【感想・ネタバレ】言葉の海へのレビュー

あらすじ

国語の統一こそ一国の独立の標識なのだ。日本が近代国家となるためにも、一日も早くこの辞書を完成しなければならぬ……。子を失い、妻に先立たれながら、17年間を費し、遂に明治24年、大槻文彦はわが国初の近代的国語辞書『言海』を完成させた。〈近代国家・日本〉の確立に献身した一人の明治人の姿を、激動の時代に重ね合せて感動的に描き出す。大佛次郎賞・亀井勝一郎賞受賞。

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Posted by ブクログ

高田宏 「 言葉の海へ 」 日本初の国語辞書(言海)を作った 大槻文彦 の生涯をまとめた本。言海は 国家事業としての信念、大槻一族の系譜の集大成であることがわかる

国家にとって文化とは 国家の存在条件であることを認識した。文化としての言葉、国語の整備、保存は 明治時代だけでなく、グローバル化の進む現代も重要であると思う

「一国の国語は 外に対しては 一民族たることを証し、内に対して 同胞一体の公義感覚を団結させる」

「一つの思想で国は育たない〜多様な方向により日本が育っていった」

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2018年07月31日

Posted by ブクログ

日本初の近代国語辞典を著した大槻文彦の生涯を語るノンフィクション。

幕末から明治前期への激動の時代に生きた洋学者であった著者がどのような経緯で国語辞典の完成にその生涯をささげたのか、その時代背景が良く分かる。

維新後、不平等条約改正のために躍起になって近代化を進めていた日本。その一つに自国言語の文法を整備し、辞典を備えることであった。その志が胸を打つ。

今では普通にある国語辞典だが、その成立にはかような時代背景から要請され、長い年月をかけて作られていたことを知ることができた。

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2019年07月27日

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