鈴森康一のレビュー一覧

  • いいかげんなロボット: ソフトロボットが創るしなやかな未来

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    なんたって発想が面白い。ロボットと言えば、冷たく無機質、機械的、正確、厳密、杓子定規……なはずなのに、その逆の、いいかげんなロボットを作ろうというのだから。
    よく言えば、融通のきくロボット、臨機応変なロボット、アバウトなロボット、しなやかなロボット。みなひっくるめて「ソフトロボット」と言うらしい。体がいいかげん、動きがいいかげん、知能もいいかげん。ミスやエラーもするけど、それによって学習もする。柔軟性が持ち味。
    自由度の話とか、劣駆動の話とか、犬の散歩モデルの話とか、4Dプリンティングの話とか、個々のトピックが面白い。そしてソフトロボット学の最前線の研究(とくに日本の研究)もたくさん紹介されて

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    2025年05月08日
  • ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか 工学に立ちはだかる「究極の力学構造」

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    ネタバレ

    ロボットに携わるエンジニアには非常に興味深い内容。似せることから始まったロボット研究。その構造は力学的と幾何学の制約に支配され、結局は生物と同じような機構をとらざるを得ない。しかし・・・。生物、つまり神がつくったものを真似るのではなく、それを超えることができることに気付く。例えばモータの存在。生物がもっていない(バクテリアの鞭毛モータがあるが)回転機構は、例えばジェットエンジンの様に生物の力を超えるものができる。生物は38億年の歴史の中で進化し現在の機構に変化してきたが、四肢系と六肢系に分かれた以降はマイナーチェンジである。材料も細胞分裂という現地生産が基本のため、不安定な材料を使わざるを得な

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    2017年10月09日
  • ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか 工学に立ちはだかる「究極の力学構造」

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    科学者が一生懸命知恵を絞って考えたロボットの構造が、実は既に生物に備わっていたという例が元文系の私にも分かりやすい言葉で書かれてて面白く読めました。

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    2015年09月08日
  • ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか 工学に立ちはだかる「究極の力学構造」

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    神様が作ったロボットである生物と、人間の設計者が作ったロボットの
    類似点、相違点をまとめている。ドラえもんの手のような機械など、コンプライアンスの高い機械はワクワクする。ロボットについて学べると同時に人体の仕組みも学べ、そちらにも興味がわいてくる。

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    2013年01月01日
  • ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか 工学に立ちはだかる「究極の力学構造」

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    著名なロボット工学者の鈴森康一先生の著書。鈴森さんの研究は25年以上前に一度学会で聞いて大変面白いものだと思い、その後はたまに論文を読む程度だったが、現在私が進めている競走馬のことにも触れていて興味深い。発想を転換する、なぜそのようなメカニズムになっているのか?の根本的な理由を考える、ということにおいてとてもためになった、

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    2020年05月05日
  • アクチュエータ工学入門 「動き」と「力」を生み出す驚異のメカニズム

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    アクチュエータがなんぞやが多くの実例を通してわかる。機能別にカテゴリー分けされ動作原理の概要が書かれている。後半になる程微細で見たこともなく想像することが難しい。しかし、最後まで興味を持って読めた。

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    2015年03月10日
  • ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか 工学に立ちはだかる「究極の力学構造」

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    切り口がよく、非常に理解しやすい内容でよかった。専門外の人でもすんなりと頭に入ると思う。ロボットのメカニックな視点ではなく、生物との対比で話がずっとすすむという説明は今までに見聞したことがなく、より入り込めたのかもしれない。ご愛嬌文も若干あり、はずしている?かもしれないものの、2時間程度で読めて、しかもさわりを味わえる本としてお薦めしたい。
     骨が圧電アクチュエータ的であるということは知らなかった・・・。

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    2012年06月23日
  • ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか 工学に立ちはだかる「究極の力学構造」

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    ロボットと生物がなぜどう似ているのか、力学的、幾何学的に簡潔に解説されている。工学的技術的な解説も多く含まれるが、生物の形や動作は日常の知識や体感でわかるので、その辺りの分野に詳しくなくても読みやすい。特に、似ていない点(なぜ生物には車輪構造がないのか等)に関しては、類似点に比べ話題になりにくい点でもあり、新鮮で興味深かった。脱線するが、J・P・ホーガンの「内なる宇宙」を読み返してみたくなった。

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    2019年03月01日
  • ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか 工学に立ちはだかる「究極の力学構造」

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    生き物に似てしまうロボット
     力学と幾何学の制約
     力学・・・サイズと強度(大きさが増えると断面積は2乗倍、重量は3乗倍)、歩く時の重心(支持多角形の内側に重心を納める動き)
     幾何学・・・関節の自由度、人間の関節の冗長度
      腕の先端を決めるのに3次元+先端の向きを決めるのに3次元でつごう6次元がマジックナンバー。人間は1次元多いので腕の先端の位置を変えずに肘を動かしたり出来る。
     筋肉がモーターで腱がワイヤー

    ロボットに真似させたい生き物の特徴
     筋肉・・・出力高い、やわらかい動き  ロボットは電磁モーターか空力が多い。
     微細構造・・・構造色とか、水を撥ねたり
     やわらかい動き、コンプ

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    2018年11月05日
  • ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか 工学に立ちはだかる「究極の力学構造」

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    生体模倣についてロボット分野の視点からまとめた本.生物の例を挙げて比較しているが,「どうしても似てしまう」という帰結へは,そこまで説得力はない.

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    2013年08月19日
  • ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか 工学に立ちはだかる「究極の力学構造」

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     宇宙戦艦ヤマトの世代の私にとってガンダムシリーズになどにみられるヒト型ロボットはなぜか胡散臭く感じられたことがあった。今はそれほど思わないが、かつて戦艦や戦闘機などの兵器は人間とは別の形状であるべきであると考えていたのである。それは人間のようなやわな存在と宇宙での戦闘という関係が、たとえファンタジーであったとしても結びつかないからだった。
     しかし、ある時からその考えが変わってきた。人間が自分の思っていることを直接に実行するためのインターフェイスはやはり自分の身体の延長としての道具ではないかと考えるようになったのである。自在に動かせる鋼鉄の腕や脚があれば、転換するのに時間がかかる戦艦や戦車よ

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    2012年07月16日
  • ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか 工学に立ちはだかる「究極の力学構造」

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    神が作った生き物のメカニズムは凄く、人間が考えて考えて作ったロボットやメカが期せずして似てしまう。著者は生き物の構造をここまで進化させた自然の凄さの礼賛しているが、ロボットで神、自然をも超えたものを作ってやろうという心意気が良かった。

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    2012年07月12日