高木徹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前半は英雄譚的な読み物としておもしろく、後半はいろいろ考えさせられる内容だった。テレビの人なので、アメリカのテレビメディアの影響力の話が中心で、彼らの文脈にいかに乗せていくかという視点でPRが語られていく。
ちょっとオールドファッションな気もしないでもないけれど、ワールドワイドで考えたときには、外国メディアや通信社の報道として「引用」されることが多いので、根っこの情報源として重視すべきというのは、まあそうなんだろうなと思う。
PRの本質は、一般に日本人が苦手なロビー活動的な働きかけにあるので、日本(企業)が情報空間の中で優位に立つには、「正しいと思われるために正しく取り組むことは決して正しいこ -
Posted by ブクログ
この分野については、20年前アメリカにいたときに、英語を上達させたければMTVではなく、CNNを見た方がいいよと言われ、時々見ていたらイラク戦争勃発のニュースをCNNが報道していたことや、大統領選の際に、民主党と共和党の候補者が直接討論することくらいの予備知識かしなかった。よって、読む前や読み始めた時には、楽しめるかどうかわからなかったが、いざ読み出すと、おもしろい物語のように一気に読んでしまった。
著者が初めに言うように、この本を読んで国際メディアで伝えられる人の発言やその発言の仕方、短い映像に対する見方が確かに変わった気がする。発言や映像に込められた意図を考えるようになったし、何回も聞く -
Posted by ブクログ
ユーゴ内戦の内幕を暴いた「戦争広告代理店」からもう12年も経つのかと驚いたのですが、世界はますますメディアによるイメージ操作に操られるようになっているようです。急速に普及したインターネットメディアに主戦場を移して、その情報戦を繰り広げるPR会社たち。テロリストも、対テロ戦争も、メディアを通じて状況をコントロールしているのは間違いない事実のようです。筆者は日本も積極的に「メディア情報戦」を仕掛けて国益とすることを説いており、決してそれを否定する立場ではないのですが、はたして無批判にこの現状を受け容れて良いものかどうか。すくなくともこうした情報操作のもとに我々はさまざまな判断を強いられているという