小川剛生のレビュー一覧

  • 徒然草をよみなおす

    Posted by ブクログ

    徒然草と兼好法師
    徒然草自体を読んだこともないし、徒然なるままにで始まる1句しか知りません。
    兼好法師が生きた南北朝時代、今で言えば中間職の様な立場で上司である貴族のひとに仕え、決して気楽な立場には見えないけど、世間とつながることを疎かにしないからこそ、世の中を渡っていく術を徒然草の中に残して行くことができたのでしょうか。

    徒然なるままに、しなやかに強く渡っていきたいなと思います。

    0
    2020年12月15日
  • 兼好法師 徒然草に記されなかった真実

    Posted by ブクログ

    兼好にまつわる伝記的事実を見なおし、新たな兼好像を提示している本です。

    兼好の名前が広く知られるようになったのは正徹の証言以来のことであり、風巻景次郎による研究もこの証言に依拠しています。しかし著者は、兼好が久我か徳大寺の諸大夫であったという証言には根拠が乏しいとしてこれをしりぞけ、一方で風巻が採らなかった兼好が滝口の侍品であったという証言を重視しています。

    つづいて著者は、金沢流北条家の氏寺である称名寺にのこされた史料などを検討し、兼好が武士や公家とどのようにかかわっていたのかを明らかにしています。こうした議論を経て、著者は兼好を「隠遁者」とする従来の解釈をくつがえし、「都市のうちに生活

    0
    2020年04月20日
  • 兼好法師 徒然草に記されなかった真実

    Posted by ブクログ

    「徒然草」の作者である兼好法師の出自や経歴を丹念に追った労作。
    兼好法師に関する後世の文献には頼らず、同時代の信頼できる史料等から兼好法師の姿を明らかにしていく。

    その結果、吉田家を出自としたという通説までも真っ向から否定する。後世になって、吉田家が自らの家系に有名人である兼好を意図的に組み込んだという。
    ということは、俗に「吉田兼好」と呼ばれた通称さえも正しくない、ということになる。
    兼好法師という超有名人でも、名前さえも正確にわからないんだから、時の流れというのは恐ろしい。

    0
    2019年01月28日
  • 兼好法師 徒然草に記されなかった真実

    Posted by ブクログ

    <目次>
    第1章  兼好法師とは誰か
    第2章  無位無官の「四郎太郎」~鎌倉の兼好
    第3章  出家、土地売買、歌壇デビュー~都の兼好Ⅰ
    第4章  内裏を覗く遁世者~都の兼好Ⅱ
    第5章  貴顕と交わる右筆~南北朝内乱期の兼好
    第6章  破天荒な家集、晩年の妄執~歌壇の兼好
    第7章  徒然草と「吉田兼好」

    <内容>
    『徒然草』と言えば超有名だが、作者は教科書でも表記が揺れている。「吉田兼好」「卜部兼好」「兼好法師」。その謎も解けた。金沢流北条氏に仕え、鎌倉と京都を行き来(鎌倉末期、仕えた北条氏は六波羅探題だったから)。そこで短歌の人々と交わり、南北朝期の歌壇で活躍した「卜部兼好」(遁世して兼好法

    0
    2018年02月07日