五味川純平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者五味川純平の怒りが伝わってくるような労作。戦後になって明らかになった資料を基に、勝つことができない不毛な戦争に突入していった、その端緒を明らかにしている。きっと某かの謀略や独裁者の決定によって、天皇や政府が巻き込まれていったに違いない。そう思っていた著者の目の前に現れた現実は、会議のための会議と、声の大きいものや勇ましい発言するものに引きずり回される、情けない日和見主義の集まりだった。
現実を直視せず、現場の場あたり主義にふり回され、退くことや、留まることができない「御前会議」の様子は、まさしく明治以来つづく官僚主義の最たるもので、最高権限者である天皇を戴く「御前会議」でさえもその為体で