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Posted by ブクログ
前巻の終盤、ソ連軍との激しい戦闘が勃発し、激闘の末に多大な犠牲を払った。梶はかろうじて生き残ったが、生き残ったあと、いかにして帰還するのかを下巻では描かれる。これまでとは対照的に、個人の意志によって一つ一つの選択をとり、選んだ末にどのような運命をたどるのかが今回の見どころである。梶は妻の三千子が生きていると信じることで、たとえ周囲からひどい仕打ちを受けたとしても踏ん張った。このように、愛する者の生死が不明であったとしても、生きてると信じることで、必死に生き抜こうとする様子は、なにか輝かしいものが感じられる。
しかし、本作を最後まで読むと、予想よりも不安な空気が漂う。梶は最終的に、本作の上巻、梶と三千子が共に過ごした住処の近辺まで到着した。しかし、その時点で、梶はまともに飲み食いせずに動き続けたことで、息絶える寸前であった。また、梶は村の住民に食物をあてにしたが、リンチにあった。最後は生死不明のまま、雪に埋もれて物語は終了した。
Posted by ブクログ
ソ軍との激戦、それを免れ逃げる梶たち。梶の恐ろしいまでの殺人技術が彼ら敗残兵の命を救う。ただあちこちで会う関東軍の敗残兵や民間人。彼らが面した苦労はハンパなものではない、男も女も。田代や寺田など初年兵との絡みが相変わらず面白い。そして梶、まさかああゆう最期を遂げるとは…。
途中まで赤軍やチャイナ万歳な小説なのかと思っていたら結局は戦争に正義もなにもない、勝者と敗者があるだけなのかと思わせる展開になっていた。そして梶の背筋が底冷えする強さが凄い。ああなりたいもんだ。
付録の回想的略歴を読むとこの物語の基底にはやはり実体験があるよう。学校で読まされた語り継ぐべき戦争の物語は原爆や空襲で、日本軍も酷い事をしたって話だったけど、この小説こそもっと広く読み継がれていくべきだろう。
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小説・文芸
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