清川幸美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ発想を実際に事業化するためのツールが記された本。
イノベーションの定義等、MBAで学んだ概念と少しずれがあり、若干もやもや違和感。
メモ
・イノベーションへの4プロセス
機会を定義する define
アイデアを発見する discover
設計を作り上げる develop
イノベーションを証明する demonstrate
・イノベーションの分類
製品イノベーション
プロセスイノベーション
ビジネスモデルイノベーション
・ビジネスモデルイノベーションの対象構成要素
顧客、顧客経験、流通チャネル、ブランド戦略、収益源、中核商品、補助商品、中核的プロセスと資源、実現プロセスと資源、価値創造パートナー、コスト構造
・機会を定義する。実行可能なイノベーションの機会を作り出す。機会定義されればプロジェクトの範囲を定め、明確化できる。
・jobs to be done 機能的側面と感情的側面、後者には個人的次元と社会的次元がある。
これをより本質的な高次元のものにあげることで新たなヒントが見出せる
・ジョブマッピング。ジョブを8つの行動に分解し、ジョブのために節目節目で何が行われているかを見出す。
定義する、探し出す、準備する、確認する、実行する、監視する、修正する、完了させる。各段階で想定される課題を機会として特定し、アイデア出しにつなげていく。
・結果期待。 JTBDを定義した後、結果が望ましい、望ましくない、顧客、ソリューションの2軸でJTBDに対する結果期待を洗い出していく。
・シナリオプランニングは変化に伴うリスクを認識しつつ、変化について深く考えるための一般的な指針。
シナリオから意味することを読み取り、行動計画を策定する。
・発見的再定義。システムの全体像を部分像を描いてアイデア発想の焦点を絞る。
システム要素とJTBDの関係を特定して名前をつける。
・9つの窓。9つの異なるレンズを通して機会をみる。時間の過去現在未来と規模の上中下で要素を整理して、イノベーションの機会を検討する。
・プロジェクトチャーター。チームの集中を保ち、軌道からそれないようにするもの。プロジェクトの背景や目的、実行計画などを明確に定義する文書。
プロジェクトの名称、種類、リーダー、イノベーション擁護者、方法、イノベーションの程度。ビジネスケースでビジネスの理由や全社戦略との生合成を述べる。ジョブステートメントで片付けるべきジョブを状況対象動詞でシンプルに表現する。顧客を特定する。満たされない結果期待を述べる、状況行動対象尺度方向を用いる。競合するソリューション、検証すべき想定対象、財務への影響、マイルストーンとタイムライン、プロジェクトへの投資額、チーム。
・アイデアを発見する。ギャップを埋める現実的なアイデアを考案すること。潜在的なブレインパワーを活用して創造プロセスを加速させる。
・資源の最適化。利用できる資源は全て使う。物質資源、時間資源、情報資源、場の資源、空間資源、機能資源。分析した資源からアイデアを導く
・機能分析。システムを詳細に調べる。機能モデル(機能図)を作成する。主要な機能を一覧にし、その機能と望ましい望ましくないを整理する。そしてその機能が必要かどうかを考え、自分でできないか?他の資源でできないか?といったことを考えつつ、トリミングの候補を探し、アイデアを形作っていく。
・クリエイティブチャレンジ。ERAの観点からアイデアを模索する。Eliminate取り除く。Reason理由は何か。Alternative現在の代替手段はあるか。
・コンセプトツリー。ジョブを特定した上で、アイデアをリストアップする。そして、そのアイデアについてのコンセプトをあぶり出す。その上でコンセプトについて再度アイデア出しを行い、またコンセプトを・・と繰り返しつつアイデアを発散させていく方法。
・挑発して動かす。今の現実を言語化し、それに対して挑発的な思考を当てていく。否定、逆転、誇張、夢。
・強制連想法。他業界のソリューションに注目する。問題を特定し、中核的機能を抽象化し、他業界のソリューションをあて、適用可能性を模索する。
・設計を作り上げる。アイデアを実行可能なモデルに変えていくこと。
・片付けるべきジョブと結果期待を決定し、機能要件に変換する。
それをさらに設計パラメータに変換し、プロセス変数へのマッピングを行う、。
・イノベーションを証明する。新しいソリューションの実行可能性を高め、試し、立証する。
・SIPOCマップ supplier input process output custmerはプロセスマップ。イノベーション製品の生産と顧客への提供を計画するかについて理解を共有する必要があるときに用いる。
・コンジョイント分析。属性の最善の組合せを決定するのに用いる。 -
Posted by ブクログ
マーティン・ルーサー・キング、マハトマ・ガンジー、チャーチルといった有名な演説だけではなく、ビンラディン、死刑囚などの演説。ブッシュやサッチャーの戦争を正当化する演説。などなど、よくも悪くも、現在の世界を形成してきたインパクトのある演説を21本収録している。
もちろん、演説だけでなく、解説もとても明快である。
たまたま、この本で、ビンラディンの演説を読んだ翌日に米軍がビンラディンを殺害したという報道を接する事になり、とても複雑な感じがした。
とうのは、ビンラディンの演説を読むと、そこには、ある種の正義、納得性があるのだ。
そして、そべての演説、例えば、人種差別的な移民排除の演説であれ、戦争を擁護する演説であれ、どれも説得力があるのだ。
言葉のパワーを再認識した。
言葉は無力なものに思われるかもしれないが、言葉はやはり世界を形成しているのだ。
と思うと、日本におけるリーダーの言説のレベルの低さにどっと疲れを感じてしまう。
が、こうした言葉のレベルの低さというものが、やはり現在の日本を形成しているものだと思う。
謙遜や他人への配慮で、何を言っているのか分からない言説を見直して、もっと自分の考えをストレートに語るということが大切だなー、と思った。
もちろん、強い言葉を使うときの責任、リスクを踏まえながら。。。。 -
Posted by ブクログ
現代には国際的な援助プロジェクトがさまざまに林立していて、それぞれが支援を求めています。ただ、営利団体と違って、こういった団体・プログラムが自らに課している評価や検証は甘いケースが多いので、その援助が実際に貧困層にどのような影響を与えるのか、投資対効果はどうか、持続可能なものなのか、そういったことを精査し続ける必要性を強く訴えた1冊。
医療の分野でよく使用されているRCT(ランダム化比較実験)の手法を用いて、支援をしたグループと何もしていないグループを比較することで効果測定します。「こうすれば、きっとこういう効果が得られるから投資しよう」という安易な”善意”ではなく、現実世界できちんと実験して効果測定することの大切さをひしひしと感じました。本書は全体を通して、このRCTのさまざまな事例を紹介してくれています。
寄付というのは投票行動でもあるので、われわれも安易に寄付するのではなく、その団体・プログラムがどういうものであるか理解したうえで寄付するという責任があるのだなとも感じました。
開発経済学という今世界で非常に脚光を浴びている学問分野を、とてもわかりやすく、読みやすくまとめてくれている。語り口もとても軽妙で痛快。こういう入門書が他の分野にもあればよいのに、と思うくらいの良書でした。 -
Posted by ブクログ
「こんなもん、たかが詞じゃねぇか」と言ったミュージシャンがいた。そう、
言葉なんて「たかが言葉」なのである。
でも、その言葉は人に行動を促したり、考える機会を与えたり、いい方向
にも悪い方向にも力を授けたりする。
アメリカの公民権運動に尽力したマーティン・ルーサー・キングの「私には
夢があります」の一節を含んだ有名な演説を始め、21の演説を取り上げ
ている。
有名なものばかりではない。18歳の時に犯した罪の為、電気椅子に
送られることになったアメリカの死刑囚の最期の言葉は死刑制度を
再考するテキストでもある。
どれもが読み手の心に何かを残す演説である。勿論、疑問に思う内容の
ものもあるが、特に印象に残った演説がふたつある。
第26代のオーストラリア首相だったケビン・ラッドが、先住民族の子供たち
を家族から引き離す政策に対して詫びた「盗まれた世代への謝罪」。もう
ひとつはロンドン地下鉄・バス爆破テロで息子を失った「この子がアントニー
です」で始まる、母親のスピーチ。
そのスピーチからの一節を。
「罪もなく流された血は、いつも全能の神に報いを求めます。どれだけの血が
流れなければならないのでしょう。私たちはどれだけ涙を流さなければならな
いのでしょう。いったい何人の母親の心が引き裂かれなければならないので
しょう。」
人間は異なった考え方に拒絶反応を示しがちである。しかし、相手を信頼し
受け入れることで違った方向に向かうこともある。その助けになるのが、
言葉なのかもしれない。
たかが言葉、されど言葉。言葉に込められた信念を、思想を、理解する努力を
すれば少しは争いがなくなるのだろうか。 -
Posted by ブクログ
行動経済学の見地から途上国の貧困問題を取り扱っている一般人向けの入門書。難解な式はなく、事例が豊富で分かりやすい。タイトル以上に経済学。各分野の言及もあるけど、とくにマイクロファイナンスが多かった。「人間は理性的」から出発しない行動経済学は面白そう。
澤田教授の解説も分かりやすい。日本のODAについても触れてくれている。彼によると、日本は保健教育で寄生虫対策をしているとのこと。現場で実績があるのですね。
全編を通して、援助の効果を測ろうと訴えている。「大事なのは貧しい人たちの役立つようになったかどうか。貧困問題で本当に前進したいのなら、定量化可能な実証済みの方法で改善し、その改善を同じ手順を踏んでさらに改善するというやり方に慣れなければならない(147p)」完全に是。
「うまく機能しているシステムを見るだけではそこに投入されているどれか1つの要素だけの効果を抽出することはたいてい不可能。できることは現場で試すこと。一度に1つか2つちょっと足したり変えたりして機能させるものを探す。p246」ことしかできないのだと思う。その心構えは援助に関わる人は持ってないといけない。
以下、引用。
53
開発解決策の場合、売り込む必要があるとは考えないで、中身さえ価値があれば採用されると思っていることが多い。参加することを選択してもらう必要がある。
64
マーケティングは効き目があるということを知っていることと、マーケティングのキャンペーンのどういうことに効き目があるのかを知っていることは違う。
補足:何を強調すべきかは対象によって異なる
168
25億人以上はおかねを貯めるのにも借りるのにもフォーマルな金融サービスを使っていない。
225
行動経済学的発想
人はインセンティブの金額だけに反応して選択するのではなく、タイミングにも左右される。家庭での意思決定のタイミングの重要性を利用してちょっと改善するだけで、大きな効果を挙げられる
231
学校の欠席率と寄生虫感染率が高いところでは、学校単位の寄生虫駆除は出席率を上げる推進力になり得る。
264
貧しい人たちの中には変化に手が届きそうなところまできている数え切れないほどの人がいる。真剣に生活を向上させたいと願い、そのためにはどんな苦労も惜しまない人たちだ。彼らに必要なのはその手段だけだ。
272
お金を払っても無償でもらっても蚊帳の使用率は50パーセントだった。有償だと保護される人は大幅に減り、蚊帳を提供する側はいくらか節約できた。 -
Posted by ブクログ
開発経済学、という初めての分野の本でした(あとがきで初めてわかりました)
今まで、募金とかうさんくさい、と思ってなんとなく敬遠していた節があるのですが、貧困という状況をクリアに定義し、かつその状況がいかによりよく改善されうるか、ということがとても平易に記されていました。
この本の題名に一旦の回答を自分なりに文章にすると、No、ということになるのだと理解しました。
善意は貧困を救うためのキーファクターであることは確かであり、必要条件である、ということでしょう。
ただし、十分条件ではない。善意があれば貧困が解決できるわけではない、ということを腹落ちさせておくことが、より本来の意味で貧困という状況を少なくしていくことに繋がるのだと考えました。 -
Posted by ブクログ
タイトルが格好良すぎ。間違いなくこの分野は行動経済学が必要である。
解説によると、開発経済学の一般向け入門書、新三部作として紹介している。
この分野ではグラミン銀行創始者のユヌス氏が有名だが、本文中でのユヌス氏の言への反論が本書の主張を代表している。
ユヌス氏は以下の通り言ったという。
「私は、すべての人は生まれながらのスキルを持っていると固く信じている。私はそれを生き残るためのスキルと呼ぶ。貧しい人たちがいま生きていることが、彼らの能力をはっきりと証明している。彼らは私たちから生き残る方法を教わる必要などない。もう知っているのだ。だから私たちは、彼らに新しいスキルを教えようとして時間を無駄にするより、彼らが現に持っているスキルを最大限生かそうとしているのだ。貧しい人たちがクレジットを利用できるようになれば、彼らはすでに知っているスキルをすぐにでも実行に移すことができる…。」
これに対し、著者は以下の通り述べる。
「ユヌスは素晴らしい人だけど、このロマンティックな見方は間違っている。生き残ることと、事業を一から始めることはまったく違う。特に、典型的なマイクロクレジットの利率で借金をしても返せるほど利益の大きい事業を起こすとなるとなおさらだ。…
…たとえば、アメリカやヨーロッパの街のどこにでもいるような人みんなに、ちょっとうまいビジネスを思いついて経営する能力があるなどという人がいるだろうか?」
全くその通りである。
興味深かったのは、個人責任とのグループとグループ責任のグループの返済率に差がなかったということ。グラミン銀行に代表されるように、マイクロクレジットはグループに貸し付けるケースが多いから驚きだった。
また、貧しい人たちも、正しいツールを与えられたら、所得全体が増えなくても、貯蓄を増やすことができるということ。貯蓄に回すことができないから貧困のはずなのだが、この事実も衝撃である。
全体を通じて言えることは、貧しい人ほど、情報不足によって、金銭面でも労働力の面でも無駄な支出を強いられているという事実である。もちろん情報があることは重要で、携帯電話の普及などは格段の改善をもたらしたに違いないが、情報が流通すればよいという単純なものではないから、この分野は難しい。
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Posted by ブクログ
ネタバレ表紙に、貧乏人の行動経済学とあるが、内容は著者の実証実験のまとめ。
途上国の子供に制服を無償で付与すると、登校率は上がるのか?(まともな服を持っていない家庭の子供ならば有効な施策らしい)
学校に来ると現金給付金という意味で親にお金を渡すと登校率は上がるのか?(一定の効果あり)
こういった実証実験を紹介してくれている。
惰性。現状維持が持つ抗いがたい力。禁煙然り、貯金然り。
この力が貧しさ脱却の妨げになっているというのは面白い見方だった。
祖先から代々引き継いできた農業方法を今も同じ方法で行っているのは、惰性であると。
鋤や鍬を使い労働力を以て生産する方法が惰性であるならば、村の有力者に現代の農業生産技術を教え、その効果を見せ、広めていくことが有効な手だと思う。
貯金もまた、その意味を正しく教えないと広まらないし、SEEDといった実際の生活に差し支えない貯金額で続ける方法でしか続かない。
貧しい人々の生活を豊かにする、幼い命を奪われないようにするための正解はない。
いろいろなことを試し、地域によって国によって民族によってその地域の仕事によって、カスタマイズしていかなくてはいけない。
その国の技術が発展していなければ、ご近所情報網を作ったり。
タダであげても効果がなければ割引にしたり。
また、貧しい国の性問題も取り上げられている。
印象的な言葉は、「少女たちは、知ってか知らずか、身体的安全ではなく経済的安全を選ぶというトレードオフをしている」。
どの国もコンドーム有り無しにより価格に差をつけている。
身体的リスクに対してお金を上乗せするのは、正しい経済活動と言えるけれど、なんだか読んでいて悲しくなってくる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレぉー、これも完全に登録忘れてた。
もっと援助哲学的な話かと思ったら…このタイトルの意味は、もっとプロジェクトの効果の検証をしっかりしなさい、RCTは素晴らしい、というものでした。想定外でちょっと拍子抜け。しかも、何やら開発世界に関係のない人向けに書かれた本なので、開発学の、特に研究や評価などに慣れ親しんだ人にはちょっと物足りないのかも。
だけど、その分さくっと読めて、具体例を知ることはできるので、良いかな。
例えば、マイクロファイナンスはもてはやされているけれども、よくよく検証すると、マイクロファイナンス自体よりもそもそも貯金の方が効果があるかもしれないという示唆があったり。グループ連帯責任はいい面もあれども、例えばちゃんと返せる人にとってはただの負担で旨味がないからあまり意味がない、とか。
この、マイクロファイナンスの話に費やされているページが一番多い。
タクシーの運転手が超興味ありそう(乗り出して話を聞いていた)だったのに銀行融資を結局使わなかった話もなんか面白かったな。
あと興味深かったのは、マラリアの予防のための蚊帳の普及について、低額でも「売」った方が人々の意識が変わって(無料配布よりも)「使用」に繋がるという意見がある中で、ケニア西部で、明らかに無料配布が効果を上げたんだったり。
RCTにもかなり限界はあると思うんだけどね(結局場合分けが永遠になったり)、でもなるべく評価し効果的な支援をすべく努力した方がいいのは事実だし、この筆者は、必ずしも証明されたものだけやれというのではなくチャレンジは常に大切、と言ってはいるので、まぁバランスは取れているかな。
澤田教授が後書きで、開発学の入門書として推奨していたのが印象的。
後で知った話。
この作者、IPAの創設者の一人だった!