古川愛哲のレビュー一覧

  • 悪代官は実はヒーローだった江戸の歴史

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    タイトルからわかるように実在の代官は悪代官どころか権力は小さくいちいち幕府にお伺いを立てないと、飢饉の救済などの緊急行動もとれなかったという。幕府にお伺いを立てるにしても通信手段が自ら赴くくらいしかなく、しかも陳情どおりの許可が下りず中間管理職の悲哀をかんじさせるようなことばかり。その中でも幕府の許可を待たず、あるいはうまく説得をして減税(年貢を減額)や開墾、移住促進策をとり赴任地を活性化させた例も多い。
    直接関係ないが江戸時代の「打ちこわし」は豪商や役所の家屋敷は破壊するものの、物資略奪や住人への暴行は一切行わなかったという点。それに反すると打ちこわしの参加者からシメられるという実に「誠に丁

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    2025年10月11日
  • 悪代官は実はヒーローだった江戸の歴史

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    江戸時代を描いたドラマでも小説でも漫画でも悪者の代名詞として使われてしまう悪代官。
    しかしこの本を読むと代官への認識が180度変わるだろう。
    薄給で多忙ですすんでなりたがる人の殆どいない中間管理職。
    困窮した領民の為に私財を投げうったり切腹覚悟で行動を起こしたりした代官のなんと多いことか。
    それなのに現在はやたらと町奉行が英雄視され代官は悪いことをするという認識がまかり通っている。
    演出と史実を混同してしまうのも悪いといえば悪いが、名代官を主役にしたものがなさすぎるのもどうかと思う。

    読めばわかるが、史実にのっとった名奉行は殆どおらず名代官の多さにびっくり。 
    そして時代が下がるにつれての町

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    2018年10月28日
  • 悪代官は実はヒーローだった江戸の歴史

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    江戸時代の「代官」の仕事ぶりについて、史料から明らかにしようとしている本。代官とは、天領(幕府領)の政務を取り仕切る多忙な役人であり、下級の旗本が務めることが多かったらしい。すなわち、現場の最前線で実務を指揮統括する立場であり、苦労が多いのに実入りが少なく、割に合わないポジションであったことは、現代とそれほど事情は変わらない。本書によると、災害や飢饉で困窮した民を救った結果、借金を返せなくなって切腹した代官は枚挙に暇がない。また、部下の役人が悪事を働くと、民衆はすぐに江戸に直訴に行き、代官は監督責任を問われ罷免されてしまう。3代続いた代官はいないとも言われるほど、代官の職は過酷であった。江戸時

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    2015年01月25日
  • 江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた サムライと庶民365日の真実

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    ネタバレ

    チェック項目18箇所。明治政府は「反逆」「反抗」「革命」「無頼」「刀」「剣戟」などを過敏といえるほど嫌い、禁圧しました、三百年近い徳川幕府を倒して明治維新政権を樹立したのですが、それだけに「反逆」「反抗」「革命」「無頼」「刀」の力を恐れました、武士の行動原理と文化を極端に否定したのです。明治4年(1871)には「散髪脱刀令」を発して、髷を落とし、帯刀の習慣をなくそうと試みています、また明治9年(1876)には「廃刀令」を公布して、軍人、警官以外の帯刀を全面禁止しました。明治の後半まで「江戸の世が懐かしい」とでもいえば、危険思想の持ち主とされたのです、時代小説、時代劇が作られる頃は、明治生まれの

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    2013年01月15日
  • 江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた サムライと庶民365日の真実

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    ネタバレ

     企業でTOEIC何点以上を取らないと…などと言ってバイリンガル養成に躍起になっている。江戸時代にもバイリンガルが重宝されていたとあって驚いた。どうしてかというと、現代のように標準語を使った国語教育がなされていなかったので、意思の疎通を図るのに苦労した。方言が理解できる江戸っ子は儲かったそうだ。

     男たちが浮世絵好きだった理由が意外なところにあって、驚いた。江戸時代の人のエロティシズムは、現代とはかなり異なっていたとあり、「女性の表情、足の指先の表現、波うつ着物が女性の肉体の震えを表現し、流れる着物の裾がとろけるような交合の快美を物語る」のがよかったとある。見えないだけに萌え方が現代とは相当

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    2012年12月20日
  • 九代将軍は女だった! 平成になって覆された江戸の歴史

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    思わず題名にひかれて手に取った本。面白い!惜しいのは、骨の検証をさせてもらえないこと。

    ところで、最近期待しているのが「大奥」。よしながふみさん、これ読んでるんじゃないかと。そしたら、もちろん吉宗の後は男の将軍か!あ〜、楽しみ〜。

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    2010年09月19日
  • 地名と歴史から探る江戸

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    東京の地名にまつわる蘊蓄がたくさんで単純に楽しめて、散歩が楽しくなりそう。
    と同時に、自分が知らなかっただけでどんな場所にも歴史の積み重ねがあって、人間の業ってすごいとも思った。

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    2022年03月06日
  • 九代将軍は女だった! 平成になって覆された江戸の歴史

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    教科書や歴史ドラマでは見られない、江戸の歴史。

    てっきり、表題について、じっくり突っ込んだお話かと思って読み進めていたんだが、全部で5章あって、第1章だけがその内容であった。

    まぁ、それなりに面白いお話で、話のネタ本としては良かったのだが、展開についていけなかったところ(第2章以降も第1章に関連したお話かと思いながら読み進んでしまったなど)がいくつかあって残念であった。

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    2021年03月17日
  • 江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた サムライと庶民365日の真実

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    タイトルに即した内容って、結局ちゃんばらの由来とか、限られた部分だけだった気はするけど、それはさておき内容としては、なかなかに興味深いものも多かった。生類憐みの令の解釈とか、老中と大奥の関係性とか、教科書とは違った観点も味わえたし。総評としては、期待以上でも以下でもない感じでした。

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    2014年02月26日
  • 江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた サムライと庶民365日の真実

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    江戸時代というと、チャンバラ映画や士農工商といった身分制度のひどい時代と思われるが、それは対抗する明治政府が作った虚像にすぎない。200年以上続いた平和な時代は徳川政府によって作られたもの、日本の歴史の中で一番長く続いたことは伊達ではないはずです。

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    2013年10月18日
  • 悪代官は実はヒーローだった江戸の歴史

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    ネタバレ

    チェック項目8箇所。代官が誤解されているのは、江戸時代の農民が知られていないことにも由来する、江戸時代の農民たちは非常にしたたかであり、むしろ代官のほうがよっぽど苦労した。江戸時代、私領(大名領、旗本領)でも幕領でも、年貢は「五公五民」が基本だった。島原・天草一揆こそ、江戸時代の最初で最後の一揆だった、「信達騒動記」……「このたびの騒動、寛永の頃、天草四郎や由井正雪の類の一揆とは違い、強訴なので、て道具を持たないことはもちろん……」、一揆は武器を持って戦うが、強訴は戦わないので武器は持たない、信達騒動は大規模な百姓一揆のように見えるが、武器を持たないので一揆ではない。五代将軍綱吉の時代に、51

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    2013年01月15日
  • 江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた サムライと庶民365日の真実

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    題名が長い!

    小飼弾氏によると題名は短ければ短いほど良い本の可能性が高いそうですが、これは面白かった。この本は「イメージの江戸時代」から「本当の江戸時代」へと転換を図るのを目的としていて、江戸の風俗や生活がかなり事細かに、面白おかしく書かれています。

    面白かったのは江戸時代の包茎を表す言葉が「越前」だったということ。参勤交代で従者が抱える槍の穂先が袋に入っていたから……らしい。なんというか、洒落と言葉遊びが江戸の良さだなと思います。あと、下級武士や庶民の人妻では売春が超盛んだったとか、町の火消しが経済対策のために放火をしていたとか、ビックリするような話がこれでもかと出てきます。

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    2012年04月11日
  • 江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた サムライと庶民365日の真実

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    なんだか下ネタ満タンで、堅い本かと身構えたら、そんなこと無かった。上等の大名屋敷の糞尿の話を聞くと、時代劇を見る目が変わるね

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    2012年01月23日
  • 江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた サムライと庶民365日の真実

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    江戸時代考証本。へえーへえー!と言いながら読んだ。結構知らない事が書いてあって面白かった。ただこれは江戸時代全体の事が書いてあるので幕末には当てはまらない事も多い。
    私としては引用文献が本文に付いてたら良かったなと。

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    2011年08月30日
  • 悪代官は実はヒーローだった江戸の歴史

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    正直『代官』という役職が一体何をしているのか知らなかったし、あまり興味もなかったのですが…まさしくヒーロー!!
    弱きを助け、高級官僚には意見する!
    辛い仕事だけど、人の生き死にが関わるから妥協はしない!

    …な、なんて素晴らしいんだ…!こんな名代官たちがいたなんて!

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    2011年02月19日
  • 「茶柱が立った」と聞いて、江戸の旦那は腰を抜かす 言葉で読み解く日本の歴史と庶民の暮らし

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    この本を読むと、私たちが日常何気なく使っている言葉は、その本来の意味や語源を知らないで使っていることに気づく。何気なく使っている言葉がちょっとエッチな意味を持っていることもある。私としては大好きな女優の羽田美智子さんに「わー、茶柱が立ってる! うれしーい」などと言ってもらえるとたいへん嬉しい。そのわけはこの本を読んでいただければ解ります。

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    2011年01月10日
  • 江戸の歴史は隠れキリシタンによって作られた

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    戦国大名がやがてキリシタン大名となり
    その精神が禁制のもと近世以降の日本人広がっていく。
    あっそうかと、ふと気になっていたことが妙に繋がっていく。
    面白かったのが近松門左衛門のお話。
    心中ものに仏教観を感じられず、しっくりこなかった事に
    やはり何かあったのか、、、。
    実際私に検証する能力がないが、非常に興味深い本です。

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    2009年12月28日
  • 九代将軍は女だった! 平成になって覆された江戸の歴史

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    結構有名な話ですよね。九代将軍女性説。
    で、たまたま本屋で見掛けたので買ってみました。
    九代だけでなく初代や三代、他の話も載っていて面白く読めました。

    史料とか、裏読みすると色々出てくるもんなあ…。
    突付いてみたい場所が、増えた気がしました。

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    2009年10月04日
  • 歪められた江戸時代

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    文化というのは教科書に載らないような俗っぽいところから産まれたりするので、そういうのを赤裸々に知れたのは良かった。

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    2025年08月29日
  • 悪代官は実はヒーローだった江戸の歴史

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    テレビの時代劇に出てくる代官さんは悪代官が多いけれど、実際の江戸時代の代官さんは今の一般国家公務員同様苦労多くて益が少なく、実直で優秀な実務家が多かったという。
    むしろテレビでは良い人の「遠山の金さん」のモデルの遠山金四郎さんは天保の改革で芝居小屋を閉鎖しようとした幕府に反対したことで歌舞伎役者の支持を得たからイケメン有能奉行として芝居になっただけで実際は見た目も能力も微妙な方だったらしい。
    この本を読んで実際の歴史とTVで知っている話は全然違ったりするのだな…と思いました。メディアの影響って大きいね。

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    2021年01月26日