5、6年前に買ってその時にも読んだけど、また読みたくなり、再読。
2003年に単行本として出版されているからそれから20年。
そして小説の舞台は1983年ごろなので40年経っている。
会社の風景はもうずいぶん変わってしまっているし、それを読む私もずいぶん年をとった。
この小説は、間違いなく働くこ
...続きを読むとの大切なことが書かれている。
けれど、この本を今の新入社員に進めるかというと少し躊躇う。
私が思う“大切なこと”自体が古びてしまっていると思うから。
フェミニズムという点からみても、この本は興味深い。お茶汲みも大事な仕事として手を抜かない姿は男性社会を積極的に受け入れるような啓蒙とも思えるが、見合い結婚にどうしても納得できない女性の自律的な一面も描かれている。
そう言う矛盾も正確に書かれているということは信頼できる。
それがこの時代のありのままの姿だから。