村上一郎のレビュー一覧

  • 岩波茂雄と出版文化 近代日本の教養主義
    明治の「教養」が伝統的支配階級の文化と断絶した「舶来」文化であって、学校教育で習得される文化であるため、帝大の文学部はあまり豊かでない階層の地方出身者が多い、というところが面白かった。
    と、「周知のように、信州人は赤になりやすいといわれた」といういいまわしに妙に受けてしまった。70年代には周知だった...続きを読む
  • 岩波茂雄と出版文化 近代日本の教養主義
    岩波文化と講談社文化には、想像以上に明確な区別があった。



    日本インテリゲンチャは、いうところの「岩波文化」と、涙を流して格闘し、しかもそこから多くを学び、時に呆然としつつ、おのれの意識をとぎすましてゆくほかあるまい。(p.113)