよく知らない自分でも良くわか -
Posted by ブクログ
頭が固まってきたときは、気分転換に自然科学の入門書を読むことにしている。特に、好きな分野は、宇宙論、量子論、進化論、脳科学、そして複雑系/非線形科学。
複雑系/非線形科学のなかで、特に面白かったのは、この著者の”SYNC”で、これは、これまで読んだ自然科学系の本で、多分、ベスト3にはいると思う。
というストロガッツの数学入門。
本当に小学校の初めから、つまり、数とはなにか、足し算とは、引き算とは、掛算とは、割り算とは、から始まり、徐々に、関数、図形、微積分、統計、そして非ユークリッドやら、トポロジーやら、高等数学の世界まで、ユーモアたっぷりの30章のエッセイで紹介してくれる。
数学って -
Posted by ブクログ
著者スティーヴン・ストロガッツは、『偶然の科学』のダンカン・ワッツの教師であると共に盟友で、おなじように複雑系科学の大御所の一人、であるらしい。
この本で提起されている「同期現象」は、たとえば、
・一斉に光る蛍。
・数百万の脳細胞が病的に同期することによる、てんかんの発作。
・レーザービームに現れるコヒーレンス。
・心臓に備わるペースメーカー細胞。
・月の自転は地球を回るのと全く同じ周期による。
・ルームメイトなどのごく親しく共に多くの時間を過ごす2人の女性がときどき示す「月経同期」。
こうした自然界に多数見られる「同期現象」という謎を、ストロガッツは生地に解説していく。
確かにこれは興味深 -
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Posted by ブクログ
「ニューヨーク・タイムズ」に連載された数学エッセイをまとめた本。数の起源から無限まで6部構成(数、 関係、形、変化、データ、数学の最前線)で数学の体系に触れることができる構成になっている。各章は日常 の数学に纏わるエピソードから紹介しており、難しい数式も無く、素人にも判りやすい図で解説していて、とても読みやすかった。学生の頃に苦労した数学が、見方を変えると途端に判りやすくなる。そういう事例がこ の本には数多く易しく解説されているので、数学に再チャレンジしたい人は、手始めにこの本で数学の考え方 に馴染んでみるのも良いと思う。
ちなみに、理系でありながら歳と共に数学が苦手になってしまった自分は、こ -
Posted by ブクログ
この本が出たとき、表紙が素敵だったのが印象に残っている。初版からは少々時間が経ったが改めて手をとった。
ホタルの同期現象がなぜ起るのかというところから書き起こしているが、昆虫生物学の本ではない。複雑性の理論の本だった。(ホタルがなぜ同期して光るのかは自分にはわからなかった...)
「同期(Sync)」ということをキーワードにして、生体の同期現象だけでなく、ジョセフソン素子で有名な量子現象や6次の隔たりで有名になったスモールワールドネットワークまで射程の幅広さを誇示するかのように話題を振っている。
はっきりいって、本書の議論は自分にはあまり刺さってこなかった。カオス理論・複雑性の理論とは相 -
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