高田宏のレビュー一覧

  • 言葉の海へ

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    高田宏 「 言葉の海へ 」 日本初の国語辞書(言海)を作った 大槻文彦 の生涯をまとめた本。言海は 国家事業としての信念、大槻一族の系譜の集大成であることがわかる

    国家にとって文化とは 国家の存在条件であることを認識した。文化としての言葉、国語の整備、保存は 明治時代だけでなく、グローバル化の進む現代も重要であると思う

    「一国の国語は 外に対しては 一民族たることを証し、内に対して 同胞一体の公義感覚を団結させる」

    「一つの思想で国は育たない〜多様な方向により日本が育っていった」

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    2018年07月31日
  • 物と心の履歴書

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    ネタバレ

    物欲の煩悩を刺激してくるタイトル。

    目次を見れば、次のような魅力的なラインナップ。
     ・時計        ・鞄
     ・眼鏡        ・机
     ・杖         ・寝床
     ・自転車      ・電灯
     ・カメラ       ・鍵
     ・万年筆      ・背広
     ・煙草        ・刃物
     ・帽子        ・ストーブ
     ・履きもの     ・食器
     ・傘         ・石

    これらのモノへの愛情を、さぞや熱く語っているんだろうなと思ったら、まったく違っていた。
    本書のタイトルは「物と心の履歴書」だった。これらのモノと出会い、使っているうちに、やがて心を支配していく何かがあっ

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    2011年11月03日
  • 木に会う

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    屋久島の縄文杉や、白山のブナ林を訪ね歩きながら、ひとと自然とのかかわりについての著者の考えが語られている本です。

    ひとと自然とのかかわり方にも文化的な蓄積があり、それを離れて生の自然に触れるということはできません。このように述べると、日本の古典文学におけるひとと自然とのかかわりのことが考えられますが、本書では主として近代以降のひとと自然とのかかわり方のなかに文化的な厚みを見ようとする試みがなされているように感じました。

    そうした試みは、古典文学とは異なり、いまだわれわれの共有財産と呼べるほどの十分な蓄積があるわけではないのですが、なんといってもそれらは現代を生きるわれわれのすぐ足元を支えて

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    2019年08月13日
  • 言葉の海へ

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    日本初の近代国語辞典を著した大槻文彦の生涯を語るノンフィクション。

    幕末から明治前期への激動の時代に生きた洋学者であった著者がどのような経緯で国語辞典の完成にその生涯をささげたのか、その時代背景が良く分かる。

    維新後、不平等条約改正のために躍起になって近代化を進めていた日本。その一つに自国言語の文法を整備し、辞典を備えることであった。その志が胸を打つ。

    今では普通にある国語辞典だが、その成立にはかような時代背景から要請され、長い年月をかけて作られていたことを知ることができた。

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    2019年07月27日
  • ときどき旅びと

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    中谷宇吉郎、猪谷百合雄、広辞苑の作者新村出などを書いた名作家が旅した日本。
    特に、子から孫へと伝わる北海道の天売島・焼尻島の文化の話など、非常に興味深いです。

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    2009年10月04日