永川成基のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
言葉が通じ合うことがなくても、同じ時間を一緒に生きている。生きるための勇気をくれる。寂しさ、悲しさをやんわりと包んでくれる、優しい物語だなぁと感じました。
色んなものが目まぐるしく変化していき、その忙しなさに押しつぶされそうになる。そんな闇を抱える現代人にオススメの一冊です。
特に猫たちの縄張りを管理する仙人的存在、ジョン(犬)の言葉が心に沁みます。
『愛する力、他者を必要とする力と言っていいだろう。寂しさと引き替えに得たこの力が、種を強くするんだ』という言葉。とても好きです。
多様性があるからこそ、競争は避けられないし辛い思いをすることもあるけれど、1人の何かで完結しない世界だからこそ -
Posted by ブクログ
【あらすじ】
新海誠の幻のデビュー作が小説となって息を吹き返す!
アニメとは異なる視点で描いたもうひとつの『彼女と彼女の猫』。
都会で一人暮らしをする女性が、ある日偶然猫を拾った。
自分の感情を言葉にするのが苦手な彼女と、彼女の不器用さをそばで見守る猫。
友人との言葉の掛け違いを境に、彼女の日常から笑顔がなくなっていく。
拾われた猫たちを軸に描かれる、四つの連作短編。
【感想】
新海さんはこの物語を通して、猫社会も人間社会と同じだよって言いたかったんじゃないかなと思う。恵まれた環境で生活できるものもいれば、そうでないものもいる。そして、人間に動物が寄り添うと不思議なことが起こる。そこに癒しが -
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ネタバレ 購入済み
歴史ものが好きなら
歴史をふわっと扱った作品が好きなら、楽しいのだと思う。
何故かパーティー用のクラッカーが登場するけど。
いや、何時からあのパーティー用のクラッカーが出来たか知らんけど。
牛乳瓶もあの時代にあったかは知らんけど。
と、時代に詳しい人なら分かることもあるんだろうなと。 -
Posted by ブクログ
新海さんの映画は2本ほど見ているが原作本を読むのは初めてで、なんだか携帯小説を読んでいるような感覚だった。新海さんの「言の葉の庭」でもそうだったが、心情を表現するシーンが印象的で、作者の永川さんもうまく小説として完成させてる。一人の”彼女”に対して一匹の猫が付き、それぞれ人間同士が会話しているかのように心が伝わりあう。まこと、ファンタジー小説なんだけど、節、節ごとが詩のように謡うように流れ、読み始めはとっつきにくかったが、後半に入ってのめり込んだ。小説だけでシーンを想像することができ、それは映画で見たような幻想的に美しい風景が広がっていく。小説としての評価は何ともだけど、心に残る作品ではあった
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購入済み
一応前作あり
英雄的スナイパー、シモ・ヘイヘを女性にして描いた戦争もの。前作から引き続き出てくるキャラがいるのだが、まあ読んでなくてもあんまり問題ない・・・かも。やっぱりもう少し面白くできそうなキャラのように思うが。
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購入済み
なんか惜しい
絵は綺麗。個人的には、漫画というよりアニメ場面をモノクロにしたような印象のタッチ。
ネット上などではあまりに有名なスナイパーをモチーフに、女性にして、敵にも女性を配置して、というものだが、各キャラに感情移入しにくくて、何か惜しい。スナイパーは地味にならざるを得ないのはわかるのだが。