瀬川晶司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
奨励会の厳しい年齢制限。26歳までに4段に昇給しなければ、プロ棋士になる道は完全に閉ざされる。
青春と情熱のすべてを将棋に注いだ若者にとって、その恐怖と絶望がいかほどのものか。想像するだけでも恐ろしい。
そんな将棋界に、アマチュアからプロ棋士になり、異例の「プロ編入制度」足掛かりを築いた、瀬川棋士の自伝。
瀬川棋士のプロへの軌跡と、諦めずに進んでいけば、必ず夢は叶うというメッセージが詰まった1冊です。
瀬川さんを含めて素敵な登場人物がたくさん。
子どものやりたいこと、好きなことを応援し、見守ってくれた両親。時び厳しくも励ましてくれた兄たち。
すこし風変りだけれど等身大の子どもの姿を見続けてたくさん褒めてくれた小学校の先生。
そして不思議な絆で繋がった奨励会の仲間たち。
中でも今私が子どもと関わる仕事をしているからこそ余計に感じるのかもしれないけれど、小学生の先生の子どもたちへ与える影響の大きさは計り知れないですね。
本当に素敵な先生ですね。良いところを見つけて褒める、ってすごく大事。
「好きなことを仕事にする」とは、奇跡のような素晴らしいことで、とても自由で、同時に強く自己責任が求められる厳しい世界。
あとがきの時点では、プロ編入制度へ挑戦した人が4名いたけれど、厳しい条件を前にプロ入りは叶わなかった。そこから11年経った今、その制度を使ってプロになった人が4名いることが調べてみたらわかった。
条件も厳しく、間違いなく高いハードルであると思うけれど、瀬川さんたちが巻き起こした革命は、年齢制限で諦めずにプロになれた棋士を誕生させたんだ、と思うと
胸が熱くなりますね。
読書感想文などの課題図書に選ばれるのも納得の素敵な1冊でした。 -
Posted by ブクログ
数週間前(8月末)、NHKの「ごごナマ」という番組のゲストに、この本の映画で主演した松田龍平さんが登場した。ちょうどこの本を読んでみようかと気になっていたところだったので番組を見ていたら、なんと著者の瀬川さんも登場。
なんて優しそうな人……。私はそれまで、プロ棋士というとなんとなくシャープで冷たい印象を抱いていたのだが、瀬川さんはあたたかくて、親近感すらわいた。この人なら将棋を優しく教えてくれそう。実際、番組で優しく解説してくれていた。
そして本を買ってきて読んでみた。
瀬川さんは文才もあるようで、まるで小説、するすると読めてしまう。
これまで将棋とは無縁の生活を送ってきた私にもわかりやすく、将棋の世界が少し身近に感じられるようになった。
新聞で目にする将棋の記事の中に、この本に登場した人の名前を見つけると「あ、あの人だ!」とちょっとうれしくなったりもして。
読んで良かった。
やっぱり何事も「楽しい」と思えることが一番。
プロ棋士の卵たちを、心から応援します! -
Posted by ブクログ
プロ編入テストを受けてプロ棋士になった瀬川晶司の自伝。
・三兄弟の末っ子で、文字通り泣き虫で次男からいじめられてた幼少時代
・将棋を始めて自信を持つようになる小学生時代
・すぐに同級生のライバル(渡辺健弥;のちのアマ竜王)を見つけて切磋琢磨して中学生名人になる中学生時代
・奨励会時代の甘くも苦い思い出
・25歳制限でプロへの道を閉ざされ神大二部に入って学生生活を謳歌しながらも将棋を忘れずにアマチュア棋戦に出場するようになる
・NECの子会社に入ってサラリーマン生活を過ごすも、銀河戦その他でプロに7割以上の勝率を上げて嘆願書を提出し、3勝してプロになる
・プロ棋士になって苦戦するも、無事フリークラスを脱出し晴れてC級2組に昇級。
どこを切っても面白かったけど、やはり波乱万丈で最終的にプロ棋士になれたところが一番ですね。
なのでプロ入り6番勝負のところはもう少し詳しく読みたかった。
プロ入り後に十分な活躍ができてないのは、本人も書いてたけど、それが実力ってことなんでしょう。
それでもアマからプロへの道を花村九段以来60年ぶりに開けて、将棋史には名前を残したわけだから、今後も頑張ってほしいです。 -
Posted by ブクログ
診断士受験生の友人から紹介された一冊。
偶然にも『シリコンバレーから将棋を見る-羽生善治と現代』に続き、将棋関係の本。
著者は、年齢制限により奨励会から退会したものの、その後、アマチュアとして活躍し、プロ入り嘆願書を書いて61年ぶりの編入試験までこぎつけ、35歳でついにプロとなった。
本書では、その著者の人生観や将棋への接し方が連ねられている。
自分の人生を遅咲きの「後手」の生き方とし、後手ゆえの「強さ」について触れた記述ももちろんある。
副題には、“「先手」にはない夢を実現する力”とあるように、「先手」の生き方と、自分の生き方を比較をしている記述もある。
でも、読み進めてみると、「先手」を意識・比較した上での「後手」についての記述は、意外に少ない。第一章と、最後に収録されている、渡辺明棋士(先手の生き方の代表格)との対談だけではないだろうか。
では、残りの章には何が書いてあるのだろうか。
・ 将棋だけではなく、仕事やスポーツや勉強でも共通の、「極める」「達成する」ために必要な強さ・意志・心構えについて。
・ 愛する将棋を一人でも多くの人に広めることを使命とした、プロとしての心構えについて。
この2点について、飾らない言葉で、真摯に、でも、力強く書かれている。
これは、自己啓発書にとても近い内容といえる。
そういう意味では、将棋がわからない私でも、深く頷ける内容ばかりだった。言葉を返せば、共感するが、真新しさはないといえる。
けれども、著者は、壮絶に体験を積んだ結果、それらのことに達観したのだと思う。
私は、同じことを頭で理解し、いくばくかを実際に体験しているが、著者の達観には程遠い。
だからこそ、著者の文章は、真摯で力強く、語りかける力があるのではないだろうか。
それから、もう一つ。
本書を読んで、形式知化した考え方がある。「信用」という考え方だ。
・「信用」が絶大な棋士であれば、相手が勝手に「この相手では、粘っても逆転の見込みはない」などと諦めが早くなることがある。
・「信用」がないと、こちらが優勢でも「この相手ならきっと間違えるだろう」などと頑張られて逆転される可能性が増えることがある。
だから、棋士は、棋士間の信用を勝ち取っていく必要があるのだ。
これ、仕事の上でも見かけるなぁ。
「信用」という言葉を使えると、「悔しいけど、今は信用を積み重ねていくしかない、がんばろう」とか、感情のコントロールに役立ちそうな気がする。
ちなみに、この「信用」というフレーズは、将棋界では非常に有名なフレーズらしいデス。
読んだ日: 8月14日
読んだ場所: 平塚→東京の東海道線内
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
何歳でもプロは目指せる!
将棋界に革命を起こした「後手番」棋士が語る。
将棋に先手と後手があるように、人生にも先手と後手がある。
奨励会を年齢制限で退会し、アマチュアとして夢を追いかけた私はいわば「後手番」の人間。
だが「後手」にも先手にない強みがある!
[ 目次 ]
第1章 「後手」にも強さがある
第2章 「プロ」には誰でもなれる
第3章 プロの執念
第4章 トップに立つために
第5章 プロとアマチュア
第6章 将棋の未来
対談 「後手番」棋士と二十歳で頂点に立った「先手番」天才棋士が語る「本物のプロ」とは?(瀬川晶司×渡辺明)
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