誰にでもありそうな日常、少しの非日常が、丁寧かつ重くなり過ぎないように描かれている。
『ささめきこと』をずっと追ってきたので絵柄に少し抵抗があったのだが、たまに入るコミカルなタッチでやはりいけだたかし氏だなと感じた。
それぞれの作品の読後感はさびしくもあり温かくもある。主人公格の年齢がやや高め(主婦多し)で感情移入しがたいかとも思ったが、雰囲気を伝える巧みさのおかげで不思議と読めた。
空気の描写が巧い。
おっさんになって、登場人物と同じくらいの年齢になった時にまた読んだらどう感じるのだろうか。それまではずっと取っておきたい作品だ。