瀬川晶司のレビュー一覧
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プロ棋士になるための奨励会に入ったが年齢制限のために退会することになり、会社員として働いていた瀬川晶司さんが失意から夢を取り戻し、プロ編入試験に合格するまでのお話。
当時プロ編入試験で棋士になったのは、1944年に特例で受けられた花村元司九段しかいなかった。
制度化もされておらず、奨励会で三段リーグを勝ち残った人だけがなれる世界だったんだけど、年齢制限という大きな壁があり今までも沢山のドラマが生まれてきた世界。
この本にも三段リーグだけではなく、色んなドラマがあって何回か涙ぐんでしまう場面だったり、「えっ⁉︎」って思わず声を出してしまうシーンもあった。
そして、何より夢を追いかけていく姿に -
Posted by ブクログ
この本は、今は無き「たなぞう」の感想から知り、読んでみたいと思った本であった。
読み終えてこの満足感。ノンフィクションで久しぶりに心がぐぐっと動かされました。
プロ棋士を目指していた瀬川晶司さんの半生。
いったんは奨励会を退会したものの、紆余曲折を経てプロ棋士になることができた過程が書かれている。
生い立ちを読むだけでもすでに面白い。
さらにその時々で出会い、人生を左右することなった人たちの話に感動があふれてくる。
小学校の恩師の言葉、教え子を見つめ導くやさしさに泣けて泣けてじんとした。
将棋センターの今野さん、ライバル渡辺健弥くん、お父さんの言葉、奨励会の仲間たち。淡々と回想するかたちでかか -
Posted by ブクログ
単行本と合わせていったい何回読んだことか。おそらく十回は超えてる。読むたびに涙が出る。大事な大事な一冊。
瀬川さんが、異例のプロ編入試験将棋に合格してプロ棋士になったことは、当時かなり話題になった。この本はそこに至る経緯を述べたものであるけれど、ノンフィクションとして非常に面白いということをはるかに超えて、彼と周囲を取り巻く人たちの生き方に深い感動を覚えずにはいられない。
最初に語られる小学校時代の恩師(という言葉がこれほど似合う人もいないだろう)のエピソードに私はいつもまず泣かされる。試験将棋の初戦に負け、内心深刻な危機に陥っていたセガショーに届くドラえもんの葉書。そこにある短い言葉の何 -
Posted by ブクログ
将棋のプロ、棋士になる道は険しい。奨励会と呼ばれる将棋のプロを目指す者がしのぎを削る場所に入会し、そこで勝ち抜いていかなければならない。奨励会には、現在ではたいていの場合、小学生の間に、5級あるいは6級で入会する。その後、4・3・2・1級から初段・二段と昇級・昇段していった先には、最後にして最大の関門である三段リーグがたちはだかる。三段リーグは年に2回開催され、それぞれの上位2名のみが四段、すなわちプロ棋士になれるという仕組みである。すなわち、年に4人しかプロ棋士になれないのである。また年齢条件があり、26歳までにプロになれない者は奨励会を退会しなければならないという決まりがある。
本書の筆者