桝田啓三郎のレビュー一覧

  • 死にいたる病 現代の批判

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    自己自身になろうとすること、透明な私になることこそが死に至らないとしても、いま、ここにいる私を捨て去ることができるのだろうか?いま、ここにいる私を捨て去るのは、やはり死に(精神的な死ではないにしても、肉体的な死はある気がする)かわらず、私としてはどうしても捨てきれない私が残る気がする。キルケゴールからすれば、それも絶望に違いないのだろうけれど、〈神がそこにいるのにもかかわらず、自分を捨てきれない弱さ〉というのはあるのではないか。日本で言えば、遠藤周作が海と毒薬や、沈黙でそれを描いてきたのだろう。

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    2024年06月30日
  • 死にいたる病 現代の批判

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    個人心理学としても有名なアドラー心理学と「個人」の指す意味は違えど趣旨はかなり近いように思う。
    結局は「未来を諦めず、過去に固執せず、自分の限界を見抜きながら今を生きる」という趣旨と解釈した(信仰云々に関して除けば)。

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    2023年08月24日
  • 死にいたる病

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    死にいたる病
    (和書)2011年07月06日 21:43
    1996 筑摩書房 セーレン キルケゴール, Soren Kierkegaard, 桝田 啓三郎


    キルケゴール「死にいたる病」を読むのは2回目なのです。1回目は何処が凄いのかピンとこなかった。でも今回読んでみて吃驚するぐらいすばらしい作品だと思いました。

    1回目を読んだ時の自分と2回目を読んだ時の自分が全く違う人間に変わってしまったような、新鮮な衝撃を受けました。

    読書って1回読んだだけでは読み切れないって強く思いました。前回は必読書だから力が入りすぎたのかもしれない。

    カントの啓蒙とキルケゴールの教化が繋がっていてヘーゲルに

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    2020年09月26日
  • 死にいたる病 現代の批判

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    一言で言うなら、「自分病」か?

    現代社会の大衆的平均的な人間の在り方については、百年経った今でもそれは顕著だと感じる次第。

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    2014年05月06日
  • 死にいたる病 現代の批判

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    ネタバレ

    キルケゴールの最高傑作なのではないでしょうか?

    これまでつちかった神学から導きだされた。
    絶望と人間の関係!

    絶望とは自由の目眩である!
    最高の名言ではないでしょうか?

    とにかく丁寧に書き上げるキルケゴールに脱帽。

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    2011年10月13日
  • 死にいたる病 現代の批判

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     哲学は、時代や場所・人種の区別を超えて、言葉のみを用いて「死」を解き明かそうとする試み。そう定義するのなら、キルケゴールは間違いなく哲学をしている。見た目は、気弱な文学青年のような容姿と雰囲気だが、この著書で書いたものには、それとは真逆の力強さと潔癖さがあった。
     保証や予測もつかない未来に、自分の全てを放り投げろ。そうしなければ、熟慮と反省の檻から抜け出すことができず、絶望のうちにとどまり続ける。祈りは、己を放下する境地でこそ意味をなす行いだ。それ以外は、全て冒涜でしかない。
     見返すたびに、そこから何かを持ち帰れるような、良書です。

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    2013年10月09日
  • 死にいたる病 現代の批判

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    キルケゴール。高校の倫理の時間に軽く学んで以来とっても興味があったけど、なかなか手を出せずにいました。このたびいよいよその著作に目を通しとても感銘を受けました。あらゆるシチュエーションでの『絶望』というところから、神と出会うことの重要性を説きます。明らかな教化的著作だけども、哲学書としても一流だと感じました。巻頭にキルケゴールの生涯を簡単にまとめたものがついています。その中で「キルケゴールほど、その人生と思想とが肉薄している人物も珍しい」とありましたが、まさにその魂の哲学だったのだと感じます。更に読み進めていきたいです。


    09/5/17

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    2009年10月04日
  • 死にいたる病

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    ネタバレ

    古典を読み切った以上の感情がない
    何が言いたいのか分からなかった
    キリスト教徒の向き合い方なのか

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    2021年02月06日
  • 死にいたる病

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    牧師たるものは、もちろん信仰者でなくてはなるまい。
    では、信仰者とは!信仰者とは、もちろん、恋する者である。
    ・・・・・・『死に至る病』190頁

    彼、キルケゴールの指す「死に至る病」とは、絶望のことである。
    この書では、様々な絶望の形を弁証法的に解説しているのだが、普段、私たちが使う「絶望」とは違う意味を持つらしい。
    彼の絶望とは、人間の自己が神を離れ、神を失っている状態のこと。
    そして、人は皆、絶望しているということが語れる。
    自分で絶望していないと思う者も、絶望に気づいていないに過ぎない。
    真に絶望していない者は、極めて稀な存在なのだ。

    第二編では、罪についてが語られるわけだが、ここで

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    2010年12月22日