佐高信のレビュー一覧
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松元ヒロさんの舞台を観たことのある人は
彼の「芸」の背景にあるものが見えてきます
まだヒロさんの「芸」を観たことのない人は
必ずや、観たい!の気持ちを持つことになるでしょう
立川談志さん、マルセ太郎さん
残念ながら故人となってしまわれたお二人のこと
でも、お二人の「こころざし」は
こうして松元ヒロさんの「芸」に受け継がれていることに
拍手をしたくなることでしょう
終わりのほうで、偉大な詩人でありフォークシンガーの笠木徹さんの名前が登場してくることもうれしい限りです
そうそう
永六輔さん、
今の時代をご覧になられて
「永さんが、もし生きていらっしゃったら
なんとおっしゃるのだろう」
と思 -
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ザ・ニュースペーパーの歴代首相のモノマネは絶品。最近はテレビに出ないのかな?と思っていたら、テレビ関係者はライブは見に来るけれど(案の定)「絶対にテレビには出せない」と思っているそうな。残念。さすが報道の自由度急降下中と言われる中でも影響力が大きいと思われるテレビ界隈(以下自粛‥)
本書のタイトルを見て、ムズカシイ政治の本だと思ったり、茶化したり批判するだけの本では?と読まないのは勿体無い。
2015年現在の首相で(エピソードも豊富な)安倍さんを主な題材に、政治家とはどうあるべきか、個人がひとまとめにされてしまう怖さ、ユーモアの大切さなどを、おもしろがりながら考えさせられてしまった。 -
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昔っから徳間書店という出版社が放つ、なにか猥雑なパワーに不思議な気持ちを抱いていました。「黄金の犬」みたいなベストセラーもマッチョだし、「敦煌」みたいな映画も異常にダイナミックだし、「アニメージュ」みたいな雑誌も先駆け過ぎだし…。それが徳間康快という社長のキャラクターそのものだと知りました。昭和の男、いや男という漢字じゃ収まらない漢の夢の砦が徳間グループなのでした。そのそんな漢の周りには、さらに漢祭りというような右も左も硬も軟も関係ない輩が上から下から後ろから前から集まってくるのです。それを著者は「濁々併せ飲む」と表現しているのでしょう。いろんなことが清浄化された今、その濁々はどこに流れている
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一見、何じゃこりゃというタイトル。しかし、「戦後民主主義」の上半身は丸山眞男が、下半身は田中角栄が体現していた、そのことは「戦後」を一括りに葬り去ろうとする安倍晋三らの動きによって、より明瞭になってきている、という指摘は、なるほどそういう見方もありえるのかと思った。
ただ、丸山・角栄の衣鉢を継ぐ者が、小田実はともかく、辻元清美とかって話になると、「戦後民主主義」の今後もなかなか寒々しい。
それに丸山・角栄と、安倍・小泉純一郎・岸信介との違いは、軍隊で二等兵になって殴られた経験があるかどうかだという話が安易に強調され過ぎている。分かりやすい対比ではあるのだが、一歩間違えば「軍隊で殴られていない奴 -
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気になるセンテンス
21 “おもてなし”ということは“裏ばかり”ってことですよね、って言ってた
いっぺんに「おもてなし」のイメージが悪くなってしまった。しかし、ことほど左様なものなのかもしれないな、ひとの感覚というものは。
23 沖縄県の翁長雄志知事が「上から目線の”粛々と”という言葉を使えば使うほど、県民の心は離れて、怒りは増幅していく」とつよく抗議したわけでしょ
たしかに上から目線のイメージが強いですね、この「粛々」 この言葉を使うひとのイメージはそれだけで悪くなりそうです。
25 安倍さんのボキャブラリーって非常に単純で真似しやすいんです。「まさに」「全力で」「断固として」「しっかり -
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著者の佐高信は,歯に衣着せぬ表現者で,権力在る者を滅多切りにするジャーナリストである。一方,筑紫は,どちらかというと,物腰柔らかく,それでも言いたいことは言わしてもらうけんね,というようなタイプ。この2人が,『週刊金曜日』の編集委員だったということは,よく知っている。また,2人の文章もよく読んできた。
さて,本書は,佐高が,筑紫の文章を引用しながら,その人となりを語っていく。しかし,内容は,単なる佐高からの筑紫へのラブコールではない。佐高は,随所に,自分と筑紫との違いを浮き彫りにしながら,「筑紫の甘さ」にも切り込んでいく。これが,けっこうスリルがあって,おもしろいのだ。「筑紫の甘さ」は,彼 -
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ネタバレ雨宮処凛さん、私は全く知らなかったんですが、右翼活動を経て、非正規雇用の労働問題に取り組んでいる方らしい(プレカリアート運動というらしいですよ)。本対談は2007年に行われていますが、その後のリーマンショック・年越し派遣村、秋葉原事件等を受けて、巻頭に追加対談が増補されています。セーフティーネットが十分に機能せず、一旦落ちると這い上がる事が困難な社会には、先の見えない閉そく感を感じます。本来はそのような状況におかれ、怒るべき人たちがスピリチュアル系に走って怒りを抑制されているというのは面白い分析。そうかスピリチュアルってそんな効果もあったのか(笑)。
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ネタバレ特に印象的だったことを徒然に書き記しておきます。
学徒出陣に対して、庶民からはむしろ当時のエリート層である
大学生が出征することを、喜んでいたような節があるというような
話が興味深かった。「不幸の均霑」という言葉を用いて説明されているんだけど、「同じ辛い思いをしろ」というような、庶民側の感情というものがあったと。これなんか、まさしく今の日本とおなじ構造だと思う。昨今の過激な発言で賑わす政治家達が既得権益をぶっつぶすみたいなこと言うけど、それに市民は喜んで同調してしまう。
その背景にあるのは「大変な思いをしている時に甘い汁を吸っているやつらはけしからん」というような、感情と同じだと思う。
本当 -
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リクルート事件の真っ最中、リクルート社のPR誌の仕事をしていた。
店舗等へ取材依頼をするのだが、軒並み取材拒否。勿論、事件の
影響である。
住友銀行の支店長射殺事件の時は、住友銀行の仕事をしていた。
「住友に打ち合わせに行って来ます」と事務所で言うと、
「撃たれるなよ~」と先輩に言われた。出入り業者まで標的に
されては堪らん。
世界的な技術を持ちながら粉飾決済事件で信用が地に落ちた
オリンパスの事件も記憶に新しい。
本書は戦後に起きた企業事件を簡潔にまとめて、経営者や経営陣
のモラルの低下を指摘している。
内紛劇やら、会社の私物化やら。もうやりたい放題。そして、事件
として表面化しても