近藤和彦のレビュー一覧
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イギリス史の大家による新書。イギリス史の始まりから現代までを非常にコンパクトに、興味深くまとめられている。コンパクトではあるが、全体を貫く緊張感は知的な心地よさを感じる名著である。
10講とあるので、教科書的な叙述を想起させるのだが、内容はまったく教科書的ではなく、むしろ逆に教科書で書かれているような内容を最新の歴史学、イギリス史研究の成果をもって覆しつつ、それでいて小難しくないところが良い。
たとえば、中世末。「長い16世紀」を迎える直前の、第1次百年戦争の叙述。本当の争点は、クラレット、「すなわち鮮明な赤ワインこそ、百年戦争の第三の、いや本当の争点だったかもしれない。」(63ページ)。 -
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先史時代から現代までのイギリス通史。
帯に「基本書」とあるが、ある程度の知識がないとなかなか厳しい。
後半は政治に関する話も多く、正直一読では半分も理解できず……。
ただ、合間に挟まる王室のエピソードや首相の生い立ちなどは読んでいて楽しい→
個人的にヴィクトリア女王のエピソードが好き。素敵なご夫婦。お子さんはドラ息子になっちゃったけど(笑)
昔から女王がいる国だから男女平等が根付いているのかと思ったら、最近まで女性には選挙権もないなど、意外と日本と似ているな、と思ったり。
18世紀には自国に特産品が少なかったのも驚き→
中国や日本の陶磁器に勝てないから、ウェッジウッドは様々な工夫を経て成 -
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ケルト人。大きな体格。身体に彩色。司祭ドルイド。文字なし。織物。金属工芸。金属武器。戦車。BC1世紀ブリテン島に住む。
帝政ローマ。初代オクタウィアヌスから始まり、クラウディウス(第4代皇帝)の時代に。60年。ブリタニア侵略。イングランド土着の”野蛮人”を制圧し、十一の王を帰順させた。▼イングランドでは、ケルト人イケニ族の女王ブディカがローマ軍に反撃。※ビッグベンの近くにブディカ像あり。スコットランドでは、ケルト人の族長カルガクスがローマ軍に反撃。▼帝政ローマ、イングランドを支配するため、軍事的な拠点を作った。カンタベリー、ウィンチェスター、エクセター、グロスター、チェスター、ノリッジ、リン -
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大御所によるイギリス通史。
「近世」という時代を立て、16世紀以降を手厚く記述するというのが特色だそうだ。
世界史の授業で聞いたなあ。
でも、こんな話だっけ。
忘れてしまったのか、学説が変わったからなのか?
通史として読むと、高校の授業ではぶつ切りの状態で学んだんだなあ。
そんなことを思いながら読み進める。
いくつか、印象的だったことを書き残しておく。
・古英語の成立(7世紀ごろ)
ゲルマンの諸部族が大ブリテン島に入ってきて、共通言語として成立したのが古英語。国としてのイギリス、いわゆる「イギリス人」が成立するよりも早い。
・王位の正当性の三要素
血統の正しさ、賢人集団の推挙、神・ -
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紀元前から現在までを10章に分けて著述。時代順の各章には年表がつき、王室系図、地図などもはいっている。
イギリス史で覚えているのは中学で覚えた歴史暗記のみといってもいいくらいのレベル。それも1066年オレンジ公ウィリアム、マグナカルタ、名誉革命、東インド会社、エリザベス女王、産業革命とこれくらいの情けないレベル。去年イギリスのバースに旅行してローマが侵攻したと初めて認識した次第。これくらいのレベルなので特に1章の地形の形成、石器時代、2章のローマ侵攻から1066のノルマン征服までで、3回くらい読み返してしまった。特におもしろかったのは民族の移動と侵攻。バイキング、ノルマン人ってすごい勢い。そ -
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物理的なブリテン諸島の成り立ち、カエサルの侵攻からブレア首相の退任まで。
文庫ですらなく新書一冊で2000年以上まとめたにしては、多様な地方と民族に翻弄される英連邦の時代の移り変わりを追うことが出来る。
だが、詳しく理解するには程遠いのも間違いない。分量的に駆け足になるのはしかたないにしても、『詳しくは前著を参照のこと』とリファレンスばかりのうえに読んでる前提で話が進むし、一度しか出てこない固有名詞が文章量のわりに多く、前提知識がない箇所は流し読むしかない。
よって、まったくもって初学者向けとは言い難いが、それでも読み終えることが出来る程度の一貫性はある。
詳しくなってから読み返すと、新 -
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著者が近世史の専門家ということもあってか、清教徒革命・名誉革命あたりの話がとくに面白くて、学校の歴史の授業で受けたイメージとは全然違う。
清教徒革命は宗教戦争だったというのはまあ分かるが、名誉革命の実態はオランダによるイギリス征服で、議会派のやったことはほとんど外患誘致に近い。
時の王権の正統性を、血統、賢人集団の推挙、神/教会の加護という3つの要件でチェックするのも面白い。
EUとかCKとかの歴史ゲームだと、要件の一つでも欠けると、ライバル国がCBを獲得したり、内乱が起きるよなあ、とニヤリとした。
氷河期からブレア政権までのイギリス史を新書1冊に詰め込んでいるだけあって、素人には付いて行