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樹齢七千年の縄文杉の下で一夜を過ごし、白山のブナ林を歩く。真冬の山里を訪ね、銀座の並木に思いを馳せ、能面師、木工師と対話する。そして、木とともにある文化、木とともにある生活、木とともにある生命とは、どういうことなのか、本書は静かに語りかける。我々が忘れかけていた木と人間との関わりを、見て、歩いて、感じて、考えた、優しさに満ちた自然論。読売文学賞受賞。
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Posted by ブクログ
屋久島の縄文杉や、白山のブナ林を訪ね歩きながら、ひとと自然とのかかわりについての著者の考えが語られている本です。 ひとと自然とのかかわり方にも文化的な蓄積があり、それを離れて生の自然に触れるということはできません。このように述べると、日本の古典文学におけるひとと自然とのかかわりのことが考えられます...続きを読むが、本書では主として近代以降のひとと自然とのかかわり方のなかに文化的な厚みを見ようとする試みがなされているように感じました。 そうした試みは、古典文学とは異なり、いまだわれわれの共有財産と呼べるほどの十分な蓄積があるわけではないのですが、なんといってもそれらは現代を生きるわれわれのすぐ足元を支えている文化であり、そのうちにいまだわれわれ自身も気づいていない豊饒な可能性を見いだそうとする著者の試みの重要性は否定できないのではないでしょうか。
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