武田尚子のレビュー一覧
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チョコレートの原料はカカオ豆です。
中南米では昔から薬として摂取されていたそうです。
それが、ココアとしてヨーロッパに伝わり、チョコレートができました。
キットカットのロウントリー社の歴史が書かれていて、この会社は社員のための学校や住宅街などを作ったりととても誠実な経営をしていたようです。
その誠実さの表れが、キットカットの包装紙に、今は戦時下なので、キットカット本来の原料では作れないけど、できるだけ近い味にしてあります、というような但し書きが書かれていたそうです。
この話を読んで、前よりももっとキットカットが好きになりました。
Have a Break, Have a KitKat! -
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ネタバレ私達にも身近なチョコレートは近代化の産物です。特にイギリスの産業革命によってチョコレートはそれまでとは大きく違った意味を持ち始めます。その流れを知れる本書は非常に刺激的です。
また、本記事のタイトルにも書きましたが私達もよく知るキットカットの歴史もこの本では知ることができます。
本書を読めばこうしたチョコ菓子が人気になっていくのもまさに近代化の影響だったということがよくわかります。
私達の身近な生活にも直結するチョコレートの成り立ちを知るのにこの本はとてもおすすめです。前回紹介した『チョコレートの歴史』とセットで読めばさらに理解が深まること間違いなしです。 -
Posted by ブクログ
4章以降くらいから特に面白かった。単なる嗜好品ではないチョコの側面を知れた。正直言って、かつて先住民や黒人をこき使って生産されていた歴史があるから、現代に至るまでも大なり小なり似たようなものだと読む前は思っていた。
しかし、この本を読んで認識が変わった。
クエーカー教徒の自己規律的な精神がチョコレートの発展に寄与したことや、キリスト教圏内において少数派の信者達の相互扶助の精神が、労働者の福祉や、社会への福祉に貢献したという事実はとても興味深かった。
キットカットの歴史は筆者が語りたかったことであろうと推測されるが筆が乗っていて楽しかった。ぜひ読んでほしい。読んだ後は何気なく食べているチョコ -
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ネタバレくっ、読み終わったらキットカットが無性に食べたくなった罠。
あんまりチョコレート菓子は好きじゃないのだけど。
王侯貴族の薬的なドリンクから始まったチョコレートが庶民の労働者の手軽な栄養補給に至るまで。
そして今のチョコレート事情など。
もうちょっと最近のことまで書くなら、気候変動と病気によるカカオの絶滅の危機まで入ったかなぁ。
砂糖と乳製品も値上がってるし、今年も高級チョコレートは小粒化の一途だそうですよ。
というか、イギリスの奴隷制度廃止の発端は人道とかそういう話ではなかったんですね。
まぁそんなもんかなと思ったりしつつ。甘いだけじゃないビターなエピソードも多かったです。 -
Posted by ブクログ
フグやナマコなど、最初にこれを食べた人間は勇気があるとか語られたりする。それらとは別方向で意味不明な食べ物といえば私ならチョコレートを挙げる。複雑怪奇な製造法や産地と製造国の不一致など、お菓子の代表格としてでかい顔をしているが相当に不思議な食べ物である。
本書は本来アメリカ大陸で薬や疑似貨幣として扱われていたカカオがヨーロッパで菓子として市民権を得るまでとイギリスの産業社会の発展と寄り添ったチョコレートの歴史を紹介している。
カカオにとっては砂糖と紅茶がまさに運命を変えた出会いとなったが、奴隷制や植民地政策と密接なそれら作物との関係を思うと業が深い食べ物だと感じる。 -
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ネタバレp3
カカオ豆にはポリフェノールの含有量が異なる3種類の系統がある。ポリフェノールが一番少なく苦味渋みが少なく芳香が強い、しかし病気に弱く世界で生産されてるカカオ豆の1%しかないクリオロ種、世界で80-85パーセントを占めるポリフェノールを多く含み苦味が強い、そして病気に強いフォラステロ種、全種二つを組み合わせ両方の良いところ(芳香、病気耐性)を持つトリニタリオ種がある。
p27チョコレートの語源はマヤ語のチャカウハ(暑い水)ねあるとされる。
ボナウィート カカオを加工しカカオマスから油脂を取り除かず加熱しない製法でつくる製菓業者
p60 コンラートヴァンホーテンは飲みにくいココアの原因 -
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『チョコレートの世界史』
マヤやアステカで滋養強壮の薬品として嗜好されていた中南米原産のカカオが、いかにして世界中に普及してココアやチョコレートとして利用されるようになったか。そこには奴隷貿易とキリスト教が大きく絡んでいる。
カカオを発見したスペインやポルトガルは、現地インディオが人口減少するに伴って、アフリカから奴隷を連れてくるようになる。さらにカカオは西アフリカに移植され、大規模なプランテーションで生産されるようになる。後発のオランダやイギリスは、プロテスタント的な戒律から奴隷制を批判し、工業生産へと舵を切っていく。
主に薬品として王侯貴族の嗜好品に使われてきたカカオは、オランダやイ