高木徹のレビュー一覧

  • 国際メディア情報戦

    Posted by ブクログ

    面白い本は、電子書籍でも一気読みしてしまうんですね。
    というか、電子書籍はどんどんリンクして読みすすめられるので、かえってヤバイ。

    本書は、「戦争広告代理店」で一世を風靡したNHK報道ディレクターによる、<今起きている>情報戦を描いたものです。

    「戦争広告代理店」と、その後に続く「大仏破壊」が激烈に面白かったので、高木さんの新刊が新書で出るというのには驚きとともに期待が高まりました。

    その期待を大きく超えて、素晴らしい内容でした。


    「戦争広告代理店」を読んで、面白かったと思った方にはお勧めです。

    ごく最近の話題にも触れていて、知らずに居たことが多いです。


    インターネット時代は、

    0
    2014年04月26日
  • 国際メディア情報戦

    Posted by ブクログ

    国際メガメディアを使ったPR戦略が,国際政治を動かし,冷戦後の世界の紛争に多大な影響を及ぼしている。ボスニア紛争で注目されたこの手法が,国際世論をどう動かしてきたのか,その力学を,ビンラディンやボストン爆破事件,2020オリンピック招致を巡る駆け引きを通して眺めていく。
    民族浄化というバズワードを設定し,切り取りやすいシンプルで明快な発言(サウンドバイト)をメディア受けする要人に語らせ,ミロシェビッチを極悪人として描くことで(サダマイズ),「セルビア許すまじ」と人々の感情に訴えかけたPR会社。その手口は洗練されていて,プロパガンダの新潮流を感じさせる。重要なのは,決して法に触れる行為はしないこ

    0
    2014年04月16日
  • 国際メディア情報戦

    Posted by ブクログ

    ○NHKのディレクターで、数々のドキュメンタリー作品や著書のある、高木徹氏の著作。
    ○国際的に行われるメディア戦略や、情報戦の重要性について、アメリカのPR会社の担当者への取材や、メディアのキーマンへの取材、具体的な情報戦略の過程や結果を通じて、これからの日本のメディア戦略のあり方を描いた作品。
    ○単なるインタビューやニュースだと思っていたことの裏側に、これほどまでに深く・幅広い戦略が練られているということを初めて知った。また、とても興味深かった。
    ○単純にテレビや新聞を読んでいるだけでは分からないが、これからは、裏側の戦略についても、目を向けてみたい。

    0
    2014年04月16日
  • 国際メディア情報戦

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    現在の国際メディア情報戦の基本テクニック
    ・サウンドバイト(要人の発言の短い断片)
    ・バズワード(メディアを騒がす流行言葉;)
    ・サダマイズ(特定の人物を悪の権化として標的にすること;サダム・フセインより)

    「ワシントンを動かす三角形」
    ・ホワイトハウス
    ・議会
    ・メガメディア

    「PR」
    あらゆる対象(メディア、政策決定者、有権者代表の議会、オピニオンリーダーなど)と、様々な工夫と努力でコミュニケーションを重ね、世論を形作ること

    その他
    アルカイダ、アッサハブ、アルジャジーラ

    0
    2014年03月16日
  • 国際メディア情報戦

    Posted by ブクログ

    ”メディア情報戦”の名のとおりまさに戦争。平行して読んでる「孫子兵法」のなかでも情報戦は最重要項目として位置づけられている。こりゃおちおち昼寝してる場合じゃないなぁ。

    しかし情報戦そのものを”楽し”んでいいのかな?面白けりゃいいか。

    0
    2014年03月12日
  • ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争

    Posted by ブクログ

    ネット時代以前の話しだが、政治の裏に暗躍する広告マンが、如何に遣り手で情報操作を巧みに行ったかが分かる。

    0
    2025年11月29日
  • ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この本のここがオススメ

    「石油のようなわかりやすい経済的な利害関係がないことは、ボスニア紛争にアメリカ人の関心を引き付けるには、不利な条件でした。しかし、私たちは、もっと高度な視点から人々の心に訴えかけることにしたのです。それは民主主義と人権の問題です」

    0
    2024年06月04日
  • ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争

    Posted by ブクログ

    ウクライナ戦争でも当然のようにPR会社が暗躍し、意図的に取捨選択された情報、もしかしたら偽情報まで流され、それを私達はマスコミを通して知っているつもりになってるんだろうな。

    0
    2022年08月27日
  • ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争

    Posted by ブクログ

    面白い。国際政治の舞台におけるPR会社の暗躍を描いている。
    数ある一つの論点でしかなかったセルビア紛争を国際社会の主要論点化し、かつクライアントであるボスニアを善玉・相手国であるセルビアを悪玉に仕立て上げるプロセスが、非常にドラマチックに描かれている。
    ゼロから作り出すことはできないが、クライアント国が持っている特徴のうち、良いものを最大限に引き出し宣伝する。また相手国が持っているネガティブ要素を誇張も含め最大限宣伝する。その宣伝方法においても、ロジックではなく感情に訴える。説明するのではなく、その映像や画像が引き起こす連想を戦略的に狙い利用すると。

    痩せた上半身裸の白人・有刺鉄線。
    何も説

    0
    2022年06月05日
  • ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争

    Posted by ブクログ

    戦争広告代理店 高木徹 講談社

    事実を断片的につなぎ合わせ
    捏造されていく憎悪による恐怖社会を綴る
    克明なドキュメント

    ペンの力は往々にして
    感情的なエコ贔屓を誘発し
    武力を上回る狂気の暴力を発揮する
    そこに利害を目的とする冷徹な
    広告業が関わる情報戦を展開するのが
    物質至上世界である

    アンネの日記がそうであったように
    世界中の人心を動かすこともあるし
    綿密は計略によるキャッチコピーと
    イメージ操作で生み出すことも可能だ

    ホロコーストや民族浄化の一言で
    一方的に偏った情報が世界を駆け巡り
    凶器となって一人歩きし出し
    手の付けられない勢いで
    無垢な民衆を手玉に取り洗脳してしまう
    一部分を

    0
    2022年05月30日
  • ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争

    Posted by ブクログ

    Yがやけに勧めるので読んでみたがそれなりにおもしろかった。この人テレビのディレクターだけあって、盛り上げ方がうまい。最後のパニッチとアメリカのなんとかバーガーのやりとり」「私がきみだったらそんなことは言わないだろう」というところがクライマックスだな。それにしても民間企業が一国の運命を部分的にせよ左右してしまうのだから、やっぱり情報戦って現代社会では大切なんだな、と当たり前のような感想。

    0
    2022年01月27日
  • ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争

    Posted by ブクログ

    読んでみてボスニア紛争が鮮明になった。
    凄惨な紛争のうらで、各陣営がそれぞれの思惑で奮闘していた。
    邪悪でも正義でもなく、ただ誤謬と、間抜けと、戦略がそこにあるだけだった。
    政治は難しい。見えているもの全てが正しいとは限らないし、邪悪な権謀術数が渦巻いているとも限らない。ただタイミングと思惑だけが噛み合う瞬間に後戻り出来ない物語が動いてしまうのだ。願わくば小国の正義が、この地球で広く認められる日が来ることを願わずにはいられない。

    0
    2021年07月09日
  • ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ドキュメント 戦争広告代理店
    情報操作とボスエア紛争

    著者 高木 徹
    講談社
    2002年6月30日発行


    1990年代に起きたボスニア紛争。チトーなきあとのユーゴスラビアでは、スロベニア、クロアチア・・・と次々と独立をしていったが、3つめのボスニア・ヘルツェゴビナの独立の際、それに反対する新ユーゴスラビア連邦の実質主体国であるセルビアが非情なる軍事攻撃をしたとして国際的な非難を浴び、すっかり悪者になり、国連から追放され、後のコソボ紛争後には大統領が逮捕され、長期にわたって裁判にかけられる中、獄中死したという歴史がある。

    現在(本が書かれた2002年)、セルビアの首都ベオグラード(旧ユーゴ

    0
    2021年03月17日
  • ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争

    Posted by ブクログ

    高校生の時に「メディア・コントロール」という本を読み、マスメディアの持つ影響力の強さと、本質を見極めることの大切さを学んだ。その時感じた気持ちを久しぶりに思い出させてくれる一冊だった。耳ざわりの良い言葉に惑わされずに、自分の頭で考える力を研ぎ澄ませていきたい

    0
    2020年09月08日
  • 国際メディア情報戦

    Posted by ブクログ

    『戦争広告代理店』でも語られたボスニア戦争や、ビンラディン、オバマ大統領といったメディア情報戦の強者たちの戦い方を分析し、PRの重要性を説く。

    日本のメディア戦略も国内規模では色々やっているんだろうが、ヤラセがバレて炎上してしまうお粗末なものも多い。
    実際に「戦争」に繋がる国のPR戦略は、やはり緊張感とレベルが違う。

    抜粋
    自分のもとに届く情報が、そこまでにどのような「情報戦」をくぐりぬけてきたかを考える。
    その視点を持ち、情報の裏にある意識と、そこに存在したのが誰であるかを見抜く。

    0
    2020年09月04日
  • 国際メディア情報戦

    Posted by ブクログ

    「重要な情報こそ外部に発信し、それを武器とすることが国際社会で不可欠。情報戦とは、情報を少しでも多くの人の目と耳に届け、その心を揺り動かすこと。いわば出す情報戦。・・・いかに他の人に伝えるかが勝負」という前書きの筆者の説明が本書の内容を端的に表すもの。それを、ボスニア戦争、ビンラディン、オバマなど実例を使いつつ、具体的な展開を説明していく。日本への提言もあり。

    名著であることは疑いない。但し、前著の戦争広告代理店の内容をまとめたというボスニア戦争時の情報戦の内容が非常にインパクト強く良く纏まっている一方、それ以降の話題がやや長くインパクトがボスニアほどではなく、読書の高揚感が徐々に薄れていく

    0
    2020年08月13日
  • ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争

    Posted by ブクログ

    PRとなにか。を学ぶに適した本だろう。約30年近く前でこの状況。今はネットにSNSが入り混じり、さらに複雑怪奇になる。正直、ドヤ顔であろうPRマンに嫌悪感は増すし、いいように使われるメディア側の問題を語りたがらない筆者も好きにはなれないが、間違いなく名著である

    0
    2020年06月06日
  • ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争

    Posted by ブクログ

    ボスニア紛争時におけるPR戦略の内幕について書かれた本。
    著者はNHKのディレクターであり、「NHKスペシャル」の取材を元にテレビでは伝えきれなかった部分などを書き表したものである。
    ボスニア紛争戦争時、10代だったので戦争そのものがあまり記憶にないけれど、登場人物であるミロシェビッチの名前は記憶している。
    ということは、それだけメディア(とりわけテレビ)に取り上げられたことの証とも言えるだろう。
    どのような内容でミロシェビッチの名前が登場したかは記憶にないが、本書を読む限り、それは悪者としてであろう。
    今でこそ、政治家もPRを戦略の一つにするけれど、当時から諸外国ではそれが当たり前のことであ

    0
    2020年01月31日
  • 国際メディア情報戦

    Posted by ブクログ

    今(2016年)からたった25年ほど前までは、「如何に情報を守るか」が主流だったように思います。当時は「情報を出す」行為は基本として「ディスインフォメーション工作」の一環として存在し、それをどうやって見破るかが主眼だったと記憶しています。

    現代においても「情報を守る」ことや「ディスインフォメーション工作」は当然存在しているのだと思いますが、それよりも、現代の情報化社会では「情報を出すことで、世論を形成する」ことが、より大きな影響を社会に与えることを本書は教えてくれます。

    本書は序盤で、今では一般にも有名になった「ボスニア戦争」におけるルーダー・フィン社によるPR戦略で戦争の勝敗をも左右させ

    0
    2016年10月10日
  • 国際メディア情報戦

    Posted by ブクログ

    国際世論を動かすことが、ひとつの国の将来を決めていく。そうなのだろうと思うが、本当にマスコミは危険で無責任なシステムなのだなと思う。いつも正義の側に立っているようで、結果はその逆になることが多いので葉にだろうか?

    0
    2015年06月21日