ウィリアム・バトラー・イエイツのレビュー一覧

  • ケルト妖精物語

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    夏至が近いのでなんとなく選んでみました。

    すっっごく面白かった。
    妖精は明るい。それに関わる人間も明るい。
    日本人は妖怪や幽霊に勝てないけれど、
    アイルランド人は対等に渡り合って、知恵比べをして、勝ったり負けたりしながら、なんだろう、
    賭けなんだけど動いた方が良い。
    という感じ。

    もちろん物語の力強さもあって、ちょうど好きな塩梅。
    グリム童話は説教くさいし、アラビアンナイトは支離滅裂だし、アンデルセンは悲しいし。
    わたしはアイルランドの民話が1番好き。

    北の果てに住む人たちはもう少し暗いのかと思い込んでいました。そんなことなかった!
    アイスランドもだけど、厳しい自然の中で明るく生きてゆけ

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    2024年06月13日
  • ケルトの薄明

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     詩人イエイツの聞きまとめた、ケルトのおはなしたち。神話/民話と呼ぶほうが適当なのかもしれないが、(ケルトといえばこの方、という井村君江氏の翻訳もあってか)語り手として登場する老人たち――妖精たちなどを"見た"ものたち――の様子もなんとはなしに窺えて、こんな風に家々を訪ねて口碑を聞きまわりたいと思わされる力を感じるからやはりおはなし、と言いたい。一緒に炉端に座り、子どもみたいに「おばあちゃん(おじいちゃん)おはなしして」とねだりたいものである。イエイツもきっとそうだったろう、などと勝手に思ってしまうなどする。それほどに、語り手たちも魅力的なのだ。妖精たちはかれらの生活と分か

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    2018年05月08日
  • ケルト妖精物語

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    アイルランドの妖精のイメージが随分変わった。あまりにも知らなすぎた。
    これまでは、キャラクターとしてのおちゃらけた気のいい妖精のイメージを持っていたが、ゾッとするような不気味な世界にページを捲る手が止まらない。
    高圧的な態度や、死体を無理やり背負わされるなど…。
    アイルランドの人々にとって、恐怖の対象でもあったことに驚き。

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    2016年03月25日
  • ケルト妖精物語

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    バンシーやメロウなど、今となっては定番の話が多く収録されているが、前後関係としてはこれに収録されたから定番になったんだよな、という。おそらく古来から伝わっていた話も少なくないだろうが、そこへキリスト教的な視線が含まれることで全体にどことなく違和感が生じているのは面白い。妖精とキリスト教の悪魔との関わりなど。
    今の妖精談の方が却ってそこを弁別していることで均整のとれたものになっているケースが見られるが、そうした混在に無自覚な当時の語りの方が不恰好だからこそ「語り」の生々しさを感じさせられる。

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    2011年10月14日
  • ケルト妖精物語

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    イギリスの妖精は、日本の昔話でいう鬼とか、擬人法で現れる生き物達、幽霊にあたるのかな。

    序章の解説はとても面白く読み通しました。もう一度反芻して頭のなかにいれていきたい。

    また一つネタを繰り出せそうです。

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    2011年01月08日
  • ケルトの薄明

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    ネタバレ

    ケルトであるとか妖精であるとか、そういうものをしてファンタジーと認識したのは、遠い異国の幻想的な事物であるとか語感の耳触りであるとかから来ていたのかもしれない。
    圧倒的な経験不足がそうさせていたのかもしれない。

    アイルランドに伝わる民話・説話を拾い集めた本書に、日本の妖怪話が透けて見える。いわゆる昔話というものを比較したときに、ヨーロッパと日本ではおそらくキリスト教の影響の有無が最も大きいのではないかと思われるが、それを除去したならきっと、未知なるものを目の当たりにした時に説明を求める情動というものに人種などによる大きな違いはないのだと思えてくる。

    読み味は『夢の宇宙誌』を思わせる。まとま

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    2023年11月27日
  • ケルトの薄明

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    イェイツが各地で収集したケルト民話。
    神話ではなくあくまで地元の妖精目撃談の類なので地味なこと極まりない。
    ケルト版「遠野物語」といったところだろうか?
    違うのは、イェイツの行動や主観が多く記されている(相対的に語り手が語った部分は少ない)ことと、イェイツが柳田に比べてかなり体を張ってフィールドワークに挑んでいることだろうか。
    何せ悪魔の儀式に参加するくらいである。大分がんばっている。
    ただ、多少悪魔召喚じみたものもありつつも、本来ケルトの妖精とは善悪とは結びつかないものであり、「正しく扱えば無害(もしくは利益を与えてくれる)だが、正しく扱わなければ害をなす」なものなのだと言う。

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    2011年01月18日
  • ケルト妖精物語

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    幻想的な話がたくさん載っていて、妖精のイメージを膨らませるのに十分でした。
    天気のいい日に森の中で寝転がって読んだらより楽しめそうです。

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    2009年10月04日