エリック・ヘイガーマンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
【読もうと思った理由】
シンプルなタイトルで、何について書かれているのか分かりやすく、また良い本だと聞いてたので手に取りました。脳を鍛えるために。
【感想】
正直、科学的な視点で書かれたニューロンなんちゃらの話はあまり深くは理解できなかったし、結構呼び飛ばしてしまったけれど「運動が脳に良い」ということは、かなり伝わった。また「体に良いことは脳にも良い」ということなど、改めて脳と体は一進一退であり、それぞれ良くも悪くも干渉し合う存在なんだということを学んだ。
とても良い本だったし、運動に対する見方も変わった。とにかく出来る運動から始めようと思う。まずは歩くということから。
▼以下、本文で気になった部分をメモ
---------------------------------------------
運動で爽快な気分になるのは、心臓から血液が盛んに送り出され、脳がベストの状態になるからで、運動すると、セロトニンやノルアドレナリンやドーパミン、思考や感情に関わる重要な神経伝達物質が増える
身体にいいことは、脳にもいい
運動は3つのレベルで学習を助ける
気持ちよくなり、頭がスッキリし、注意力が高まり、やる気がでてくる
新しい情報を記録する細胞レベルでの基盤としてニューロン同士の結びつきを準備し、促進する
海馬の幹細胞から新しいニューロンが成長するのを促す
30分のジョギングを、週にほんの2〜3回、それを12週間続けると、遂行機能が向上することが確認された
簡単なジョギングだけでなく、もう少し複雑な運動を取り入れた方が、より脳機能は向上する
おすすめの運動は、心血管系と脳を同時に酷使するテニスや、10分ほどの有酸素運動のあと、クライミングやバランス運動など、技術が必要な運動をすること
日常的に運動している人は、そうでない人よりも病欠で仕事を休むことがかなり少ない
運動すると体の筋肉の張力が緩むので、脳に不安をフィードバックする流れが断ち切られる。体の方が落ち着いていれば、脳は心配しにくくなるのだ。
有酸素運動は不安障害のどんな症状も大幅に和らげることを数多くの研究が示している。さらに、運動は健康な人が普段の生活で感じる不安も和らげられる。
運動が脳の衰えを防ぐだけでなく、老化にともなう細胞の衰えを逆行させるということだ
運動が身体に与える影響
・心血管系を強くする
・肥満を防ぐ
・ストレスの閾値を上げる
・気分を明るくする
・免疫系を強化する
・骨を強くする
・意欲を高める
運動のプランを立てる際には、四つの領域をカバーできるようにしよう。有酸素運動、筋力強化、バランス、柔軟性である。
基本は、220から年齢を引いた数字が理論上の最大心拍数だ。
有酸素運動
週に四日、30分から一時間、最大心拍数の60~65%で運動する。 そうすれば、体内の脂肪を燃焼し、これまでに述べてきた脳構造の変化に必要な成分をすべて作り出すことができる。ウォーキングが最適だが、友人と一緒に戸外でできればなおよい。どんな運動を選ぶにしても、長く楽しめるものにしよう。それに加えて、週に2日は、少しペースを上げて(最大心拍数の70~75%)、20分~30分運動しよう。
筋力
週に2回、ダンベルかトレーニングマシンを使った筋力トレーニングを、無理のない重さで10回から15回を1セットとして3セットする。これは骨粗しょう症の予防に非常に有効だ。ありとあらゆる有酸素運動をやっていても、筋肉と骨は年とともに衰えていく。
バランスと柔軟性
週に2回、30分程度、バランスと柔軟性を重視した運動をしてみよう。ヨガ、 ピラティス、太極拳、空手や柔道、ダンスなどには、バランスと柔軟性が求められる。
特定の運動の代わりに、バランスボールや、ボスというバランスボードを使ったトレーニングをしてもいい
運動は脳の機能を最善にする唯一にして最強の手段だということ
研究が一貫して示しているのは、体が健康になればなるほど、脳はたくましくなり、認知力の面でも、情緒の面でも、よくはたらくようになるということだ
体を快調にすれば、心もそれに従うのだろう
ウォーキング、すなわち低強度の運動と呼ぶのは、具体的には最大心拍数の55~65%での運動を指す。中強度の運動は65~75%、高強度は75~90%となる
週に6日、なんらかの有酸素運動を45分から1時間するというのが理想だろう。そのうちの4日は中強度で長めにやり、あとの2日は高強度で短めにする。体を強制的に無酸素代謝の状態にする高強度の運動が、思考や気分に影響するかどうかははっきりしないが、高強度の運動をすると、脳を作る重要な成長因子のいくつかが体から分泌されるのは確かだ。短時間で高強度の運動をするには筋力トレーニングを含んだほうがいいだろう。しかし、2日つづけて高強度の運動をやってはいけない。体と脳が成長するには、回復のための時間が必要となるからだ。わたしが提案するのは、週のうち6時間を脳のために費やすことだ。起きている時間のせいぜい5%だ。
毎日運動できればベストだが、休み休みでも運動すれば驚異的な効果がある、と結論した。運動が「毎日やるか、まったくやらないか」というものではないということを肝に銘じておいてほしい。もし数日間、あるいは1~2週間、 運動しそびれたとしても、再開した翌日には、海馬はBDNFをどんどん生産している。その様子を想像しようではないか -
Posted by ブクログ
運動と脳に関するケーススタディということで、
第1章 学習――脳細胞を育てよう
第2章 ストレス――最大の障害
第3章 不安――パニックを避ける
第4章 うつ――気分をよくする
第5章 注意欠陥障害――注意散漫から抜け出す
第6章 依存症――セルフコントロールの仕組みを再生する
第8章 ホルモンの変化――女性の脳に及ぼす影響
第9章 加齢――賢く老いる
第10章 鍛錬――脳を作る
という内容ですが、特に第9章、第10章の内容が重要だと思いました。
人間が健康に楽しく人生を過ごしていく上で、どうしても避けたい状況・状態を避ける方法について、動物実験、人間の行動分析で十二分に説明した上でのこの二章。
75歳の後期高齢者ですが、残り少ない人生を充実させるためのヒントが満載でした。
著者の執筆に際し、多数の協力者の情報提供で出来上がったこの本、値打ちがありました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2009年に発行されてから、15年になるが、こちらに書いてある内容はとても興味深いものばかりでした。運動が、身体の健康だけでなく、脳の健康にも影響しているのは、まさに関心の高いところで、やはり漠然とした将来への不安が、運動をすることによって少しでも和らげることができるのは本当にうれしい。最後まで健康でいたいと思うことは、誰もが思うことですものね。専門知識的な用語や内容もありましたが、丁寧に書いてあるので、よく理解できました。どうして、運動、特に有酸素運動が大切なのか、運動することによって私たちの脳内や体の中でどのようなことが起こっているのか・・・。例えば、うつ病、不安症など、例を挙げながらの説明。それ以外にもテーマ別に書かれていましたが、結局すべて有酸素運動が解決へと導いてくれるということですね。つまり人間も動く生き物だということ。生きていくために私たちの先祖は狩猟をしていたということが、今生きている私たちの体にも確かに根付いているということ。そう考えれば、科学の発達した便利な世の中で生活をしている私たちの頭や体の中で起こっている不具合のことが説明できるというのは何とも皮肉なもんだなぁと思いました。どんなに時代が進んでも、私たちの体がそのスピードに追いついてないってことを語っています。もちろん、今さら昔のような生活はできないけど、そういった体と脳の仕組みを知って、有酸素運動を毎日の生活に取り入れ過ごすことで、心身ともに健康に過ごせるならこんなに幸せなことはないと思います。数年前から、健康のためにとウォーキングをはじめましたが、なかなか習慣づかず、行ったりいかなかったりでしたが、どうしていいのかががわかると、モチベーションアップにつながり、以前とは違う気持ちで取り組めるようになりました。今は、ウォーキングが精いっぱい。目指せ、ジョギング!です。
-
Posted by ブクログ
有酸素運動は脳を強くする。運動することで海馬でニューロンの元になる幹細胞をたくさん作れるようになる。ニューロンの成長や誕生に欠かせない栄養因子も供給されやすくなる。
認知症、発達障害、鬱、更年期障害老化などほとんど全ての脳由来の症状が、週3日、30分の有酸素運動をすることで解決の糸口が見つかる。大事なことは心血関係を強くする。ストレスの閾値を上げる。意欲を高める。気分を明るくする。免疫系を強化する。骨粗鬆症を予防すること。運動できる体作り。
運動と言っても心拍数を上げることが狙い。最大心拍数の60〜70%を保って運動すると認識の柔軟性が向上する。有酸素運動30分。週3回を6か月でも前頭前野の皮質量が増える効果あり。
最大心拍数は220➖年齢
BDNF脳由来神経栄養因子が新たなニューロンを作る為の重要な要素。
BDNFはシナプスの近くの貯蔵庫に蓄えられ、血流が盛んになると放出される。その際には体内の多くのホルモンが召集され、そのプロセスを手助けする。
新しく生まれたニューロンはおよそ28日以内に使われなければ死んでいく。
-
Posted by ブクログ
1年前の自分に、首をふん捕まえてでも読ませてやりたい。
「仕事が忙しくてジムに行けない...」
そんなことを言いながら運動する習慣と疎遠になり、通いたいのに通えないストレスからジムのメンバーシップも解約した結果ますます塞ぎ込み、ついには適応障害と診断されて休職することになる、その前の自分に。
やるべきことに追われて運動する暇もない、そんな状況だからこそ、逆に運動は絶対に続けなくてはいけない。
体を無理やりにでも動かすことで、脳に酸素をぶち込み、脳細胞をスパークさせることで堂々巡りの思考回路に風穴を開ける。
頭を埋め尽くすやるべきことの中から、1%の本当にやりたいことを見つけ、残りの99%の無駄を斬り捨てる判断力を取り戻す。
運動すると気分良くなるからやったほうがいいよー、なんてレベルじゃない、
あなたが運動をしなければならない理由が、これでもかという科学的根拠とともに書かれている。
運動したいけどなんかキッカケがないなぁ、ともやもやしてる人にこそぜひ読んでほしい一冊です。
-----
わたしの経験では、体育は運動をするものではなく、むしろ逆に運動する気をなくさせるものだった。内気な子や不器用な子、病弱な子ーつまり、運動の効果を最も得られるはずの子どもたちーが押しのけられ、ベンチでほかの子の活躍を眺めているなんて、なんと残酷な皮肉だろう。 p.41
ここまでくれば、運動が三つのレベルで学習を助けていることは十分おわかりいただけたと思う。まず、気持ちがよくなり、頭がすっきりし、注意力が高まり、やる気が出てくる。つぎに、新しい情報を記録する細胞レベルでの基盤としてニューロンどうしの結びつきを準備し、促進する。そして三つ目に、海馬の幹細胞から新しいニューロンが成長するのを促す。 p.67
有酸素運動が神経伝達物質を増やし、成長因子を送り込む新しい血管を作り、新しい細胞を生み出す一方で、複雑な動きはネットワークを強く広くして、それらをうまく使えるようにする。動きが複雑であればあるほど、シナプスの結びつきは複雑になる。また、こうしたネットワークは運動を通して作られたものではあっても、ほかの領域に動員され、思考にも使われる。ピアノを習っている子どもが算数を習得しやすいのはそのためだ。 p.70
精神が体に影響を及ぼすように、体も精神に影響を及ぼすことができる。(中略) 闘争・逃走反応の目的が、人間を行動に駆り立てることである以上、体を動かすのはストレスの悪影響を防ぐ自然な手段なのだ。ストレスに対処するために運動するのは、人類が過去数百万年かけて進化する過程で行ってきたことだ。 p.82
運動は自発的にすることなので、そのストレスは予測できるし、コントロールできる。その点が心理上、重要な意味をもっている。自分を支配しているという感覚と自信が得られるからだ。アルコールなどの副作用のある対処法に頼らなくても、ストレスをコントロールできるとわかっていれば、気持ちの切り替えがうまくなる。まず学ぶべきなのは、自分の対応力を信じることだ。 p.101
微小細胞レベルから心理レベルまで、運動は慢性ストレスの悪影響を退けるだけではない。悪影響を逆転させることができるのだ。複数の研究により、慢性のストレスにさらされているラットを運動させると、縮んでいた海馬が元の大きさに回復することがわかっている。運動が人間の思考や感情を変化させる仕組みは、ドーナツや薬やワインよりよほど効果的だ。 p.101
彼女は走ったあとは不安が軽くなることを自覚していたが、「忙しすぎて運動をやっている暇はないんです」と言った。わたしは、「逆に、無理にでも時間を作って運動するようになれば、そうした焦りは消えるから大丈夫ですよ」と諭した。 p.123
運動がすぐれているのは、日常で感じる不安に対しても、病的な不安に対しても、体と脳の両方に効果があるところだ。 p.135
不安はコントロールでき、パニックは防げるということを運動を通して学べる。それを心理学用語では自己把握といい、その力を強めていけば、不安な感情や、不安が高じて発症するうつ病に対して強力な予防策となる。意識的に自分のための行動をとるようにしていけば、自分にはそうする力があることに気づき始める。それを繰り返せば、大きな効果が期待できる。 p.138
抗不安剤と運動を併用する場合と、薬だけを用いる治療には大きな違いがある。ベンゾジアゼピンのような薬ーあるいは、自己流で治療している人にとってはアルコールーは、不安をすぐに鎮めてくれるが、それを飲んでいても恐怖に対して別の反応ができるようにはならない。不安障害の人は往々にして、自分が人生になにを望んでいるのか、なにを選ぶべきかを考えることができない。実際、慢性的に不安を抱える人の大半が望むのは、不安になりたくないということだけだ。運動は、彼らがなにかに"向かって"動くことを後押しする。 p.139
眠れないのなら、毎朝、夜明けとともに散歩に出よう。犬を散歩させ、生活リズムを変えよう。うつに背を向けて走るのだ。人生がかかっている覚悟で、一四〇〇キロカロリーを燃焼させ、問題を根から摘みとろう。 p.177
運動に即効性はないが、なんとしても、脳をふたたび作動させなければならない。体が動き始めたら脳も動かざるを得なくなる。これは段階的に進めていくものであり、最善の戦略はともかく最初の一歩を踏み出し、さらに大きな一歩を踏み出すことだ。最初はゆっくりと始め、積み重ねていこう。うつとは、本質的には、なにに対しても動こうとしない状態だ。運動はこの否定的な信号を反転させ、脳を騙して冬眠から目覚めさせるのだ。 p.177
ほとんどの依存症者は、これまで自分が人生をどれほど損なってきたかを考え出すと、自分にはなにもコントロールできないと思うようになり、ましてや自制して依存を断つことはとてもできそうにないように思えてくる。しかし運動は、依存症者のそのような低い自己評価に強い影響を及ぼす。体を動かし、主体的に新たな目的に挑戦し、それを達成できれば、自分をコントロールできるという自信が生まれ、それは生活のほかの面にも広がっていくのだ。 p.237
必要な運動量は、当然ながら依存の深刻度によって異なるが、依存を完全に断ちたいのであれば、週に五日、三〇分のハードな有酸素運動というのが最低ラインだ。できれば毎日、体を動かした方がいい。運動は前向きなことに目を向けさせ、心を埋めてくれるからだ。 p.239
孤独と運動不足は、細胞の死のスパイラルをさらに助長し、脳を萎縮させる。 p.281
わたしが望むのは、本書で述べてきたことすべてがあなたを勇気づけ、あなたがテレビのリモコンのかわりにジム用のバッグを握り、スポーツを観戦する側ではなくフィールドに立つ側になってくれることだ。 p.337
-
Posted by ブクログ
1冊の本との出会いで、人生が変わるということがもし本当にあるのであれば、この本であってほしいと思い、病気で悩む友人に贈りました。
うつ病、 ADHD、不安、ストレス、依存症。いずれも、脳の神経の機能不全によるが、これらは、運動によって改善しうる。
というのも、運動によって、脳の配線を作り直すことができるからだ。
運動には、
・免疫機能を強化、大幅に改善し、病気や癌に対 する抵抗力を上げる
・海馬の萎縮を予防し、記憶力を向上させる
・神経伝達物質であるドーパミンとノルアドレナリン、セロトニンが増え、日々の生活に活力が出す
・うつや認知症を導く、コルチゾールによる腐食を抑える
効力がある。
やる気が出るから体が動くのではない、体が動くからやる気が出るのだということをわからせてくれる。