あらすじ
月夜の緑の草原や青い海原の底でバラエティーに富んだ妖精たちと人間が織り成す、詩情ゆたかな物語の数々。アイルランドで何世紀にもわたって語り継がれ、今なお人々の心に息づいている祖先ケルト民族のさまざまな民間伝承や昔話の中から、妖精譚のみを集めた古典的名著。付録にイエイツの「アイルランドの妖精の分類」を収録。
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Posted by ブクログ
夏至が近いのでなんとなく選んでみました。
すっっごく面白かった。
妖精は明るい。それに関わる人間も明るい。
日本人は妖怪や幽霊に勝てないけれど、
アイルランド人は対等に渡り合って、知恵比べをして、勝ったり負けたりしながら、なんだろう、
賭けなんだけど動いた方が良い。
という感じ。
もちろん物語の力強さもあって、ちょうど好きな塩梅。
グリム童話は説教くさいし、アラビアンナイトは支離滅裂だし、アンデルセンは悲しいし。
わたしはアイルランドの民話が1番好き。
北の果てに住む人たちはもう少し暗いのかと思い込んでいました。そんなことなかった!
アイスランドもだけど、厳しい自然の中で明るく生きてゆけるのは本当に素敵。
Posted by ブクログ
アイルランドの妖精のイメージが随分変わった。あまりにも知らなすぎた。
これまでは、キャラクターとしてのおちゃらけた気のいい妖精のイメージを持っていたが、ゾッとするような不気味な世界にページを捲る手が止まらない。
高圧的な態度や、死体を無理やり背負わされるなど…。
アイルランドの人々にとって、恐怖の対象でもあったことに驚き。
Posted by ブクログ
バンシーやメロウなど、今となっては定番の話が多く収録されているが、前後関係としてはこれに収録されたから定番になったんだよな、という。おそらく古来から伝わっていた話も少なくないだろうが、そこへキリスト教的な視線が含まれることで全体にどことなく違和感が生じているのは面白い。妖精とキリスト教の悪魔との関わりなど。
今の妖精談の方が却ってそこを弁別していることで均整のとれたものになっているケースが見られるが、そうした混在に無自覚な当時の語りの方が不恰好だからこそ「語り」の生々しさを感じさせられる。
Posted by ブクログ
イギリスの妖精は、日本の昔話でいう鬼とか、擬人法で現れる生き物達、幽霊にあたるのかな。
序章の解説はとても面白く読み通しました。もう一度反芻して頭のなかにいれていきたい。
また一つネタを繰り出せそうです。