がまくら市という架空の町を舞台に、様々な事件に遭遇する作品集です。
5つのお話が収録されておりますが、どれもとても興味深い内容でした。
1.弓投げの崖を見てはいけない
5年目の結婚記念日のプレゼントを買いに行った帰りに若者たちの不注意で事故に遭い、しかも証拠を消す為に殺そうとするなんて…。
犯人た
...続きを読むちへの憤りとともに、このお話に一気に引き込まれました。
しかし登場人物のうち3人が物を持ったまま走る描写があり、最後に車で跳ねられた人物の手に持っていたものが飛んでいくシーンがありましたが、具体的に誰かは書かれておらず…。
結末を読者に委ねる展開はあまり好きではなかったのですが、あとがきを読んでびっくり、よく読めば誰が跳ねられたのか分かるそうです。時間がある時にまた読み返してみます。
2.浜田青年ホントスカ
一番短いお話でしたが、実は一番心に残りました。
この短さの中で読者を驚かせる展開が書けるのは流石だと思いました。
最後はやはり、殺さずに一緒にいる選択を選んだのでしょうか…?
3.不可能犯罪係自身の事件
王道の推理モノのような雰囲気を醸し出していながら、予想外のトリックが使われたので驚きました。実際に2部屋を使って行うとするとかなり大変そうな気が…。
4.大黒天
あくまでこの5作品の中では、日常に近いというか、一番平和なお話だったと思います。
非日常の世界を3連続で読んできたので、あまり共感が得られないかもしれませんが、何故だかすごくほっとしました。
5.Gカップ・フェイント
スポーツにはほとんど興味がないのですが、この事件の推理をするのは面白かったです。結末は意外と単純でしたが、『不可能犯罪係自身の事件』よりもトリックに納得がいったというか、腑に落ちました。