武田尚子のレビュー一覧
-
イギリスにおけるチョコレート産業の成立と展開をロウントリー社のキットカットから見ていく一冊。
中米のカカオ生産の歴史から始まりヨーロッパへの伝来の過程も追いかけているので、この一冊でカカオとチョコレートの世界的展開を概観できる。
歴史や流通・経済・産業・労働者の話が中心になってくるけど、会社の名前...続きを読むPosted by ブクログ -
チョコレートというものが、アステカからマヤにかけて生まれ、ヨーロッパの植民地であったことから、スペイン、ポルトガルに広まり、フランスのルイ14世がスペインのハプスブルク家のマリーテレーズと結婚して、ココアがフランスに広まり、イギリス、オランダがやがて独占して、世界に広まっていったことが面白かったです...続きを読むPosted by ブクログ
-
カカオがアステカ文明で珍重された話や、三角貿易に組み込まれていたあたりの話には目新しさはなかったが、
その後の話が面白かった。
十九世紀後半、労働者に必要なカロリーを、アルコールに代えて、砂糖、つまりはココアやチョコレートで摂るようになったこと、
イギリスのチョコレート業者がメソジストを中心に発展...続きを読むPosted by ブクログ -
カカオから、ココア、そして、チョコレートに至までの流れ、それがまず興味深かったです。
今や身近となったチョコレートでも、近代ぐらいまでは、貴族のもので、それが時代の移り変わりなどとともに、一般の人の口に入るまでになったその過程にも知ることが多かったです。
チョコレートは、栄養食品にもなるので、...続きを読むPosted by ブクログ -
ページの多くを割いているのが、ロウントリー社が行った貧困・労働環境改善への取組み、キットカット関連の取組みについて。データが豊富で、読み応えのある興味深い内容だった。ココア/チョコレートの基本から歴史までじっくり味わえる良書。次回、チョコレートを買いに行くのが楽しみだ!Posted by ブクログ
-
武田尚子氏が2010年に刊行した歴史書。
『砂糖の世界史』や『茶の世界史』と同様にチョコレート(カカオ)というモノからみた歴史書である。
チョコレートも砂糖も茶もやはり大航海時代から世界に広まり、各時代や地域によってさまざまな使われ方をしてきた。
物流からの経済史からの視点や労働者からみた歴史...続きを読むPosted by ブクログ -
くっ、読み終わったらキットカットが無性に食べたくなった罠。
あんまりチョコレート菓子は好きじゃないのだけど。
王侯貴族の薬的なドリンクから始まったチョコレートが庶民の労働者の手軽な栄養補給に至るまで。
そして今のチョコレート事情など。
もうちょっと最近のことまで書くなら、気候変動と病気によるカカオの...続きを読むPosted by ブクログ -
ホットココアをお供に読みました。キットカットも用意しておけばよかった。
著者と目次からなんとなく察していましたが、世界史と銘打つにはロウントリー社とイギリスに特化しすぎな感。それで一冊書いても面白い本になったのではと思います。
世界史部分を知りたいだけなら、終章の綺麗な要約を先に読めばいいかもです...続きを読むPosted by ブクログ -
カカオ原産地中南米、スペイン侵攻により現地人が減少した為黒人奴隷が過酷な労働を担うことに。初めてココアを作った蘭バンホーテン、スイスでミルクチョコレート作りに成功したネスレ、キットカット大成功の英国などプロテスタント諸国。ココアとチョコレートの甘いだけではないちょっとビターな歴史。チョコレートを食...続きを読むPosted by ブクログ
-
チョコレート・ココアの歴史がよく分かる名著。ただし、後半はチョコ産業を通した社会構造の変化に重きを置き過ぎてて、チョコマニアとしてはもっとチョコに特化して欲しかった。Posted by ブクログ
-
19世紀までは、(チョコレートの原料である)カカオはとても希少価値が高く、「薬」として摂取されていた。20世紀になって量産体制が整ってから「スイーツ」としてのチョコレート・カカオが普及したそうです。
書籍の後半の主役は英ロウントリー社のKit Kat。戦時下では、十分な材料が確保できなかったために、...続きを読むPosted by ブクログ -
とてもおもしろかった。
本の中心にあるのはキットカット。キットカットの歴史は、それを生み出した Rowntree 社の歴史であり、それはイギリス福祉の歴史であり、それはクエーカーの歴史であり、三角貿易から自由貿易への歴史であり…という感じで拡がっていく。
拡がっていく、というのは読み終えてから見返し...続きを読むPosted by ブクログ -
“薬としてのココア”から“スイーツとしてのチョコレート”への変遷。前に読んだコーヒーの歴史と重なる部分も多く面白かった。特に4章以降のイギリスのチョコレート工場の話が興味深い。クエーカー教徒が運営する、労働者を大切にするチョコレート工場。かつてカカオ生産の現場でインディオや黒人奴隷を使い捨てたのとは...続きを読むPosted by ブクログ
-
フグやナマコなど、最初にこれを食べた人間は勇気があるとか語られたりする。それらとは別方向で意味不明な食べ物といえば私ならチョコレートを挙げる。複雑怪奇な製造法や産地と製造国の不一致など、お菓子の代表格としてでかい顔をしているが相当に不思議な食べ物である。
本書は本来アメリカ大陸で薬や疑似貨幣として扱...続きを読むPosted by ブクログ -
アステカの貴族が飲んでいたカカオ飲料は、いかにして世界中で愛されるチョコレートになったのか?
食物の歴史から世界史を紐解くという作りの本はいくつかあるが、本書はなかなか出来のいい一冊だった。バレンタインの季節に書店にたくさん陳列されていたので、思わず手に取った一冊だったが、文句なしに人に勧められる。Posted by ブクログ -
国立科学博物館の「チョコレート展」が面白かったので読んでみた。中米の神々の食べ物から大西洋三角貿易でヨーロッパへ渡り、宮廷の飲みものから庶民のココア、チョコレートになるまでは、チョコレート展とほぼ同じ内容。イギリスのチョコレートの大衆化、産業化がクエーカー教徒によってなされた部分が詳しく書かれている...続きを読むPosted by ブクログ
-
中南米原産のカカオ豆から作られるココアとチョコ。西欧は当初いかに受容していったか。どのように変化して世界に広まったか。知るほどにチョコが食べたくなる一冊。
19世紀以降の話が,イギリスの事例(そのなかでもロウントリー社の例)に偏ってるきらいはあるけど,カカオのたどった歴史がざっくりわかる。16-...続きを読むPosted by ブクログ -
『チョコレートの世界史』
マヤやアステカで滋養強壮の薬品として嗜好されていた中南米原産のカカオが、いかにして世界中に普及してココアやチョコレートとして利用されるようになったか。そこには奴隷貿易とキリスト教が大きく絡んでいる。
カカオを発見したスペインやポルトガルは、現地インディオが人口減少するに...続きを読むPosted by ブクログ -
日本における牛乳の、生産側や政治経済的な側面を主に歴史的観点で記された本。
私はタイトルから、「学校給食に牛乳が出るのは、戦後GHQから押し付けられたせい」「日本人には牛乳は合わない」といった噂を理解できる本かと思ったが、その予想は空振りに終わった印象。戦後GHQはちらっとだけ出てくるが、そんな陰謀...続きを読むPosted by ブクログ -
チョコレートの歴史。
珈琲と同様な歴史を辿っている。
チョコレートって最初は食事だったのかとか、
キットカットって最初の名前がちがうのかとか、
初めて知ることが多くて、楽しい読み物だった。Posted by ブクログ