鈴森康一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんたって発想が面白い。ロボットと言えば、冷たく無機質、機械的、正確、厳密、杓子定規……なはずなのに、その逆の、いいかげんなロボットを作ろうというのだから。
よく言えば、融通のきくロボット、臨機応変なロボット、アバウトなロボット、しなやかなロボット。みなひっくるめて「ソフトロボット」と言うらしい。体がいいかげん、動きがいいかげん、知能もいいかげん。ミスやエラーもするけど、それによって学習もする。柔軟性が持ち味。
自由度の話とか、劣駆動の話とか、犬の散歩モデルの話とか、4Dプリンティングの話とか、個々のトピックが面白い。そしてソフトロボット学の最前線の研究(とくに日本の研究)もたくさん紹介されて -
Posted by ブクログ
ネタバレロボットに携わるエンジニアには非常に興味深い内容。似せることから始まったロボット研究。その構造は力学的と幾何学の制約に支配され、結局は生物と同じような機構をとらざるを得ない。しかし・・・。生物、つまり神がつくったものを真似るのではなく、それを超えることができることに気付く。例えばモータの存在。生物がもっていない(バクテリアの鞭毛モータがあるが)回転機構は、例えばジェットエンジンの様に生物の力を超えるものができる。生物は38億年の歴史の中で進化し現在の機構に変化してきたが、四肢系と六肢系に分かれた以降はマイナーチェンジである。材料も細胞分裂という現地生産が基本のため、不安定な材料を使わざるを得な
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Posted by ブクログ
生き物に似てしまうロボット
力学と幾何学の制約
力学・・・サイズと強度(大きさが増えると断面積は2乗倍、重量は3乗倍)、歩く時の重心(支持多角形の内側に重心を納める動き)
幾何学・・・関節の自由度、人間の関節の冗長度
腕の先端を決めるのに3次元+先端の向きを決めるのに3次元でつごう6次元がマジックナンバー。人間は1次元多いので腕の先端の位置を変えずに肘を動かしたり出来る。
筋肉がモーターで腱がワイヤー
ロボットに真似させたい生き物の特徴
筋肉・・・出力高い、やわらかい動き ロボットは電磁モーターか空力が多い。
微細構造・・・構造色とか、水を撥ねたり
やわらかい動き、コンプ -
Posted by ブクログ
宇宙戦艦ヤマトの世代の私にとってガンダムシリーズになどにみられるヒト型ロボットはなぜか胡散臭く感じられたことがあった。今はそれほど思わないが、かつて戦艦や戦闘機などの兵器は人間とは別の形状であるべきであると考えていたのである。それは人間のようなやわな存在と宇宙での戦闘という関係が、たとえファンタジーであったとしても結びつかないからだった。
しかし、ある時からその考えが変わってきた。人間が自分の思っていることを直接に実行するためのインターフェイスはやはり自分の身体の延長としての道具ではないかと考えるようになったのである。自在に動かせる鋼鉄の腕や脚があれば、転換するのに時間がかかる戦艦や戦車よ