ウィリアム・バトラー・イエイツのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
夏至が近いのでなんとなく選んでみました。
すっっごく面白かった。
妖精は明るい。それに関わる人間も明るい。
日本人は妖怪や幽霊に勝てないけれど、
アイルランド人は対等に渡り合って、知恵比べをして、勝ったり負けたりしながら、なんだろう、
賭けなんだけど動いた方が良い。
という感じ。
もちろん物語の力強さもあって、ちょうど好きな塩梅。
グリム童話は説教くさいし、アラビアンナイトは支離滅裂だし、アンデルセンは悲しいし。
わたしはアイルランドの民話が1番好き。
北の果てに住む人たちはもう少し暗いのかと思い込んでいました。そんなことなかった!
アイスランドもだけど、厳しい自然の中で明るく生きてゆけ -
Posted by ブクログ
詩人イエイツの聞きまとめた、ケルトのおはなしたち。神話/民話と呼ぶほうが適当なのかもしれないが、(ケルトといえばこの方、という井村君江氏の翻訳もあってか)語り手として登場する老人たち――妖精たちなどを"見た"ものたち――の様子もなんとはなしに窺えて、こんな風に家々を訪ねて口碑を聞きまわりたいと思わされる力を感じるからやはりおはなし、と言いたい。一緒に炉端に座り、子どもみたいに「おばあちゃん(おじいちゃん)おはなしして」とねだりたいものである。イエイツもきっとそうだったろう、などと勝手に思ってしまうなどする。それほどに、語り手たちも魅力的なのだ。妖精たちはかれらの生活と分か
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Posted by ブクログ
ネタバレケルトであるとか妖精であるとか、そういうものをしてファンタジーと認識したのは、遠い異国の幻想的な事物であるとか語感の耳触りであるとかから来ていたのかもしれない。
圧倒的な経験不足がそうさせていたのかもしれない。
アイルランドに伝わる民話・説話を拾い集めた本書に、日本の妖怪話が透けて見える。いわゆる昔話というものを比較したときに、ヨーロッパと日本ではおそらくキリスト教の影響の有無が最も大きいのではないかと思われるが、それを除去したならきっと、未知なるものを目の当たりにした時に説明を求める情動というものに人種などによる大きな違いはないのだと思えてくる。
読み味は『夢の宇宙誌』を思わせる。まとま -
Posted by ブクログ
イェイツが各地で収集したケルト民話。
神話ではなくあくまで地元の妖精目撃談の類なので地味なこと極まりない。
ケルト版「遠野物語」といったところだろうか?
違うのは、イェイツの行動や主観が多く記されている(相対的に語り手が語った部分は少ない)ことと、イェイツが柳田に比べてかなり体を張ってフィールドワークに挑んでいることだろうか。
何せ悪魔の儀式に参加するくらいである。大分がんばっている。
ただ、多少悪魔召喚じみたものもありつつも、本来ケルトの妖精とは善悪とは結びつかないものであり、「正しく扱えば無害(もしくは利益を与えてくれる)だが、正しく扱わなければ害をなす」なものなのだと言う。