善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学

ビジネス・実用
3,300円 (税込)

16pt

マイクロファイナンスのパンフレットにきれいな女性の写真を載せると申し込みは増える? 検査を受けた人にお金を払えばHIV感染率は下がる? 貴重な善意を最大限に活かすためにはどうしたらいいの? ガーナ、ケニア、南アフリカ、インド、フィリピン、ペルー、メキシコ……理論と現実が一致しない途上国の複雑な世界にわけいって、そこから「クール」な答えを、次々と導き出している〈新しい経済学〉のいまを紹介。人間心理が陥りがちな落とし穴をやんわりと回避させるための後押し(=ナッジ)の手法をふんだんに盛り込み、開発経済学の新しい知見を一般向けにやさしく語ります。その新しさの特徴は、開発プロジェクトの「なにがうまくいって、なにがだめなのか」を社会実験ではっきり実証する点、そして人間の非合理性を考慮した新しい発想に基づいている点にあります。

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    ビジネス・経済 / 経済
  • 出版社
    :
    みすず書房
  • タイトル
    :
    善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学
  • タイトルID
    :
    379632
  • ページ数
    :
    344ページ
  • 電子版発売日
    :
    2016年06月10日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    開発経済学に関して、数式や経済学の理論などを用いずに文章で明快に解説されていて、初学者でも読みやすい内容だった。
    日常や仕事においても考え方が応用できそうな内容ばかりだったので、困難にぶつかった時はまた読み返したい。

    0
    2020年08月29日

    Posted by ブクログ

    タイトルへの答えを言えば、”No”だろう。ビジネスの世界では、これから導入しようとする戦略などがどれほど有効か、効果があるのかよく吟味した上で実行されるが、開発の世界となるととにかくいいことだからやってみるということが多く、それでは本当に効果のある開発は行えないと指摘する。また、貧困国にくらす彼らも我々と同じ人間であり、マーケティングや心理学的な考え方をしなければならないということがよくわかった。新開発経済学3部作のほかの2作も読むことにする。

    0
    2014年04月05日

    Posted by ブクログ

    現代には国際的な援助プロジェクトがさまざまに林立していて、それぞれが支援を求めています。ただ、営利団体と違って、こういった団体・プログラムが自らに課している評価や検証は甘いケースが多いので、その援助が実際に貧困層にどのような影響を与えるのか、投資対効果はどうか、持続可能なものなのか、そういったことを精査し続ける必要性を強く訴えた1冊。

    医療の分野でよく使用されているRCT(ランダム化比較実験)の手法を用いて、支援をしたグループと何もしていないグループを比較することで効果測定します。「こうすれば、きっとこういう効果が得られるから投資しよう」という安易な”善意”ではなく、現実世界できちんと実験して効果測定することの大切さをひしひしと感じました。本書は全体を通して、このRCTのさまざまな事例を紹介してくれています。
    寄付というのは投票行動でもあるので、われわれも安易に寄付するのではなく、その団体・プログラムがどういうものであるか理解したうえで寄付するという責任があるのだなとも感じました。

    開発経済学という今世界で非常に脚光を浴びている学問分野を、とてもわかりやすく、読みやすくまとめてくれている。語り口もとても軽妙で痛快。こういう入門書が他の分野にもあればよいのに、と思うくらいの良書でした。

    0
    2013年09月08日

    Posted by ブクログ

    行動経済学の本。
    求めてい内容よりややエッセー風だったけれども、それによって行動経済学への印象が柔らかいものへと変わった。

    「善意」は貧困をなくす必要条件だけど十分条件ではないということを再認識した。

    マクロファイナンスの内容が多めなので、それの実例を知る本としては優れているかも。

    0
    2019年11月15日

    Posted by ブクログ

    開発における実践的な行動経済学を平易な文章で解説する。とても多くの示唆を与えてくれる。貧乏人の経済学とともにおすすめ。

    0
    2017年01月12日

    Posted by ブクログ

    行動経済学の見地から途上国の貧困問題を取り扱っている一般人向けの入門書。難解な式はなく、事例が豊富で分かりやすい。タイトル以上に経済学。各分野の言及もあるけど、とくにマイクロファイナンスが多かった。「人間は理性的」から出発しない行動経済学は面白そう。
    澤田教授の解説も分かりやすい。日本のODAについても触れてくれている。彼によると、日本は保健教育で寄生虫対策をしているとのこと。現場で実績があるのですね。

    全編を通して、援助の効果を測ろうと訴えている。「大事なのは貧しい人たちの役立つようになったかどうか。貧困問題で本当に前進したいのなら、定量化可能な実証済みの方法で改善し、その改善を同じ手順を踏んでさらに改善するというやり方に慣れなければならない(147p)」完全に是。

    「うまく機能しているシステムを見るだけではそこに投入されているどれか1つの要素だけの効果を抽出することはたいてい不可能。できることは現場で試すこと。一度に1つか2つちょっと足したり変えたりして機能させるものを探す。p246」ことしかできないのだと思う。その心構えは援助に関わる人は持ってないといけない。

    以下、引用。

    53
    開発解決策の場合、売り込む必要があるとは考えないで、中身さえ価値があれば採用されると思っていることが多い。参加することを選択してもらう必要がある。

    64
    マーケティングは効き目があるということを知っていることと、マーケティングのキャンペーンのどういうことに効き目があるのかを知っていることは違う。
    補足:何を強調すべきかは対象によって異なる

    168
    25億人以上はおかねを貯めるのにも借りるのにもフォーマルな金融サービスを使っていない。

    225
    行動経済学的発想
    人はインセンティブの金額だけに反応して選択するのではなく、タイミングにも左右される。家庭での意思決定のタイミングの重要性を利用してちょっと改善するだけで、大きな効果を挙げられる

    231
    学校の欠席率と寄生虫感染率が高いところでは、学校単位の寄生虫駆除は出席率を上げる推進力になり得る。

    264
    貧しい人たちの中には変化に手が届きそうなところまできている数え切れないほどの人がいる。真剣に生活を向上させたいと願い、そのためにはどんな苦労も惜しまない人たちだ。彼らに必要なのはその手段だけだ。

    272
    お金を払っても無償でもらっても蚊帳の使用率は50パーセントだった。有償だと保護される人は大幅に減り、蚊帳を提供する側はいくらか節約できた。

    0
    2016年02月05日

    Posted by ブクログ

    善意で貧困をなくせるのかー。よくユニセフの寄付募集など目にするが、貧困な人々が求めている支援、実情と支援側の思いにかなりの隔たりがあり考えさせられた。もちろん、金銭的援助によって解決することもあるが、善意で貧困をなくすことは、現実的には難しく本質的に必要なことを見極めることが大切と実感した。

    0
    2015年07月12日

    Posted by ブクログ

    開発経済学、という初めての分野の本でした(あとがきで初めてわかりました)

    今まで、募金とかうさんくさい、と思ってなんとなく敬遠していた節があるのですが、貧困という状況をクリアに定義し、かつその状況がいかによりよく改善されうるか、ということがとても平易に記されていました。

    この本の題名に一旦の回答を自分なりに文章にすると、No、ということになるのだと理解しました。

    善意は貧困を救うためのキーファクターであることは確かであり、必要条件である、ということでしょう。
    ただし、十分条件ではない。善意があれば貧困が解決できるわけではない、ということを腹落ちさせておくことが、より本来の意味で貧困という状況を少なくしていくことに繋がるのだと考えました。

    0
    2013年03月05日

    Posted by ブクログ

    タイトルが格好良すぎ。間違いなくこの分野は行動経済学が必要である。
    解説によると、開発経済学の一般向け入門書、新三部作として紹介している。
    この分野ではグラミン銀行創始者のユヌス氏が有名だが、本文中でのユヌス氏の言への反論が本書の主張を代表している。
    ユヌス氏は以下の通り言ったという。
    「私は、すべての人は生まれながらのスキルを持っていると固く信じている。私はそれを生き残るためのスキルと呼ぶ。貧しい人たちがいま生きていることが、彼らの能力をはっきりと証明している。彼らは私たちから生き残る方法を教わる必要などない。もう知っているのだ。だから私たちは、彼らに新しいスキルを教えようとして時間を無駄にするより、彼らが現に持っているスキルを最大限生かそうとしているのだ。貧しい人たちがクレジットを利用できるようになれば、彼らはすでに知っているスキルをすぐにでも実行に移すことができる…。」
    これに対し、著者は以下の通り述べる。
    「ユヌスは素晴らしい人だけど、このロマンティックな見方は間違っている。生き残ることと、事業を一から始めることはまったく違う。特に、典型的なマイクロクレジットの利率で借金をしても返せるほど利益の大きい事業を起こすとなるとなおさらだ。…
     …たとえば、アメリカやヨーロッパの街のどこにでもいるような人みんなに、ちょっとうまいビジネスを思いついて経営する能力があるなどという人がいるだろうか?」
    全くその通りである。

    興味深かったのは、個人責任とのグループとグループ責任のグループの返済率に差がなかったということ。グラミン銀行に代表されるように、マイクロクレジットはグループに貸し付けるケースが多いから驚きだった。
    また、貧しい人たちも、正しいツールを与えられたら、所得全体が増えなくても、貯蓄を増やすことができるということ。貯蓄に回すことができないから貧困のはずなのだが、この事実も衝撃である。

    全体を通じて言えることは、貧しい人ほど、情報不足によって、金銭面でも労働力の面でも無駄な支出を強いられているという事実である。もちろん情報があることは重要で、携帯電話の普及などは格段の改善をもたらしたに違いないが、情報が流通すればよいという単純なものではないから、この分野は難しい。

    0
    2021年08月08日

    Posted by ブクログ

    ややタイトル詐欺。善意はあんまり関係ない。
    途上国、貧困層に対する援助やその評価方法に行動経済学といわれる関わり方が変革をもたらしている。そんな状況を解説している本。

    貧困層の行動原理はどのようになっているか。それは変えるべきか。どうすれば変えられるか。もっと効率の良い方法は。
    実際に現場で活動してきた著者達だけあって理屈が通ってるだけで満足せずやってみよう観測してみようというという態度が一貫している。
    「なにがうまくいって、なにがだめなのか」を社会実験ではっきり実証している点が単なる援助と一線を画している。

    0
    2013年07月06日

善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    ビジネス・経済 / 経済
  • 出版社
    :
    みすず書房
  • タイトル
    :
    善意で貧困はなくせるのか?――貧乏人の行動経済学
  • タイトルID
    :
    379632
  • ページ数
    :
    344ページ
  • 電子版発売日
    :
    2016年06月10日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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