阿井渉介のレビュー一覧

  • Y列車の悲劇

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    Y列車、最後の最後にやっと意味がわかり、悲劇の意味もようやくわかった。
    列車モノというと時刻表やら路線図やらのトリック考えてしまうけれどこれはそれ以上。

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    2015年01月17日
  • 銀河列車の悲しみ

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    たぶん知らない人が多いと思います、この作品も、そして作者も。

    しかし、この本はいい。理屈抜きにいい。

    冒頭が最もいい。
    極寒の北海道。その新雪の原野に、二条の車輪の蹟が続く。
    そして、その先の大木に、列車が一台引っかかっているのである。
    雪原を走り疲れて、眠っているかのように。

    この美しさは、北国に生まれ育ったものにしか分からない。
    作者の阿井氏は北京生まれということだから、たぶん真冬の厳しさと美しさを
    知り尽くしているのだろう。

    推理小説(それもこれほどの超越した「あり得ない状況」を設定した物語)の書評に
    顛末をあらすじで書くような野暮はしない。

    ただ、読んでみてほしいと、願うばか

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    2015年03月21日
  • 愛と憎しみ 奇跡の老老介護

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    ネタバレ

    特に期待することもなく読み始めた。阿井さんは十数年前に推理小説を読んだきり。
    なかなかできることではないと思いました。お母様のことが大好きだったんですね。合掌

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    2018年07月06日
  • 荒南風

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    初読みの作家。不思議なテイストのハードボイルド。刑務所を出た元漁師の彦地秋郎が訪ねたのは横浜の暴力団の事務所だった…彦地の目的は…不器用で、真っ直ぐで、ストイックで、得体の知れない主人公の彦地が、自らの犯した罪への贖罪のために行動を起こす。

    船乗り、横浜、ハードボイルドというと北方謙三の初期のハードボイルド傑作を思い出すが、この作品にも、北方謙三のような風合いを感じた。

    しかし、主人公の彦地の立ち位置が今ひとつ曖昧に描かれているためか、設定やストーリーの面白さが減じているように思う。

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    2014年05月06日
  • うなぎ丸の航海

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    にょろり旅繋がりで手に取ってみた。
    「ただ船に乗りたい、縄船に乗りたい」という熱い思いが、ウナギの調査船に乗る機会を掴み、天性の冒険家魂に火がついてしまう。
    名だたる研究者にひるむことなく、冒険と新たな発見にまい進している著者の姿が楽しい。
    本家(?)にょろり旅の著者がロートルだ、引退だと言っているが、ぜひ彼らの先陣を切って、新たな発見の旅を続けて欲しい。

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    2014年03月15日
  • 虹列車の悲劇

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    ネタバレ

    上野駅、到着した寝台列車で見つかる謎の白骨死体。乗客が一晩で白骨化?舞台は、岐阜の郡上八幡へ・・・ 末期ガン患者の診療所にまつわる謎。白骨化した被害者が誘拐事件を引き起こし・・・??? 主人公牛深警部の謎の過去が微妙にからみあい。 列車からは奇妙な緑色の虹。全体的なトーンは暗いが面白い。

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    2017年02月18日
  • うなぎ丸の航海

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    青山 潤著「アフリカにょろり旅」のウナギつながり。関連本というより、同じ東京大学海洋研究所の「ウナギグループ」が登場する、またもや楽しくて興味深い冒険紀行。同研究所の調査船「白鳳丸」でニホンウナギの産卵場所を探すのですが、探し方がこれまた原始的に網で採取して採れた顕微鏡サイズのものを検証していくという気の遠くなる話。しかも新月の夜にしか産卵しない。どうやって追いつめて行くのか!う〜ん、ミステリーだねぇ、アドベンチャーだねぇ。

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    2011年08月03日
  • Y列車の悲劇

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    ネタバレ

    寝台特急「はやぶさ」のA寝台車の個室で、女性の惨殺死体が発見され他の寝台車の乗客8人全員が走行中の列車から消えた。警察にかかってきた脅迫電話、殺害される人質。牛深らの捜査で事件がある女性脚本家のシナリオ通りに事件が動いていることが判明する。

    前に読んだ『列車消失』と同じく事件はとても魅力的で良い。殺人事件が起きてからの展開も早く、脅迫電話の声や被害者の過去、女性脚本家への疑惑などとても楽しかった。

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    2025年09月19日
  • まだらの蛇の殺人

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    ネタバレ

    「まだらの蛇が」という言葉を遺して、殺害された女性。死因はウミヘビの毒。被害者の一族が恐れる大蛇伝説。宮城県の被害者の実家でも更に蛇による殺人が…。エリート刑事・堀とアウトロー刑事・菱谷のコンビによる捜査。

    菱谷のキャラがもう少し出来る刑事なのかと思ったけど、割と堀と良い勝負な感じ。ウミヘビを使った殺人事件は面白い。

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    2025年09月19日
  • 虹列車の悲劇

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    ネタバレ

    8時間で白骨化する死体の謎とかは面白いと思うけど、真相がイマイチな感じかな。面白いアイディアだし骨についた細かい傷の件とかは良いけど、ちょっと好みではないな。探偵役の牛深刑事の行動や松島刑事にもイライラさせられて色々と気が散ってしまうところが多かった。その辺りをもう少しスッキリさせてくれたらもっと面白かったような気がする。

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    2025年09月19日
  • 銀河列車の悲しみ

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    ネタバレ

    少女が誘拐され、バラバラにされた死体が写った写真が送りつけられる。しかし、少女は無事に帰宅、銀河鉄道の夜を体験したと語る。ゴジラに襲われたと訴える青年。蒸気機関車にひかれたミステリアス銀河列車が60人の乗客と共に消えて殺人事件が…。

    謎が魅力的ではあるが…。トリックはかなり大胆。そこまでするの?みたいな事もあったりするけど、ミステリの部分は面白い。ただ犯罪者たちについての考えが難しい…。刑務所で罪を償ったとは言うけど…。

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    2025年09月19日
  • 愛と憎しみ 奇跡の老老介護

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    筆者71才、介護対象の母100才。
    典型的な老々介護。

    浪浪介護、朗朗介護、漏漏介護、&老々介護。

    筆者が母親を老人介護施設に預けた時の苦い経験を書いているが、筆者のように在宅で母親を全面的に介護できる人がどれくらいのいるだろうか。
    介護施設に不満があってもそれに頼らざるを得ない側面があるのではないか。

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    2025年09月11日
  • 黒い列車の悲劇

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    ネタバレ

    トンネルに侵入した列車が消えた。一部の乗客は開放されるが、犯人からは外務省へ6億円の身代金要求があるが、身代金は南米の村への送金。更に牛深へ犯人から直接牛深に連絡が…。事件は自分の過去に関わりがあると考えた牛深は幼少期を過ごした北海道へ。

    このシリーズは謎が魅力的で、トリックは…。
    事件に関わる上野公園やイラン人、偽造テレカとか凄く懐かしい話題。『虹列車の悲劇』では暴走しまくった松島が今回はいつも通りの相棒。

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    2025年08月11日
  • 慶喜暗殺 太鼓持ち刺客・松廼家露八

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    慶喜暗殺、という文字に惹かれましたが、慶喜は最後にちょっとだけ出てくるのみです。明治になってからの静岡のお話で、有名人が次々と出てくるのがサービスでしょうか。

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    2022年12月30日
  • 愛と憎しみ 奇跡の老老介護

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    ウルトラマンタロウほか7人の刑事などのテレビドラマの脚本を手がけ、推理小説など多数執筆。

    気ままに作家活動をして70を過ぎて自宅に戻った作者。
    そこには視線が定かでない寝たきりにも等しい母親が。

    兄弟には頼らぬと決めた母の介護。
    何もわからないところから、始めるが。。。

    脳梗塞に見舞われ入院、リハビリ病院へ。
    病院、医師といえどもいろんな違いがある。
    理不尽な対応をされたり、医師とも思えぬようなヤクザのようないし。その医師は睡眠薬で何人もの人を強姦氏事件になった。

    100歳を過ぎるようになると、だんだんとはっきりしたる時と、朦朧とした時のサイクルができるように。

    自宅で、近所の人や様

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    2019年09月15日
  • 虹列車の悲劇

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    列車消失の作家さん。
    地図、時刻表を駆使してっていうのではない、蓋を開けたらびっくり~というタイプのミステリーでした。いやホント、びっくりだから。もう、表紙も見たくないほど。
    この阿井さんって何者?!
    そう思うほど作風が!評価が!?

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    2015年02月14日
  • 銀河列車の悲しみ

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    身長数十メートルの怪獣ゴジラに襲われたという青年。少女誘拐。バラバラに切断された彼女の遺体写真。しかし誘拐と思われた少女は無事に戻る。…も、銀河鉄道に乗ったり、恐竜時代の地球に行ったと言う。
    さらに北海道では、ミステリアス銀河列車が60人の乗客とともに消える。車掌だけ保護されるも、宇宙を旅して月面や火星に行ったと証言。しかも、黒こげの死体ひとつを乗せた客車3両と蒸気機関車は、空を100キロメートル以上飛び、原野のただ中、天へ昇りゆく途中とでもいえる格好で、樹高20数メートルの巨木の上に、まるで船が座礁でもしたかのように、引っかかって発見される。
    それから、妖怪ぬりかべやカラスてんぐの目撃情報。

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    2010年12月18日
  • 雪花嫁の殺人 警視庁捜査一課事件簿

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    サッカーグラウンドの真ん中で殺された男。その周りには片道一人分の足跡しかなかった。

    まとまっていて面白いとは思うけど、トリックが秀逸と言うべきか、荒唐無稽と言うべきか。

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    2010年07月19日
  • うなぎ丸の航海

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    推理小説家の著者が海に憧れ乗り込んだのが、東京大学海洋研究所調査船・白鳳丸。ニホンウナギの産卵場所を探しての探索行。

    ひたすら海に憧れ「マグロ船にでも乗り込めないか」と思案していた著者が、どういうはずみかニホンウナギの産卵場所の調査隊に参加してしまう。最初は「とにかく海に出たい」というだけの気持ちだったのが、どんどんウナギにのめり込んでいってしまうのが面白い。
    『ドクトルまんぼう航海記』に憧れていたと本人が書くだけあって、文体的にも雰囲気的にもちょっとそれを感じさせる。やや古風な表現もあって、そのへんはすきずきかもしれない。
    ただの航海記ではなく、「冒険」を求める少年のような熱情が非

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    2009年10月07日