久松達央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
有機農業とは、、、とモヤモヤ思っていたものが言語化されている。分かりやすい。第1~3章は一般人へ、第4~7章は農家としての思い。
「有機農業三つの神話」の勘違い
1、有機だから安全
・適正に農薬を使った普通の農産物”も”同程度に安全
・安全=客観的なもの、安心=主観的なもの
・力を借りるべき生き物を減らしてしまうので農薬を使わない、という選択(安全とか、環境に良いから、ではない)
2、有機だから美味しい
・野菜の味を決める三つの要素=旬、品種、鮮度
3、有機だから環境に良い
・環境保全型農業=有機農業ではない
・有機農業という方法が、”あらゆる側面”において環境負荷が少ない、ということではない
有機農業とは「生き物の仕組みを活かす農業」
有機野菜と一般の野菜の違いは「健康」かどうか…有機だと病気や虫に弱い個体は淘汰される
旬が消えた&昔の野菜は美味しかった
→美味しい野菜三つの要素「旬、品種、鮮度」を満たさない野菜が出回っている
→栽培技術・輸送技術・品種改良が進んで、周年栽培が可能になったことが理由
→出荷量の少ない時期に生産するか=いかに旬を外して作るかが生産者の腕の見せ所!=上手な農家ほど美味しくない野菜を作っている -
Posted by ブクログ
有機農法で年に50品目ほど栽培して、
契約した消費者や飲食店へじかに届けるかたちの農業をやっておられる著者の、
ロジカルでときにユーモアを交えた農業のいろいろな面を語る本です。
帯にあったんですが、
有機=美味で安全、
農家=清貧な弱者、
農業=体力が必要・・・・・すべて勘違い!
ということです。
それらがどういうことなのかを主軸に前半は語られます。
これからの時代の農業についての著者なりのヴィジョンも
語られるのですが、そういったことも含めて、社会学やビジネス書などにも
多く目を通しておられるなぁといった印象の語り口でした。
そして、肝心のその著者のヴィジョンですけれども、
それが一言でいうならば、ストーリー・マーケティングというものだそうです。
なんだろう、と思う人も多くいらっしゃるでしょうけれども、
このブログの記事をよく読んでくださっている方であれば、
こういえば通じると思います、それは『贈与論』の考え方であると。
つまりは、顔が見えて、商品に思いや生産者の人となりを感じられるような、
「あったかみ」であり「いとおしさ」です。
商品の背後に、そんなストーリーであり、ソウルがあって、
それらを消費者が感じとれるということなんですが、
この考え方には、社会的包摂の性質があるでしょう。
嬉しいですね、僕がこの考え方にたどり着く半年か1年か、それ以上かくらい前に
そういうことをしっかり考えている方がいた。
僕の考えも机上の空論ではないということです。
閑話休題。
ニッチ産業としての居場所をみつけた著者の農園だということですが、
ちゃんとニーズを生んでやっているので、単なる隙間産業ではないのではないか。
土地の力を活かし、旬を守り、品種を選び、鮮度を大切にするというこの三要素を
堅守することで、慣行農家の作物よりもおいしいものを作っていくというのが、
大きな方針で、はた目には、セレブという意味ではないけれど、
野菜による贅沢を提案するようなビジネスになっているように読みました。
また、農家は大変だと言われますが、参入障壁が高いということがありながら、
起業家よりも成功率が高いことがあげられていました。
固定資産税などが優遇されていて、
住居費などにかかる費用は都市生活者よりも低く済むことも語られていました。
それに、45歳までの新規就農者には、7年間にわたって、年間150万円の援助が
国からあるということも語られていて、
著者は甘やかすという意味においてそれには否定的な立場を表明しています。
まぁ、なんていうか、農業論といわれていますけれど、主軸はたぶん有機栽培なのですが、
それでもあまり中心軸を感じないいろいろなトピックを正面から紹介したり論じたり
という性格の本ではないかなと思いました。
マクロにもミクロにも農業を語っているのですが、
200ページに収まっているコンパクトな読み応えのある読みものでした。 -
Posted by ブクログ
脱サラして有機野菜を多品目で作っている農家15年選手の方が、2013年に出した本。311直後の放射能騒ぎが起こった時のこともふくめ、ぶっちゃけて書いた感じの本。ぶっちゃけてというか、思ってることを正直に書いた本という感じかな。
有機野菜=安全、美味しいみたいなイメージがまだあるとは思いますが、有機だから安全、安心、美味しい、じゃないんだよ、ってことを皮切りに、野菜の変化と性質、著者のような小規模農家のやり方、事業としての農家とその未来などが書かれています。
農家が野菜を作っているのは知ってるけど、実際イメージしきれない部分が多いんですよね。そういう意味で現場の声が読めてよかった。ちなみにこの人は冒頭に書いたように脱サラ組なので新参者ポジションから見たその話し。相続でやって来ている農家に言わせたらまた違うのでしょう。
農家の既得権益についてよく知らなかったのですが、それについて知ることができました。たしかに今の状態では成長路線はイメージしにくいですね…。
とりとめないけどそんな感じ。
食に関して意識が芽生えつつある人が読むとよいのではないかと思う。勿論、農業に興味がある人も。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ<畑に論理を持ち込んだ久松農園の今後に期待>
◆この本を読んで、野菜の有機非有機よりも、旬と鮮度にこだわる様になった。新鮮な有機野菜は高いから、見切り品のを買うとか、愚かな行為なのかも知れない。
◆要約。野菜の味は、旬、品種、鮮度で決まる。農薬とか化学肥料とか、役所が厳しく規制していて(ある農薬が残留基準上限に達しており、それを一生涯毎日、国民平均の100倍食べても動物実験上では影響がないレベル)今やそんなに危険ではない。それに、コメ作りの初期の雑草除去のために紙マルチと呼ばれる有機栽培法があるが、これは他の栽培方法と比べて突出して二酸化炭素排出量が大きく、必ずしも有機農業が環境に優しいとも言えない。有機が美味しい、安全、環境に優しいと妄信するのは論理的に妥当ではない。
ただ、有機野菜は「健康」ではあると思われる。理由は、畑の生物多様性が確保されている事と、不健康な野菜は虫に食われたり天候の影響を受けてダメになってしまうから。