桝田啓三郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
死にいたる病
(和書)2011年07月06日 21:43
1996 筑摩書房 セーレン キルケゴール, Soren Kierkegaard, 桝田 啓三郎
キルケゴール「死にいたる病」を読むのは2回目なのです。1回目は何処が凄いのかピンとこなかった。でも今回読んでみて吃驚するぐらいすばらしい作品だと思いました。
1回目を読んだ時の自分と2回目を読んだ時の自分が全く違う人間に変わってしまったような、新鮮な衝撃を受けました。
読書って1回読んだだけでは読み切れないって強く思いました。前回は必読書だから力が入りすぎたのかもしれない。
カントの啓蒙とキルケゴールの教化が繋がっていてヘーゲルに -
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Posted by ブクログ
キルケゴール。高校の倫理の時間に軽く学んで以来とっても興味があったけど、なかなか手を出せずにいました。このたびいよいよその著作に目を通しとても感銘を受けました。あらゆるシチュエーションでの『絶望』というところから、神と出会うことの重要性を説きます。明らかな教化的著作だけども、哲学書としても一流だと感じました。巻頭にキルケゴールの生涯を簡単にまとめたものがついています。その中で「キルケゴールほど、その人生と思想とが肉薄している人物も珍しい」とありましたが、まさにその魂の哲学だったのだと感じます。更に読み進めていきたいです。
09/5/17 -
Posted by ブクログ
牧師たるものは、もちろん信仰者でなくてはなるまい。
では、信仰者とは!信仰者とは、もちろん、恋する者である。
・・・・・・『死に至る病』190頁
彼、キルケゴールの指す「死に至る病」とは、絶望のことである。
この書では、様々な絶望の形を弁証法的に解説しているのだが、普段、私たちが使う「絶望」とは違う意味を持つらしい。
彼の絶望とは、人間の自己が神を離れ、神を失っている状態のこと。
そして、人は皆、絶望しているということが語れる。
自分で絶望していないと思う者も、絶望に気づいていないに過ぎない。
真に絶望していない者は、極めて稀な存在なのだ。
第二編では、罪についてが語られるわけだが、ここで