翁邦雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おれが学生時代にリアルタイムで追いかけてた米国の金融緩和や、今話題のアベノミクスについて触れてる上に、中央銀行の起源や歴史、役割といったものにも触れていて面白かった。
中央銀行の最古はスウェーデンのリクスバンク、中央銀行像を作り上げたのはイングランド銀行なんてトリビア。大恐慌というトラウマとを抱えるFRBとハイパーインフレというトラウマを抱えるECBの違いなど、それぞれのトラウマが中央銀行の行動様式に与える違い。日本銀行創設からの歴史と業務、バブル期までの金融政策からバブル崩壊後のゼロ金利政策や量的緩和など。デフレ脱却の理論として貨幣数量説やベビーシッター協同組合の寓話の紹介。中央銀行と財政政 -
Posted by ブクログ
著者は元日銀のエコノミスト。
ちまたで聞く金利。金利はなぜ/どう上下するのか、金利を動かすと何が起きるのかといったことを平易に解説することを目的とした書籍。
とはいうものの、研究者肌で詳細に書かれており、素人にはすべてを理解するのが難しい。要約すると、
物価を安定させるために中央銀行が金利を調節する。金利を動かすことで需給のバランスを保つ効果がある。金利を動かす方法は銀行が持っている当座預金の総量を上げ下げしたり、貸し倒れリスクがほぼない金融機関どうしの間の「満期一日」という超短期の金利ーこれを政策金利というーを誘導している。
というふうに理解した。 -
Posted by ブクログ
終身雇用や年功序列といった日本的労働慣習はどうしたら打破できるかというところから最近、労働経済学に興味があり、タイトルが気になってジャケ買い。マクロ経済学の基礎がなっていないのか、金融政策のところはなかなかついていけなかった。。
そんな自分を肯定するようで恐縮ながら、多くの人はそんなもんなんだと思う。本書に出てくる、金融「緩和」と言われるとなんだかポジティブな気がするし、「マイナス」金利と言われたらなんか嫌だ…というのもそういうことだろう。そこに専門家の難しい理屈で経済政策を打ち出しても、そりゃ国民には刺さらず、空振りし続けているのが、いつまでも達成できないインフレ目標なんではなかろうか。
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Posted by ブクログ
日本銀行というかなり雑駁なタイトルなので、中身は呼んでみるまでわからなかった。
まずは中央銀行の歴史から説明してから、日銀の登場を解説。
その後、日銀の役割を説明して、最近の日銀の考え方について最新の学説と比較している。
経済学というかなりファジーな学問なので、ある学説では日銀の行動を正当化できるが、この学説を使うとむしろ悪影響になりかねない。
という論調。
最後に正解は時間が教えてくれるというところで締めている。
これが書かれたのが、2013年7月なのでその後に日経平均は上昇しているが、この状況を筆者はどのように説明するだろうか。
また、現在の日銀はインフレ率2%を標榜しているが、重