武田尚子のレビュー一覧

  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    チョコレートの原料はカカオ豆です。
    中南米では昔から薬として摂取されていたそうです。
    それが、ココアとしてヨーロッパに伝わり、チョコレートができました。
    キットカットのロウントリー社の歴史が書かれていて、この会社は社員のための学校や住宅街などを作ったりととても誠実な経営をしていたようです。
    その誠実さの表れが、キットカットの包装紙に、今は戦時下なので、キットカット本来の原料では作れないけど、できるだけ近い味にしてあります、というような但し書きが書かれていたそうです。
    この話を読んで、前よりももっとキットカットが好きになりました。
    Have a Break, Have a KitKat!

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    2024年12月10日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    ネタバレ

    私達にも身近なチョコレートは近代化の産物です。特にイギリスの産業革命によってチョコレートはそれまでとは大きく違った意味を持ち始めます。その流れを知れる本書は非常に刺激的です。

    また、本記事のタイトルにも書きましたが私達もよく知るキットカットの歴史もこの本では知ることができます。

    本書を読めばこうしたチョコ菓子が人気になっていくのもまさに近代化の影響だったということがよくわかります。

    私達の身近な生活にも直結するチョコレートの成り立ちを知るのにこの本はとてもおすすめです。前回紹介した『チョコレートの歴史』とセットで読めばさらに理解が深まること間違いなしです。

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    2024年08月28日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    イギリスにおけるチョコレート産業の成立と展開をロウントリー社のキットカットから見ていく一冊。

    中米のカカオ生産の歴史から始まりヨーロッパへの伝来の過程も追いかけているので、この一冊でカカオとチョコレートの世界的展開を概観できる。
    歴史や流通・経済・産業・労働者の話が中心になってくるけど、会社の名前も商品の名前も身近なものが多いので、内容も入ってきやすい。

    ロウントリー社の資料を使っているから当然とはいえ、労働者問題や販売戦略等々、卓越した企業であったことがよくわかった。

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    2021年07月01日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    チョコレートというものが、アステカからマヤにかけて生まれ、ヨーロッパの植民地であったことから、スペイン、ポルトガルに広まり、フランスのルイ14世がスペインのハプスブルク家のマリーテレーズと結婚して、ココアがフランスに広まり、イギリス、オランダがやがて独占して、世界に広まっていったことが面白かったです。

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    2016年05月28日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    自分の興味あるところとそうでないところで面白さが全然違ったけど、特にキットカットのところがやっぱり面白かったな、読む手がスイスイ進んだ。
    と思ったら作者もここは力を入れたところらしい。伝わりました!

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    2025年07月09日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    4章以降くらいから特に面白かった。単なる嗜好品ではないチョコの側面を知れた。正直言って、かつて先住民や黒人をこき使って生産されていた歴史があるから、現代に至るまでも大なり小なり似たようなものだと読む前は思っていた。

    しかし、この本を読んで認識が変わった。
    クエーカー教徒の自己規律的な精神がチョコレートの発展に寄与したことや、キリスト教圏内において少数派の信者達の相互扶助の精神が、労働者の福祉や、社会への福祉に貢献したという事実はとても興味深かった。

    キットカットの歴史は筆者が語りたかったことであろうと推測されるが筆が乗っていて楽しかった。ぜひ読んでほしい。読んだ後は何気なく食べているチョコ

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    2025年03月08日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    武田尚子氏が2010年に刊行した歴史書。

    『砂糖の世界史』や『茶の世界史』と同様にチョコレート(カカオ)というモノからみた歴史書である。

    チョコレートも砂糖も茶もやはり大航海時代から世界に広まり、各時代や地域によってさまざまな使われ方をしてきた。

    物流からの経済史からの視点や労働者からみた歴史などチョコレートに秘められた歴史は奥深く面白いです。

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    2023年09月24日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    ネタバレ

    くっ、読み終わったらキットカットが無性に食べたくなった罠。
    あんまりチョコレート菓子は好きじゃないのだけど。
    王侯貴族の薬的なドリンクから始まったチョコレートが庶民の労働者の手軽な栄養補給に至るまで。
    そして今のチョコレート事情など。
    もうちょっと最近のことまで書くなら、気候変動と病気によるカカオの絶滅の危機まで入ったかなぁ。
    砂糖と乳製品も値上がってるし、今年も高級チョコレートは小粒化の一途だそうですよ。
    というか、イギリスの奴隷制度廃止の発端は人道とかそういう話ではなかったんですね。
    まぁそんなもんかなと思ったりしつつ。甘いだけじゃないビターなエピソードも多かったです。

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    2023年08月19日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    ホットココアをお供に読みました。キットカットも用意しておけばよかった。

    著者と目次からなんとなく察していましたが、世界史と銘打つにはロウントリー社とイギリスに特化しすぎな感。それで一冊書いても面白い本になったのではと思います。
    世界史部分を知りたいだけなら、終章の綺麗な要約を先に読めばいいかもです。

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    2021年02月06日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    カカオ原産地中南米、スペイン侵攻により現地人が減少した為黒人奴隷が過酷な労働を担うことに。初めてココアを作った蘭バンホーテン、スイスでミルクチョコレート作りに成功したネスレ、キットカット大成功の英国などプロテスタント諸国。ココアとチョコレートの甘いだけではないちょっとビターな歴史。チョコレートを食べたことのない貧しい西アフリカの人々が今もカカオ農園を支えているらしい。

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    2020年10月20日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    チョコレート・ココアの歴史がよく分かる名著。ただし、後半はチョコ産業を通した社会構造の変化に重きを置き過ぎてて、チョコマニアとしてはもっとチョコに特化して欲しかった。

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    2018年06月05日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    19世紀までは、(チョコレートの原料である)カカオはとても希少価値が高く、「薬」として摂取されていた。20世紀になって量産体制が整ってから「スイーツ」としてのチョコレート・カカオが普及したそうです。
    書籍の後半の主役は英ロウントリー社のKit Kat。戦時下では、十分な材料が確保できなかったために、青色の包装紙のKit Katで販売されていたというくだりは意外でした。今はちまたにKit Katはありふれており、その頃の食べ物のありがたさは分からないなと思います。

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    2018年05月26日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    とてもおもしろかった。
    本の中心にあるのはキットカット。キットカットの歴史は、それを生み出した Rowntree 社の歴史であり、それはイギリス福祉の歴史であり、それはクエーカーの歴史であり、三角貿易から自由貿易への歴史であり…という感じで拡がっていく。
    拡がっていく、というのは読み終えてから見返した時の視点であって、それは著者が後書きに書いているこの本を書くに至った発端からの発展ではあるけれども、本自体は紀元前からカカオが人間とどう歩んできたか、どうキットカットに至るのか、というような構成になってる。キットカット奥が深い。

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    2014年02月20日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    “薬としてのココア”から“スイーツとしてのチョコレート”への変遷。前に読んだコーヒーの歴史と重なる部分も多く面白かった。特に4章以降のイギリスのチョコレート工場の話が興味深い。クエーカー教徒が運営する、労働者を大切にするチョコレート工場。かつてカカオ生産の現場でインディオや黒人奴隷を使い捨てたのとは対照的だ。福利厚生を充実させることで、労働力を再生産する。青いパッケージのキットカットからは、消費者に対する誠実さも感じられる。食品偽装問題が騒がれている昨今の日本でもぜひ見習いたい精神。

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    2013年11月02日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    フグやナマコなど、最初にこれを食べた人間は勇気があるとか語られたりする。それらとは別方向で意味不明な食べ物といえば私ならチョコレートを挙げる。複雑怪奇な製造法や産地と製造国の不一致など、お菓子の代表格としてでかい顔をしているが相当に不思議な食べ物である。
    本書は本来アメリカ大陸で薬や疑似貨幣として扱われていたカカオがヨーロッパで菓子として市民権を得るまでとイギリスの産業社会の発展と寄り添ったチョコレートの歴史を紹介している。
    カカオにとっては砂糖と紅茶がまさに運命を変えた出会いとなったが、奴隷制や植民地政策と密接なそれら作物との関係を思うと業が深い食べ物だと感じる。

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    2013年06月06日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    古代から現代までのチョコレートの変遷をざっと理解できた。古代から近世の内容をもう少し厚くしてほしいのと、近代のキットカットやヨーロッパのチョコレートの量産化の部分が多すぎと感じた。

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    2025年09月30日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    ネタバレ

    p3
    カカオ豆にはポリフェノールの含有量が異なる3種類の系統がある。ポリフェノールが一番少なく苦味渋みが少なく芳香が強い、しかし病気に弱く世界で生産されてるカカオ豆の1%しかないクリオロ種、世界で80-85パーセントを占めるポリフェノールを多く含み苦味が強い、そして病気に強いフォラステロ種、全種二つを組み合わせ両方の良いところ(芳香、病気耐性)を持つトリニタリオ種がある。

    p27チョコレートの語源はマヤ語のチャカウハ(暑い水)ねあるとされる。

    ボナウィート カカオを加工しカカオマスから油脂を取り除かず加熱しない製法でつくる製菓業者

    p60 コンラートヴァンホーテンは飲みにくいココアの原因

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    2025年04月06日
  • ミルクと日本人 近代社会の「元気の源」

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    戦後の学校給食のミルクまでの、日本人と牛乳のつながりについてが内容。
    戦前まで日本人は牛乳を単なる嗜好品というよりも栄養補給のための薬のように捉えてきた。
    高砂親方が牛乳屋をやっていたという相撲界と牛乳のつながりが意外だった。

    なお、戦後給食については岩波新書1748『給食の歴史』が詳しい。

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    2025年03月29日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    お菓子の代表格、チョコレートがどのように食べられるようになり普及していったかの歴史を書く。世界的に食べられている赤と白の袋の「キットカット」の誕生や生産体制、宣伝方法などを通して、イギリスを中心とする労働者の働き方にも目をむける。

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    2024年10月27日
  • チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

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    『チョコレートの世界史』

    マヤやアステカで滋養強壮の薬品として嗜好されていた中南米原産のカカオが、いかにして世界中に普及してココアやチョコレートとして利用されるようになったか。そこには奴隷貿易とキリスト教が大きく絡んでいる。

    カカオを発見したスペインやポルトガルは、現地インディオが人口減少するに伴って、アフリカから奴隷を連れてくるようになる。さらにカカオは西アフリカに移植され、大規模なプランテーションで生産されるようになる。後発のオランダやイギリスは、プロテスタント的な戒律から奴隷制を批判し、工業生産へと舵を切っていく。

    主に薬品として王侯貴族の嗜好品に使われてきたカカオは、オランダやイ

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    2024年02月14日